おかしなスープ屋さんジョン
大きな運河が街を二つに分け隔てているベーレ国城下町。
船着き場を探して船を登らせていくと いっぱいに果物を積んだ船とすれ違っていく
運河に面したレストランと思われるテラスでは 楽器が音色を奏で踊りが躍られており、
ケーキだろうか?ケーキを食べているのだろうか?美味しそうに食べる人の姿があった。
船着き場沿いには 屋台のようなテントのバザーが開かれていて秘密の魔道具でも売っていそうな
おばあさんたちが商いをしていた。
ああいう場所で怪しいアイテムを購入するとはじめは幸せになれるのだが
最後は不幸な結末を迎えることになるような気がする。。
「到着しましたね」
俺たちは 荷物を下ろす。
帰りたいと言っていた人たちとはここでお別れだけど
ベーレ国に住んでいる人とはきっとまた会えるだろう。
「主人と娘とでパン屋をやっています。うち自慢の「ふかふかパン」をご馳走しますのでお店によってください」
パン屋のヤーンさんもこれで晴れて家族と暮らせるようになった。
ヤーンさんは モチ米でパンが焼けないかと試行錯誤していたから
ベーレ国のお店では 小麦粉でどんどんパンを焼いてほしい。
そして ファイアボールを撃ってくれた、素性の明かせない魔法使いさんは
ギルドへ向かうようだった。
「いろいろ売るものがあるなら 店を回るより露店街のほうがいいだろう」
俺たちはみんなに 買えりの旅費の代わりに集めた魔石を渡すと、
今度は葡萄酒などを売りにマイクの勧めで露店街へ行くことにした。
「この食べ物は何だい? カチカチのようだけど」
「店主さん。これはモチという食べ物です。似ても焼いてもいいのですが、このまま手から火魔法を出してあぶっても柔らかく食べることができます」
「パンは日がたつと固くなってしまうから、こりゃー便利だね。 これならいつでも食べられるじゃないか。
いくらなんだい?」
モチの売れ行きは好調だった。
「店主さん うちの拠点は大家族なんだ。何とか頼むぜ・・・」
「うちだって大家族さ。それに 妻は3人前食べるんだ・・・」
葡萄酒のほうは マイクが交渉してくれた。
3か月くらいは暮らせてしまう、金額で買い取ってもらうことができた。
いったい何樽くらい売れば 草原に教会を建てることができるのか?
でも 話によるとこの街では 品評会のようなお祭りが年に何度も開かれているらしい、
今は 葡萄酒とチーズの品評会が開かれているらしいので、そちらに登録してみたらどうかということだった。
確かに 有名になれば値段も高く売れるようになるわけで、それだけ早く教会が建てられるようになる。
早速会場へ向かうことにした。
会場は沢山の人たちが行きかい、お酒の入った木製のジョッキを片手に話を楽しんでいる。
葡萄酒の樽とチーズなどは テーブルに置かれており、
美味しかったら点数を付けた札を入れるというタイプのものだった。
「からの樽が結構あるな・・・」
葡萄酒の品評会はすでに数日が経っており もうじき投票が終わるらしい。
だから本選へは 進めないだろうけど力試しに登録だけしてみた。
「はぁ~! チ~ズ!!」
エレナは チーズを食べると目を丸く見開いて両手でホホの下をグリグリとマッサージし始めた。
そして ホホの痛みに耐えようとしている。。
質素な食べ物を好むエレナには チーズの味は強烈だったか。
「グリグリ、フニフニ」「グリグリ、フニフニ」
ホホのマッサージをずっと続けている。
ガーリックの効いたチーズフォンデュなんて食べさせたら この子どうなっちゃうんだろう・・。
色々なチーズを食べて 俺たちも投票を楽しんだ。
その日の投票は 遅れて参加したにもかかわらず、
ほとんどの票がトシユキのところへ入っていたらしい。
1位葡萄酒協会。2位クーダ教会。3位トシユキ農園。・・24位・・。
「トシユキー! 教会見にいこう!」
どこへ行こうかと話をしているとエレナが教会を見たいと言ってきた。
エレナが提案してくるなんて珍しいことだ。
教会の研究もちょっとずつしておいてもいいかもしれない。
マリアがいうにはベーレ国のクーダ教会には立派なステンドグラスや絵画があるらしく
観光で訪れる人たちも多いのでお勧めということだった。
でも マイクは露店の商品が見たいらしく
マリアも 自分は一緒には行けないと言っていた。
「私は破門になっていますので・・・」
マリアは クーダ教会を破門になっているということだった。
何をやったら教会を破門になったりするのだろう?
