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真っ赤な葡萄酒3

・・・・

女神と死神は仕事のために神界へ戻っていた。

「私がやります。女神様」

「そうですか・・ じゃぁ 死神、お願い。。」


「トシユキとは 最近 どうですか?」

「最近は、街へ行くか草原の事ばかりしていますね。日が暮れても勇者とばかり仲良くしているようです。」


「そうなんだぁ。・・・・トシユキっていい感じだけど、でも人間ですからね。

人間が好きなのかもしれませんね。まあまあ 肩揉みますよ」

「はぁ・・」


死神は女神のしとやかな髪に触れた、そして小さなカマの形の髪留めで女神の髪を束ねた。


死神はマッサージがうまかった。

肩を揉みながら女神と話をした


「うんうん、大丈夫ですよ。トシユキには きっと事情があったんですよ。

ねえ 女神様、いつでも私を呼んでください、マッサージなら、してあげます。」


女神の肩を両手でトントンと叩いて微笑んだ。

女神は後ろを振り返り 二人はほんの少しの間見つめあったのだった。


「その 髪留め、使ってください。雰囲気が変わって素敵に見えます。」

「そうですか?それでは使ってみることにします。ありがとう」


・・・・

一方お城では 今日も宴の会が開かれていた。


「どうされました?元気がありませんな」

「ええ、穀物が不足すると噂を流しているのですが 思ったほど値が上がらないのです、

せっかく大量に買い込んだのに、安値で売ることになったら大損ですわ」

「それは 気の毒に、、ですが 値が上がらないのは草原から野菜が入ってきているせいでしょうな」


「トシユキですか。。葡萄酒の品評会も本選へ進んだそうですわね、どうするおつもりですか?」


「大臣のお力を借りようと思っているのですが、一口乗りませぬか?」

「ワイロ ですか?それはいい話ですわ。ほっほっほ」


・・

王の間では


「大臣よ 「神の見えざる手力」とやらは いつ来るのじゃ?

サリーちゃんが 将来が不安だと申しておったぞ」


「王様。 もう少しの辛抱でございます。

街には 外国から仕事を探すものも集まってきました。

ようやく お金持ちがお金を使う機会が現れたのです」


「そうか それはよかった。では わしは サリーちゃんのところへ、卵焼きを食べに行くとしよう」


「お待ちください 王様、魔王が残していったと言われる、剣の欠片から作られた、

「砂漠のナイフ」なのですが魔導士たちの研究によって 

ダークマターという金属でできているということがわかりました。

ダークマターですぞ、王様」


「魔王は倒され悪魔もいなくなり、時代は変わったのだ、 魔王のゆかりの物は処分しろと申したはずだ。」

「ははぁ、研究のためにございます、研究が終わり次第、処分いたします。」


大臣は頭を下げた。

そして王様は サリーちゃんのところへ卵焼きを食べに行ってしまった。


「ナイフになったとは言え、魔王の剣の価値もわからぬのか、アホ王様め。 

ただ 最近、筋肉質になって迫力がでてきたな、まさか 卵焼きの力・・なのか?」

・・・・



草原では野菜が沢山実った!

いっぱい収穫できたので、食堂に届けてあげたい。

そこで久しぶりにマリアとトシユキたちは

身寄りのない子供たちのいる食堂へ野菜を届けに行くことにした。

マイクと勇者も船着き場までは付いてきたのだが、二人は用事があるとかでどこかへ行ってしまった。

トシユキは 大きな背負い式のカゴにいっぱいの野菜を詰めた。

そしてカゴを頭の上に乗せて歩き始めた。

「その持ち方って 楽なんですか?」

マリアはエレナの手を引きながら トシユキの後ろをついてきた。


通りを歩いていると ベーレ国にやってきた人たちだろう、

路地には仕事を探す人たちが座り込んでいた。

その顔はずいぶんと疲れている。

まるで 戦場のキャンプで疲弊した兵士のように見えた。


「銀貨の雨が降ったはずなのにどうして・・」


ただ この通りはすでにスラム街にも近い場所だから 

ここで仕事を探しても 見つからないだろう。


食堂はどうなっているのだろう?

銀貨が降った日は子供たち総出で銀貨を拾っているはずだ。

お金を手にした人たちなら きっと 路地にいる人たちのようにはならないだろう。

食堂へ行けば にいぎわっている姿があって

子供たちも大忙しで仕事を手伝っているに違いない、

銀貨の雨は 貧しい人たちにこそ 恵みの雨になったはずだ。


「マリアちゃんが 帰ってきた!わーい」

子供たちが食堂から 出てきて飛びついた。

「ドン」「ダン」「ドン」

「どしゃー」

3人目のアタックで、マリアはそのまま子供たちに連れていかれた。

エレナも遊びに行ってしまって、しばらくは帰ってこないだろう。


「これは 立派な野菜をありがとう」


食堂のおばちゃんに野菜を渡した。

しかし 以前と変わらずで殺風景な、お客のいない食堂だ。

何かが変だ。 トシユキは食堂のおばちゃんに話を聞いてみた、


「ああ、両手いっぱいに銀貨を拾って、お腹いっぱいに食べれたのは少しの間だけでした。

・・・なので 食材が高くて買えなくなってしまいました。

一時期は 教会が建設されていたころのように、にぎわうかもしれないと期待したのですが

今回は当時のような人々の活力がありません。

昔と今では、いったい何が違うのでしょうか??」


銀貨の雨が降ったはずなのに、貧しい人はより 貧しくなっていた。

貧しい人は お金を稼ぐことは、あまり得意じゃない。

だから 使い切ってしまったらそれで終わってしまう。


仮に食堂みたいにお金を稼ぐ仕組みがすでにあったとしても

稼ぐよりも早いスピードで物価が上がってしまうのだから やっぱり稼ぐことが出来なかったのだろう。


でも 食堂の人たちだけなら 草原へ来てもらえば何とかなるだろう。

野菜も買えないのでは ベーレ国に住んでいても辛いだけだ。

説得すれば来てもらえるかもしれない。


トシユキは 食堂のおばちゃんに草原で暮らさないかと話をしてみた。

しかし 感心をした顔をしてトシユキを見たおばちゃんは この食堂で子供たちを預かろうと

思ったきっかけについて話始めた。

「初めは両親を野盗に襲われた子供でした・・・私がここで何とか生きていれば、一緒に生きてくれる人たちが現れるかもしれません。」

おばちゃんは ここに留まりたいようだ。

おばちゃんの生きがいは 困っている子供を助けることじゃなく、

この食堂を中心に 生まれていく人間関係を意味深く楽しむことだった。

でも 自分の身に何かあったときには 力を貸してほしいとは頼まれた。



トシユキは 考えた。。 そして 異世界に来るときに女神と「おままごと」をしたことを思い出した。

「神界の仕事が忙しいかもしれないけど、一度、女神様に相談してみようか」

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