表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/27

お金よりも大切なもの2

王の間の扉を開けると、赤いじゅうたんの先に神父と、玉座の上に浮かぶ王の姿があった。


トシユキは力をいっぱいに込め、エナジーランスを出現させる。

ランスはエネルギーに満ち溢れて 炎のようにメラメラと揺らめく光を放っていた。


「少し待つのだ! 王様、あとはあなた次第にございます。好きなほうをお選びください。」

神父は素早く 王に耳打ちをした。

「うむ 大儀であった。じゃが もう選ぶまでもない。うひゃ、ひゃ サリーちゅわーんの卵焼き最高~」

王は ふくよかなホホをヒクヒクと持ち上げて楽しそうに笑っていた。


「待たせたな。ああ この王様か?ククク、 これは魔石を取り出した王の体なのだよ、もう次期本当の抜け殻になるがな」


「トシユキ、 これは悪魔の力よ。私もうまく説明できないけど ここに王の精神と魔石はないわ」

「それで神父!、王様をどこへやった!!」


「王は、、ベーレ国のどこかにいる。。だが、これは王の願いなのだ、

あの肉体をお気に召されたのだからな。ククク

それより、どうやって兵士を倒してここまでたどり着けたか気になっていたのだよ。 

そこの魔導士。キサマの仕業か?まあいい」


王の精神と魔石は悪魔の力によって ベーレ国のどこかの誰かになってしまっているらしい。

そして 元々の自分の体を捨てて、新しい自分の体へ移動してしまいそうになっていた。


「ケロ子は? カエルはどこへやった??」

「カエル? そうか そうか。 それなら特等席にご案内してあるのだよ。

私が王女の体に入り、人の身に余る力を宿した王女として、

復活する瞬間を元王女様にご覧いただこうと思ったのだよ。」


悪魔の狙いは王女になり変わること。

そして 王女の姿で悪魔の力を奇跡の力と偽って使い、人々を苦しめることだった。

もし復活した王女は、実は悪魔で たくさんの人たちはすでに呪いをかけられていたとしたら

何の救いもなく絶望してしまうだろう。


「さあ!そろそろ そのランスと勝負といこうか」


神父は 両手を突き出し魔力を込め始めた。

すると 黒い属性の魔法の玉が生成されていく。。


「ドガ!」 

浮いていたふくよかな王様が玉座に落ちた。 水風船のようだ。

「サリーちゅわん。デザート落としちゃってゴメン・・むにゃむにゃ・・」


「トシユキ、手を。。」

エイミーは トシユキの腕に両手をのせた。

目を閉じて念じるとほのかに 両手が光り、手の温かい感触が伝わってきた。

炎のようにメラメラと暴れていたランスは形が整い、美しい槍の形に生成された。


「今の私にしてあげられるのは これくらい。頑張って」

そう言うとエイミーは両手を話すと そのまま後ろへ下がった。

「クルルル」

チュー太も急いでエイミーの靴の後ろへ隠れる。


神父の魔法は嵐のようにゴーゴーっとしている。


「ゆくぞ! 魔導破弾!!」

「エナジーランス!!!」


放たれた黒い球体とトシユキのエナジーランスが激突!!


「チュー・・」

爆発と風圧が周囲を襲った。

王の間に下げられている キレイなじゅうたんや布切れは宙を舞、黒いヒビの入った床が姿を現した。


「これ程とは・・・」

そこには悪魔の姿に戻ってしまった神父がいた。


「城で悪魔の姿はまずいな。トシユキよ、セインケ島に来い。そこで殺してやる。来なければ王女は・・ククク・・・」

悪魔は大きなコウモリに姿を変えて飛び去ってしまったのだった。


カエルのケロ子の正体は ベーレ国の王女様だった。

ケロ子は囚われてセインケ島に連れていかれてしまったらしい。


「行くのね トシユキ」

「チューチュー!」


「悪魔から、ケロ子を取り返しに行こう!!」

俺たちはセインケ島を目指すことにした。


「私は ベーレ国にいる王様を見つけだして、それから元の体に戻るように説得してみるわ。

あとから追いかけるから先へ行ってて」


・・・・

「おーぉ!トシユキが帰ってきたぜ!!」

マイクが手を振る姿が見える。

宿屋につくと 牢屋から無事に逃げ出した人たちとマイクたちが待っていた。

事情を話すと マイクはすぐに小さな馬車を手配してくれたのだった。


「神父様のところへ行くなら私も・・・・」

マリアもついて来るといったが エレナを宿に置いては行けない。


「それでしたら私達がエレナ様を預かります。それからこのふかふかパンを道中ででも食べてください」

そんなとき、グリーンのローブの男とヤーンさんとが エレナを預かってくれると言ってくれた。



「チューチュー」

チュー太も両親と挨拶を済ませると俺たちについて来てくれるという。



よし!出発だ!