気にはなったが 他人の過去、しかも前世を詮索する必要はないかもしれない。
せっかく復活したのだから、これからやり直せばいい。
それで実はほかに行きたい場所があるので、エレナ様を頼みますということでマリアと別れた。
俺・エレナ・マイク・ケロ子になってしまったが路地を歩いていると
コーンのいい香りが漂ってきた。
少し古びたあまり儲かっていないような感じのするお店だ。
「これはスープ屋さんか」
どうやら スープ屋のようで中で男が一人コーンスープをかき混ぜているようだった。
俺たちが入店すると香りにつられてなのか他のお客も何人か入店してきた。
「お手軽スープ屋ジョンの店」
ここのメニューは スープが3種類で
・コーンスープ
・コンソメスープ
・オニオンスープ
のようだ。
「コーン3つに すまないが、うちのペットのカエルにも、一口飲ませていいかな」
「ゲロゲロ」
「構わないぜ。 どうせなら熱くないヤツを、さらに入れて出してやるよ」
コーンスープを注文した。
出てきたスープは 少し大きな薄いカップに入っており、
それに小皿にカチカチの小さなフランスパンのような固いパンが3切れずつ出てきた。
ラスクだ!地球にいたころ食べたことのある懐かしいものが出てきたぞ!!
ケロ子は早速スープを飲んで涙を流しているようにさえ見えた。
だけど 一緒に入ってきたお客からは・・・
「なんだ このシャバシャバしたスープは! 具もほとんど入っていないじゃないか!!パンもひどい・・」
お客は不満を言っていた。
まあ 俺は地球で食べたことがあるからわかるけど
異世界で シャバシャバしたスープや固いパンが流行るのは
ずっと後の時代かもしれない。
この時代のみんなは ボリュームのある満足感のあるものが食べたいんだ。
しかも カップも薄く作られておりおそらくは、テイクアウトを狙っているようだが、
でも便利なのはわかるけど、これをこの時代でやってしまうと 貧相なスープにしか見えなかった。
俺たちも どうなるかと思ったがエレナとマイクについてはそんな心配はいらなかった。
「泣いてるのか?」
そしてケロ子に至ってはスープを飲んで
泣いているようにも見える。
スープは怒るようなものではなく、むしろ美味しいスープだ。
「すまないが うちはこれなんだ。カップには蓋が付けられるようになっているから、帰りにでも飲んでくれよな」
「俺たちは 腹を満たしにきたんだ!じゃぁな!」
お客はそういうと お金を払って外へ出て行ってしまった。
外へ出たあとは 慰めあって笑いあい
そして 次の店を探そうと意気揚々と歩いて行ったのだった。
「はぁ~・・・。いいアイデアのはずなんだけどな」
店主ジョンはため息をつくと 首にかけていたペンダントを取り出して
ギューっと握りしめて目を閉じた。。。
なんか 可哀そうだ。
「美味しかったよ。シャバシャバでも実は意外といいものを使っているスープだな・・・・」
トシユキはジョンをほめた。
おそらくこの時代では日の目を見ることはないだろうが、
アイデア事態は間違えていないのだから、自信を失ってほしくなかった。
「わかるかい?お客さん!!!」
ジョンは 帽子を脱ぐと厨房から殴りかかってきそうな雰囲気出てて来た。
けどテーブルまで来ると急に雰囲気が柔らかくなり
スープとこのお店のことについて 色々なことを話し始めたのだった。
一人になるまでは最初は二人でやっていたらしく その頃はベーグルも焼いていて
ベーグルを食べにくるお客さんがいたらしい。
コーンスープのコーンもジョン(店主)が直接農場まで出向いていき
いいものだけを選んで買っているのだとか、、
テイクアウト用に 薄く作られた使い捨てのカップをひらめいた時には眠れなかった話とか
ジョンは話好きな人のようで まあ~ 聞けば聞くほど話をしてくれた。
でも。
