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おかしなスープ屋さんジョン2

「それで この食堂にお世話になって・・・・・でも そんなことになっていたなんてごめんなさい。。」

マリアは組んでいた両手を下げて頭を下げた。


この食堂にいる子供たちは身寄りのない子供たちらしく、教会の前の道で募金をしていたときに

知り合ったのだとか。

マリアが教会を破門になってからはしばらくこの食堂にいたらしい。

だけど 文字と算術のできるマリアのことを考えた食堂のおばちゃんは、

沢山の子供たちに読み書きを教えてほしいとマリアの旅立ちを後押ししたのだということだった。



あの扉に書かれていたステンドグラスの話だけど ウソだったらしい。

教会の建設当時は国から沢山のお金が出ていた。

だから、当時は酒場の数も増えて街もにぎわっていたらしく

「昔はよかった」とマリアの爺さんが、よく聞かせてくれたという話だった。

そして 今のように観光客からこんなお布施の取り方をしている事も知らなかったらしく

マリアは謝っていた。

破門になっているし別にマリアが誤ることではないだろう。




次の日


今日は 午後から募金活動をするためにクーダ教会の前まで行くという。

教会には 観光客が多く来るので、「ぜひ うちの前で募金活動をするといい」と

お声がかかったのだとか。


「キャハハハ」

ふと、外を見ると エレナも 食堂で暮らす子たちと仲良く遊んでいた。

最初、褐色のエルフの子と何やら話をし始めてから

2人が3人・4人とたちまち仲良くなってしまった。

今は お互いが知っている遊びを教え合っこをして盛り上がっているようだ。


「そうか 街にゴーストはでないのか・・・・」


マリアも食堂のおばちゃんもゴーストが街に出るというのは初耳らしく、

怖がっていた。

スラム街のほうでは 魔物が沸いてしまうような参事が起きているのだろうか?

兵士が動くのはもっと 被害が出てからになるらしく当面は気を付けて生活するしかないらしい。

しかし あのゴーストはエレナを狙っていたような気がするが。


「はい お花あげる」

子供たちが食堂へ戻ってきた。

エルフの子から花の冠を受け取ると、それを合図にほかの子も花で作ったネックレスや腕輪など

どんどんプレゼントしてくれる。

あとはベールでもあれば俺はもう花嫁さんにしか見えないだろう。


寄付のお礼に歌は歌ってもらったし、もう十分に心は満たされていたから

なんだか申し訳ない気がしてきたな。。。

なんて いい子たちなんだろう。

でも そのときエレナが「トシユキー ジョンのコーンスープが飲みたいな。ジョンのコーンスープが飲みたいな。みんなも飲みたいって!」と言い出した。


俺は 今は子供たちからお花の冠や腕輪をもらっている状態だ。

エルフの子は申し訳なさそうば顔でこちらを見ている。。

はいはい そういうことね。

エレナがきっと 街の話をしたときにスープの話になったのだろう。

これは 断れないしエレナにもいい顔をさせてやりたいと思った。


「いいですよ。3つのスープから選べますけどコーンスープでよかたのかな?」

「いいよー」


食堂で外食を食べるのもどうかと思ったけど食堂のおばちゃんはスープを運ぶ道具を貸してくれた。

俺はとマリアは「お手軽スープの店ジョン」へと向かった。



ジョンの店に向かう途中で 何やら人だかりができている。

近くへ行くと 王様とクーダ教会の神父が壇上で演説を始めるという話が聞こえてきた。

神父が壇上に現れて、信仰心が大切だという話と、王様に感謝をしているという話をしていた。


「神父さま・・・」

そうだった。マリアはバケツで水をかけて破門になったんだった。

マリアが水の入った小瓶を取り出すと神父に投げつけようと腕を大きく振りかぶった!


「まずい!」

でも 俺はマリアの手首をつかんで マリアを見ながら首をゆっくり振った。

世の中には仕方がない事が沢山あるのだから・・。

マリアは あきらめてくれたようだった。よかった。



「チャンスは またありますね」


いや 諦めていなかった。 

仕方がない、俺も手伝うからやるならせめて人気のないところでやろう・・・。



次に王様のお出ましだ。

太ったからだをノサノサとさせてがに股で 前に出てきた。

ステッキをカッコよく掲げてから王様は 話し始めた。

いかにも偉そうだ。


「みなのもの、喜ぶがよい。第1王女が もうじき目覚めると、神のお告げがあったのだ。

みなも知っての通り、わが城にて王女は魔石を失った状態になり眠りについた。

そして神父の力で神から承った助言により、そなたらのはるか後ろに見える空に浮かぶ島。

セインケ島にて王女に魔力を集め、王女の目覚めを待っておるのだ」


「あの島の事ですか?」

俺は マリアに島の事について尋ねてみた。

セインケ島は魔力を集める島らしい。

元々は 何かの魔石だったらしいのだが何かの作用で、

自然界から永遠に魔力を集め続け膨張して島になったのだとか。


いったい幾月年の歳月をかけてできたものなのかはわからない。

だけど この島に鍋やコップなどを置いておくと、何年もの年月を経て魔道具へと変化するのだとか。。


でも 今は魔石を失って眠りについた王女様が療養をしているらしく、この島への入り口のつり橋は

封鎖されて立ち入り禁止になっているらしい。


禁止されているだけならいいのだが 実は この島には魔王を倒したときの聖剣まで刺さっている。

だが年月が経ちすぎたために 人の身に余るほどに魔力を宿してしまい、

誰にも抜くことができなくなってしまったのだとか。

魔王はもういないとはいえ、ある程度のところで辞めておかなければ、

結局は大切なものをすべて失うという教訓の物語にもなっているらしい。

そして今、島に置かれている魔道具たちも 人の身に余るもの(火力が強すぎて黒焦げになっちゃうコンロとか)

になってしまうのではないかと心配されていた。



「・・・・テイクアウトで!!」

「テイクアウトってなんですか?トシユキさん」

「ああいいぜ、カップに蓋を付ければ この通り持ち運べるスープに早変わりさ。

でもトシユキ、お前はどこの国からきたんだ?なんか手馴れているよな。

まあ いいさ。ところで こんなに沢山のスープどうするんだ?」


俺たちは食堂のことを話した。

するとジョンは 「俺にも協力させてくれ」と言って料金を値引きしてくれたばかりか

ラスクも多めにつけてくれたのだった。


「実は 俺は転移者なんだ」

「それは・・・気の毒にな」

「神のいたずらにあっていたのですか?それで 草原で・・」


転移のことはジョンやマリアになら話しても大丈夫だろう。

だけど 話をしてみると二人の表情は同情の表情に変わり。

ジョンは ペンダントを軽く握りしめた。

転移については全く理解されないというか、

地球で言えば 「私は天国からやってきました」と言っているようなもので

きっと 魔力災害で遠くの国から飛ばされた人と思われているようだった。


「ところで ジョンのそのペンダントは女性ものに見えるけど・・・・かな?」

「ああ これか? これは俺の大切な人の魔石の入ったペンダントなんだ。

カージョって名前で この店でベーグルを焼いてくれていたけど俺が苦労をかけたせいで・・・」


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