「カタ、コト、カタ、コト」と馬車がセインケ島までの道をひた走ってゆく。

全力の悪魔とどうやって戦うのか?

神父の姿でも 互角だったのに戦う方法があるのか?

どうする・・。

考えがまとまらないまま 馬車を進めていくと突然声がした!


「そこの馬車止まれ!!俺は勇者!トシユキよ。やはり魔道具を手に入れるためにここへ来たな。

俺は異世界に転移するときに、神様にお前を倒すと約束したのだ。覚悟してもらうぞ!」


馬車の進む先には 勇者装備の勇者がいた。

しかも転移と言っているので、どこかの世界からの転移者だろう。

すこし話を聞いてみると喜んで話しはじめた。

転移する際に 特典として貰える願いが叶う白紙の紙には この国に伝わる伝説の勇者の装備とステータスを願ったのだとか。

しかし剣だけは再現できずに 似た形の魔剣ホーリーになってしまったらしいが

その他は完璧な勇者なので強いらしい。

だから 勝負しろと。


強引だったが、でも この話と悪魔の件とは無関係なようだ。

後日 出直してきてはくれないだろうか?


「ふざけるな、こっちは神様との約束があるんだ。戦わないなら、俺の雷でその馬車を破壊するぞ」

「チューチュー」

破壊されたら大変だ。

チュー太が トシユキの肩から飛び出したのだがマイクが空中キャッチした。


「まだ力を温存しておいてくれ、仮にステータスが俺より高くても、異世界に来たばかりのヤツには負けないから」

トシユキはチュー太の頭を撫でると一人で勇者の前にたった。


「覚悟ができたか? では行くぞ!

「神よお力をお貸しください!!ウォォー!!」

勇者の周辺に土ボコリがほのかに上がりカゲロウのような空気に包まれた。

すると青白いイナズマが発生し、勇者はそのイナズマを集めてうち放ってきた。


避ければ後ろの馬車は黒焦げだ!! くらえ! サンダーショット!!!」

・・・。

・・。

辺りにフラッシュが起きた。


「ジュ、ジュジューー」

体から湯気を立てながらも防ぎきったトシユキの姿があった。

しかし まとっていた エナジーがかき消されている。


「見たか!これが神様から頂いた力だ! はぁ~ でもなんか 俺まで痺れちゃったかも。。

 そして次は、この剣で一刀両断してやる!食らうがいい」

勇者は 剣を振りかぶり 切り付けてきた!


しかし トシユキはそれを待っていた。

「ウォーターロケット!」

トシユキは高く飛んだ

「ビチャ ビチャ ブッシャーー」


「うぁー なんだこの水?大丈夫なのか?ホントに水だよな?」

勇者は顔面に水がかかって怯んだ。


「エナジーランス!!」


上空から落下してきたトシユキの一撃が決まった!

ランスの効果で勇者は魔力切れになったが 

精神攻撃のほうは効果がないようでヘラヘラと可笑しな笑みを浮かべていた。


「さすがの精神耐性だな。気絶しないでヘラヘラ笑っている奴を見るのは初めてだ」

「ぐっ・ククク・いい、いいじゃないかぁ! だけどな 魔力切れは想定内だ。

奥の手を見せてやる。この豪腕すぎる腕輪の力を!」


腕輪を装備した勇者は 剣を振り回す。

「ドスン! ドガン!」

地面が陥没する。

「どうだ! 当たれば死ぬ!」

剣が地面に叩きつけられて悲鳴を上げている。魔剣が折れそうだ。

トシユキは ギリギリのところで攻撃を交わす。 余裕があるのか無いのかはわからないが


しかし 「グキ!!!!うっ ぐああ」

勇者は急に腰を抑えてしゃがみ込んでしまった・・・。


【豪腕すぎる腕輪】

ステータスを向上させて豪腕になれる。しかし 腰痛になってしまうアイテム。

ベーレ国の港バザーにて入手可能なアイテム


「痛ててて。あの ババー 覚えとけよ!」

勇者は悔しそうだった。


「もう 諦めろ。俺たちは急いでいるんだ」

「勇者様 どうかご慈悲をお与えください」

「チューチュー」


勇者はぎっくり腰の姿勢のまま動けそうになかった。

しかし 勇者は最後の手を出してきた。

「確なる上は・・4枚目の白紙の紙の力を見よ!