「このシャバシャバスープ店も、もうすぐ終わりさ。向いにもうじきスープ屋がオープンするんだ」
ジョンも話慣れてくると自分の店をシャバシャバスープ店というようになっていた。
向いのお店は 確りとしたボリュームのスープを出しているらしく、外見も真新しいお店のようだ。
この店は支店らしくて かわいい女の子がスープを出してくれるのが売りのお店らしい。
古ぼけたお店で男が一人で モクモクとスープを作っているようなお店では違う意味でも勝負にならないと言っていた。
引っ越すお金もないし、借金が返せないだろうから、自分は開拓村行になるだろうと話をして笑って見せた。
ジョンもいい人のようだし、俺としは 続けてほしいお店ではあったけど、向こうにオープンしようとしているお店は外観を見ただけでもかなり手ごわそうだった。
でも 街の話も聞きたいし、しばらくはジョンの店に通わせてもらうことにする。
それから 葡萄酒の品評会の話もしたのだがジョンも昔、チーズで挑戦をしたことがあったらしい。
しかも 本選まで行ったのだとか。
ただ 本選では審査委員が審査をする形になるらしく、「魔法の鍋」で調理した連中には
全く歯が立たなかったということだった。
魔法の皿や鍋などのアイテムは 調理の工程を魔法て手伝ってくれるようなものらしく
味に影響をするわけではないらしいのだが 魔法の道具で作られたものは審査員の目を引くらしい。
「じゃぁ エレナ、お待ちかねの教会を見に行こうか」
「うん!」
手をつないで俺たちは クーダ教会へ歩いて行った。
エレナとこうして手をつないで歩くのは 飽きない。
「ここが ベーレ国の教会。クーダ教会か!」
三本の塔のような教会で ステンドグラスの明り取りが見える。
壁は ほかの建物とは全く違う。
普通の民家でも 何人かの人たちで建てるので、壁の色が微妙に違って味わいが出る建物になるのだが
この教会の建物は 白一色の壁だった。
もちろん デザインとしてグレーや赤などの色は使われているがここまで色合いをそろえて
大きな建物を建てられるというのは かなりの労力が注がれたのだと思う。
「ようこそ クーダ教会へ・・」
修道女が迎えてくれた。
そして 簡単に土埃などを落として手を洗うと。
ドアの前には お布施の箱があった。
修道女がいうには観光客が教会の中に入るには、
一人銀貨3枚のお布施をしてほしいということだった。
俺とエレナとケロ子なので銀貨9枚だ。
寄付してから廊下を進むと廊下には絵画が飾られていた。
さらに進むと また 修道女がいて待たされた。
観光客用にステンドグラスや教会の説明をしてくれる修道女がいるらしく
順番が来るまで少し待ってほしいと言うことだった。
待っている間は何もすることがないし、悪いとは思ったのだけど
マリアのことについて聞いてみた。
すると
「マリアですか?知りませんね。ですが 以前 神父にバケツで水をかけて破門になったマクアならいましたよ」
と言われた。
マクアか、なんだかわからないけどそれって マリアの事で間違いないだろう。
具体的なことは聞けなかったが、マリアはわがままな子で自分勝手なことばかりしていたらしく、
最後には神父様に腹を立てて水をかけてしまったのだということだった。
その話が終わるごろには 中年の修道女がやってきた。
修道女が扉を開けたときに一瞬だが ステンドグラスの光が入ってきた。
大きくて奇麗なものだと思う。
ステンドグラスを見れば、エレナはきっと 初めて海に連れて行ってあげた日のように驚くに違いない。
「お待たせしました。次の方どうぞ。では2人で銀貨10枚になります。あら カエルですか、カエルは入れませんよ・・」
「ゲロ・・」
困ったことになった。
ケロ子も涙目だ・・多分。
しかも 銀貨10枚って安い宿だったら2泊できる額なのだが・・・。
どうする? 入る? 入らない?
