教授狩り
「みなさん、一年間お疲れさま。来年進学する人も、卒業する人も、この一年間で学んだことを自分の人生に活かしてください。」
わー、ぱちぱちぱち。拍手が鳴り止まない中(うそ、この後すぐに鳴り止みました)、本日我が研究室の本年度最後の飲み会、通称「追いコン」が始まった。教授と准教授、学生が12名と少人数ではあるが、みんなハイテンション(うそ、何人かは完全に嫌そうな顔)だった。わいわい、がやがや、祭りは始まったばかり。みんな今日はこれからの嫌な事、教授や准教授に対する負の感情を忘れ、宴に没頭していた(うそ、何人かはホント嫌そうな顔)。終始、みんなが仲良くお喋りしていた(うそ、何人かは携帯ばっかいじってる)。
「よーし、ここからは無礼講だ。みんな盛り上がってくれ。」
教授がめっちゃ高いテンションでみんなに向かって言い放った。完全に酔っぱらいだ。その時だった。
「おら、この野郎。」
学生の一人が教授に蹴りをかました。
「えー!それは無礼講とは違うよー。」
周りの何人かが注意した。みんな顔面蒼白だった(うそ、何人かはニヤけていた)。
「お前ムカつくんだよ!ちょっとは学生の面倒みろよ!」
学生の一人K君(うそ、ほんとは健次郎君だ)が教授に攻撃を開始した。
「おい、谷川!何やってんだ。」
准教授が止めにかかった。どうやら帰りは車らしく、一人シラフだ。
「うるせえ!お前もお前だ!何が会議だ、仕事だ。ほとんど部屋にいねえじゃねえか!」
背負い投げだ!背負い投げが准教授に炸裂した。K君は柔道部だった(うそ、剣道部だ)。
「うーん……。」
准教授はグロッキーだ。やってまいやがった……。みんなハラハラしていた(うそ、みんなスカッとした顔だった。)
「ふー、すっきりしたぜ。」
K君もスカッとした顔で店を出て行った。みんなは茫然としていた(うそ、何人かはグロッキーの准教授を写メで撮影していた)。
「まあ、教授には今日中に謝ればいいよね。」
誰かがうまいこと言った(うそ、うまくはなかった)。
フィクションですよ