・・・死神召喚!!」


トシユキたちは 黒い球体に包まれると異空間へ飛ばされた

「でかしたぞ 褒めてやるぞ、勇者!」 

「ははぁ 死神さまぁ・・お褒め頂き光栄であります」


目の前には ふぁふぁと浮かぶ白と赤のハーフ丈のローブを着た女性がいた。

ふぁふぁ 浮かんでいるのに真っ赤なハイヒールを履いていて靴は必要ない気がする。

手にはキラキラとした片手で持てるサイズの鎌を持っていた。

一見は 神様に見えないのだが、さっきから勇者は死神にひれ伏して祈りを捧げているようだった。


「トシユキ お前!よくも女神様と結婚したな!!

許さないぞ!他の男神ならば・・諦めなければと覚悟していたのに、

お前は人間ではないか!これでは私がみじめじゃないか。 ぜーたいに 許さんぞ」


死神はトシユキに鎌を向けた。

自信に溢れた態度だ。


「死神様 奴らはどういたしましょうか?」

「何でもいいからアイツらに勝て、そうすれば命を奪う事ができる」

死神と勇者は相談を始めた。そして死神たちが選んだ勝負とは。。


勇者は問題を出した。

「お金よりも価値のあるものを示してみろ!」



お金より価値のあるものを俺・マイク・マリアの3人のだれかが答えられたら勝ち。

答えられなかったら負け。負けたほうは命を奪われることになるという死のゲームだった。


マイクが勝利を確信した顔で前に出てきた。

「なんだ ただのクイズじゃねぇか。答えはな、友情だ。どうだ!友情なんて目に見えないものは

金とは交換できないだろう」

モノではないものは お金では買えないっというわけか。


「そんなものは 金さえ積めば 友達ができるだろ。ちなみに銀貨十枚くれたら俺がお前の友達になってやるよ。あははは」

勇者に銀貨十枚の価値があるのかはわからないが

勇者は 高笑いをしてマイクに言い返した。

マイクは 口をつぐんでしまった。


「・・そうだな」

死神はうなずき 何やら唱えると。

「ドバン!!」

マイクは 宙に浮き意識を失った。


次にマリアが答えた。


「お金より価値のあるもの、それは 信仰心です。信仰心とは日々の祈りによってはぐくまれるものなのです」

トレーニングのように、毎日欠かさずにやって初めて意味のあることはお金では買えないというわけか。



「おもしろい!! それは私が答えを見せてやろう」

死神の目が子供のように輝いた。

鎌を頭上に掲げると映画館のスクリーンのようなものが目の前に現れる、

どうやらベーレ国が映し出されているようだ。


そして、死神はベーレ国の上空から銀貨の雨を降らせ始めた。

「ジャリン、ジャリン、ジャリン」

街の人たちは空を見上げている。

「空から、空から銀貨が降ってきたぞ!!神だ。きっと神のご慈悲だぁ!!」

「私は死神。 訳あって銀貨を降らせた。これからも私を崇めるが良い」

拡声器のような 声でベーレ国に死神の声が流れた。


「ははあー 死神様 バンザイ!バンザイ!」

民衆は 死神に祈りを捧げひれ伏している。

死神は ご満悦な表情になった。


「クククぅ、神の力の使用には制限が多くてな。一度 ドバーっと こんな事をやってみたかったのだ~ 

たまには召喚されるのも悪くないな」


死神はまた 何やら唱えると。

「ドバン!!」

マリアは 宙に浮き意識を失った。

二人はあっさりとやられてしまったのだった。


トシユキが 答えられなかったらその時点で3人の命はなくなってしまうのだが

大丈夫なのだろうか?