トシユキはエレナの顔をみた。
そして 革袋に少し震えている手を入れて銀貨を10枚袋から取り出したのだが
銀貨を見ると もったいないっと思ってしまいポケットに銀貨をしまってしまった。
エレナは また 俺と手をつないできた。
「どうしたのですか?まさか ご寄付をいただけないのですか?私たちは一向に構いませんが、
先ほど絵画を見るために銀貨3枚ずつ寄付なされたのではないですか?
ステンドグラスはご覧にならないままで帰られていいのでしょうか?
ベーレ国は元々は魔王城だったのです。ですからこういった信仰のある建物には国が力を入れているのですよ。
ほかの国では見られないと思いますが、それでも、よろしいのですか?」
トシユキは心が動かされそうになり、つばを飲み込んだ。
エレナの手も冷たく感じるし 汗ばんでいる。
でも俺の汗なのかエレナの汗なのかわからない。
銀貨は9枚払ってしまっていたのでこのままステンドグラスを見ないで帰ってもいいのだろうか?
エレナに立派な教会を見せなくてもいいのだろうか?
どうする? 入る? 入らない?
「ゲロゲロ・・」
ケロ子が俺のほうを向いて 一声鳴いた。
そしてポケットに入れていた銀貨がジャラリと音を立てた。
「やっぱり帰ります」
修道女は驚いた顔をした。きっと この世界の人たちは信仰心もあるだろうし
断る人なんてほとんどいないのだろう。。
でも よかったのだろうか?
「あら お帰りですか? では あちらのドアから出て行ってください。マクアさんのお帰りでぇ~す♪!」
俺たちは 来た道とは別の扉から外へ続く廊下へと案内された。
「キャキャキャ!!」
出口のドアのところで トシユキはエレナの頭をグシャグシャとくすぐると
笑ったエレナを抱っこして抱きしめた。
そして ドアを開けて外に出たのだった。
なんで そんなことをしたのか、それは扉の上にある言葉が書かれていたからだった。
「このステンドグラスを造った者たちは、一切れのパンと一杯の葡萄酒を糧に、
雨の日も、風の日も、大切な人が病んだ日も、造り続けたものなのです。。
あなたは その善行をお金の価値で判断してしまいました。残念です・・。」
そして 入信の申込書と募金箱が壁のテーブルに置かれていたのだった。
俺は小走りで教会から離れた。
「トシユキー はやく教会、みにいこ!」
エレナに悪いことをした。
教会は女神とエレナの夢なわけだし、海の見える草原の教会にはきっとステンドグラスが必要なはずだ。
「トシユキー 教会はあっちだよ!」
「そうなのか?」
抱っこしたエレナが 指をさしてクーダ教会とは違う教会の場所の案内を始めた。
エレナの神パワーは 豊作とか生育を早めたりするパワーらしいから、
今はまだ普通の子と同じだと女神から聞いていた。
でも 教会の道案内くらいの力は持っているのだろうか?
「あっち、こっち」と言われるままに進んでいくと狭い路地を抜けて
貧しい地域へ 入っていった。
これ以上は進むと危ない。
この先は スラム街だ。
ここだって 子供が歩くには安全ではないだろう。
こんなところにほんとうに教会があるのだろうか?
すると 路地から酔っぱらいのような足取りで数人の男たちが出てきた。
「ゲロゲロ」
ケロ子が 水弾を飛ばす!
「ドン!ビシャ」
え!え!え!
多分 そういう人たちだけど いきなりそれはまずいだろ!
そう思った。でも エレナが俺の袖を引っ張って降りると合図をするとこう言った。
「あれ人じゃない。 トシユキ」
水弾て吹っ飛ばされた人間からモヤモヤと煙が出てきた。
ゴーストが現れた
「ブオォォン!」
トシユキは ゴーストに駆け寄ると飛びかかってエナジーをまとった拳を放つ!