自信に満ちた二人の顔がまっすぐ トシユキを見ている。



「さあ トシユキよ答えるがいい」


「答える前に確認です。お金より価値のあるものをあなた達の前に示すと言う問題でしたよね?」

「そうだ 」

勇者はうなずいた。

どうせ 答えられないだろう。お金で買えないものなんてないのだから・・。



「それはよかったです。では答えはパンにします。ですがパンが正解かどうかを示すのは 

勇者でも死神様でもありません。あなた達はすでに一つずつ答えていますからね。

今度、正解かどうかを示すのは、この子です」


トシユキはチュー太を床に下ろすと パンと銀貨を地面に置いた。

「さあ 好きな方を選ぶんだ」

チュー太は当然パンを選んだのだった。

「お金の価値は人それぞれです。そうは思いませんか?」

「チューチュー」

チュー太は パンを両手で頭の上に持ち上げて跳ねて見せた。


勇者は肩を落とした。

そして二人は少しずつ薄くなり始めた。


「俺たちはどうしていたんだ。勝ったのか?」

マイクたちが意識を取り戻した。


「では 勇者よ。我々もそろそろ消えるとするか?」

勇者と死神はシュンとした態度になり、さらに薄くなり消えていこうとしていた。



「お待ちください。 あの答えはいったん取り下げようと思いまして。。

それで、もしよければですが 草原の拠点で俺たちと暮らしませんか?

今度は きちんと二人が納得できる答えを見つけますから。」


「でも 今更、女神様に合わせる顔がない・・」

「消えてしまったら女神様も悲しみますよ」

・・。

・。

「お前 いいやつだな、よし草原に行こう。勇者、お前もこい」

「どこまでも 死神様についていきます。ハヒィー」


勇者と死神が仲間になった

俺たちは悪魔の事を死神に話した。


「お前たちは悪魔と戦う気なのか?」

「悪魔の件からは手を引け。悪魔は人の身に余る、心を壊すんだ。人間が戦える相手じゃない」・・・

死神には反対されたが説得を続けた。


・・・・・



トシユキは宙に浮く スライムのようなカプセルに閉じ込められたケロ子を見た。

そして 魔剣ホーリーを地面に刺し、セインケ島に突き刺さる伝説の聖剣を握った。。

聖剣は ほのかに白い光を放っていて、すでに人の身に余る存在になっている事か分かった。


・・・・

「いいか チャンスは一度しかない。コウモリの状態の悪魔を倒せなければお前は死ぬ、場合によっては心を壊されて殺人鬼に変えられてしまうかもしれない」


死神は 土魔法で大砲を生成した。

「この大砲に入れ、大砲で送れるのは転移者だけだが・・この腰痛勇者め!」

死神は勇者に蹴りを入れた。


「はひぃー、、トシユキよ、せめて 俺の魔剣ホーリーを持っていけ、お前なら・・」

もだえた勇者は 腰を抑えながら魔剣ホーリーをたくした。


・・・・


聖剣に力を込める。。

「ケロ子・・俺に力を貸してくれ!!」


今までみんなに 助けてもらって何とかやってきた。

うまく出来ないことばっかりだったけど でも それが楽しかった。

トシユキはケロ子との生活を思い出す。

すると聖剣が 抜け始めた。

・・・。

・・。

「シャキン!!」

聖剣が抜けた。 


トシユキは聖剣を片手に持ち、背に剣を構える。

コウモリの姿の悪魔がトシユキの前にのこのこやって来て自分の好奇心を満たそうとし始めた。


「お前!お前はトシユキか?なぜだ?どうして私より先に島にいる?

その顔はまさか 悪魔を倒そうと思っているのか?」


悪魔は トシユキの持っている聖剣の輝きにようやく気付いた。

「その剣は・・聖剣なのか? バカな。ではあの剣は・・あれは魔剣!!

なぜだ!なぜだ! ありえない! やめろ!!」



・・・・

「行ってこい、トシユキ」

「エレナ様にカッコいいパパを見せてあげてください」

「転移者の力を見せてやれ!あ・・痛たたぁ」

「私は神の制約に違反したのだからな。・・勝てよ」

「チューチューチュー!!」

トシユキは大砲に入った。

・・・・



「消えろ悪魔!!俺はケロ子と帰るんだ!!」


コウモリの悪魔に聖剣を投げつけた。

「ぐがぁぁぁ」

悪魔は 光の中に消え、あちらの世界へ帰っていった。


王女の体が消えていく・・・王女の体は光となった。

そして ケロ子を閉じ込めていたカプセルは壊れてケロ子が出てきた。

「ゲロゲロ」

ケロ子は 頭を振っている。



「トシユキやったな! 悪魔を倒したのか?」

「人が悪魔を倒すことになるとは・・女神様が選んだ男だからか、、」

島の警備兵士と一緒にみんなが来てくれた。


そして ベーレ国へ帰還したトシユキたちは城から持成しと褒美を受けた。

エイミーは 無事に王を見つけ出し助けることができた。

その功績を称えられて、伝説の勇者の仲間が持っていたとされる

「賢者の杖」が褒美として与えられたのだった。



「ほらね お父さんを探すには きっとこの賢者の杖が必要になるのよ。じゃぁ 私はこの辺で」

「ちょっと待ってくれないか」

トシユキは 革袋から適当な魔石を取り出すと魔石召喚を始めた。

すると リスとネズミを足したような見た目の 可愛い「デグー」が召喚された。


「あら かわいいわね。デグーちゃん、私と一緒に来てくれるの? ありがとう。

じゃぁ 今度こそ ほんとにバイバイみんな~」

エイミーは 父を探す旅へ出かけた。


トシユキは 露店街やバザーで色々なものを仕入れて草原の拠点へ帰ってきた。


・・・・

「トシユキ、そんなことがあったのですか。・・・。」


女神はトシユキに膝枕している。

そして頭をゆっくりと 柔らかくなでていた。

ベーレ国からの褒美としてお金のほかに悪魔との対決で砕けてしまった聖剣の欠片をもらっていた。

露店街や港バザーでは布や綿花や色々なものを仕入れてこれたので

これでまた 畑を広げることができる。

そして 何より女神様に話すお土産話が山のようにあって、聞いてほしくて仕方がなかった。

エレナは 旅の疲れでぐっすり眠ってしまったので女神と二人きりだ。

生きて帰れたことに心臓が痛くなるほど嬉しさを感じた。

トシユキはもう 頭で考えずに素直になれた。

女神の膝の上に 涙がこぼれた。



帰還の祝いとこれから始まる農産物の貿易の成功を願って 宴も開かれた。

「カンパーイ!」

ベーレ国で仕入れてきた食べ物も加わって オードブルも豪華になった。

ゴブリンたちも 初めて食べる食べ物に何度も驚きながら食べている。

マリアも 久しぶりに飲めるシュアシュアしたジュースを嬉しそうに飲んでる。


一方、死神も女神に積極的だった。まだ 諦められないようだ。

「ねえ 女神さま。お酌してぇ?ねえいいでしょ?」

「お酒くらい自分でつげるではないですか?」

「そう?、じゃぁ 私がついであげる。それならいいでしょ?」

「まあ・・・ついでもらうくらいは、かまいません。。」

「ど~うぞ 女神さまぁ・・・あれ?女神さまのお皿、空じゃない。サツアンイモあげます。。私食べないから。」

「そう?食べないのでしたら・・いただきますけど・・」

「やっぱり 食べたいな。あーん♪ え!ダメ?じゃぁ 私が食べさせてあげる、それならいいでしょ?」


「くっくぅ~ おいたわしや、、死神様。。シクシク・・」

勇者は死神様を見て 泣いていた。


「ほーら エレナも食べるかぁ?あーん♪」

しかし トシユキは気づいていないようだった。


宴が終わり、トシユキは 酔っぱらって帰ってくると寝床の部屋にケロ子が遊びに来ていた。

「よ~ ケロ子、姫様じゃないかぁ!お前、すごいヤツだったんだな。 

俺は ほかのカエルとは違うって思ってたんだぞぉ~ バタン・・」


トシユキは 転がるように眠ってしまった。

ケロ子は トシユキが持ってきた葡萄酒を一口飲んでから眠っているトシユキの前に来た。


「ありがとう・・悪魔に負けた私を助けてくれて・チュ!・・ん?あれ?・・・ゲロゲロ」


ケロ子は一瞬だけ人間の姿に戻っていた。悪魔の魔法が少しずつ解けているようだった。

・・・・


ある日の事

マイクが街から帰ってきて 大変なことをトシユキに告げた。

「通貨が! 銀貨が暴落して街が大変なことになってるぜ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