ゴーストを一体倒した。
その間にもケロ子が人間に水弾を飛ばし現れたゴーストをトシユキが倒していく!
そして 最後の一匹になったそのとき
「ゲロ!」
「トシユキ! キャー」
路地の隙間からゴーストそのものが エレナに襲いかかっていく!
エナジーランスは間に合わない。
ケロ子の水弾では ゴーストをすり抜けてしまう
ゴーストは エレナを狙っていたかのように真っ直ぐ襲いかかった!!
「ファイアボール!!!」
「ブオブォブォ プシャ~。」
どこからか ファイアボールが飛んできた。
でも 周りには誰もいない。。。
「カンカラカン」
木製の何かの音がした。
「木の棒か?」
そこには木の角材が落ちていた。
まさか ロットを使わずにファイアボールを生成したものがいたのだろうか??
魔石召喚でも獲得できなかったスキルだけど そんな簡単に作れるものなのかな?
でも ベーレ国に来るときにも オールでファイアボールを生成していた子がいたな・・・まさかな。
俺はエレナを再び抱っこするとまた教会を目指してケロ子と歩いた。
しばらく進むと建物が見えてきた。
「あれは 食堂?」
でも エレナは ボロボロな食堂を見つけると抱っこをやめて
そのまま 食堂へ駆けて行ってしまった。
「はぁ~ お腹がすいていたのか。。俺たちも行こうぜ、ケロ子」
「ゲロゲロ」
「ドシャー!トシユキさん??こんなところへ、どうされたのですか?」
そこには マリアの姿があった。
マリアは子供と手をつないでおり、10人くらいの子供たちがマリアを中心に集まっていた。
マリアの用事というのは子供と遊ぶことだったらしい。
見られてしまいましたねっとは言っていたが 後で事情を話すのでもう少し子供たちの
相手をしたいという話だった。
「マリアちゃんは 今度はぼくと遊ぶんだ!」
一人の男の子が マリアの袖を引っ張るとほかの子たちもつられてマリアに飛び掛かる。
ああ それ、ダイレクトアタックだよね。痛いよね。
と思ったが マリアは笑顔で遊びの相談をするとうまく子供たちをまとめて
今度はボールを使って遊び始めた。
「ドシャー あわわ すごいキックだね」
「キャはは」
みんな笑顔で楽しそうだった。
俺も食堂に入って待つことにした。
食堂に入ると お店のおばちゃんがいて、エレナは突っ立って箱を見つめている。
どうしたのだろう?
そこには 箱と小さな男の神様、男神様の像が置かれていた。
どうやら 募金箱のようだった。
「ジャリ・・」
ポケットに入れっぱなしだった銀貨の音がした。
・・・。
・・。
・。
クーダ教会の事もあり、せめてもの 報いに俺は銀貨を5枚取り出すと募金箱に入れた。
「チリン、チリン、チリン、チリン」
募金子から鈴の音がした。
するとどうだろう。 子供たちが集まってきて満面の笑顔でこっちを見ている。
そして 店のおばちゃんが指揮者のように「さん、はい!」というと子供たちが一斉に歌い始めた。
募金に感謝しているという内容の歌だったが
みんなが俺のために歌ってくれているというのは、
迫力があるしなんだかむずがゆい、
言葉は悪いかもしれないけど 子供たちの笑顔を銀貨5枚で買えてよかったと思った。
エレナもケロ子も喜んでいるように見える。
小さな子の手を引いて 遅れて入ってきたマリアは、
しゃがんで子供たちの頭を軽くなでると歌を教え始めていた。
・・・・
「そんなことがあったのか。それはいいことをしたな」
ジョンは トシユキにコンソメスープを差し出した。
相変わらず大事そうにネックレスを首から下げている。
女性もののような気もするが 誰かを待っていたりするのだろうか?
「ああ でもそれから 募金箱をもってクーダ教会の前に行くことになったんだ」
・・・・




