運を使い果たした日
これは、僕の持論だ。
「運が良ければ、人生うまく行く!」
ラノベの主人公なんて、結局運が良かったからモテモテなんだよ。
だって、そうだろ?
なんで、引きこもりが異世界いけちゃうの?なんで、妹にそんな好かれてんの?そもそも、なんで、妹いるの?こちとら、兄弟すらいないぞ?なんで、そんな可愛い幼馴染いる…
おっと、失礼。定期試験が近くてイライラしているようだ。イライラしてちゃ運が逃げてしまう。
「みんなは、イライラしちゃダメだぞ☆(カスボ)」
「え…(絶句)」
優喜にヤバい奴って目で見られた。どうやら、考え込み過ぎてテンションがおかしくなってしまっていたようだ。てか、弁明しないと。
「違う、誤解なんだ!」
「いや、何がだよ?そこまでやばい奴だったのかお前…」
「違う、誤解なんだよ!」
「だから、何が?」
「誤解なんだよ!誤解なんだよ!誤解なんだよ!誤解なんだよ!誤解なんだよ!」
「だから、何が…って誤解×5回っていうボケかい!」
「………」
「俺がすべったみたいな感じにするのやめてくれない…?皆にこの話広めるよ?」
「すいませんでしたーーー!どうか、それだけはやめて〜〜」
「それでよろしい」
優喜は勝ち誇ったような表情で言った。
保良優喜、こいつは凄い陽キャだ。とても陽キャだ。やばい陽キャだ。分かるな?言いたいことは。
こいつに敵に回られたら、人生が終わるということだ。本当にこいつと仲良くなれて良かったとつくづく思う。
「ってか、もうこんな時間じゃんそろそろ帰ろうぜ〜」
「あっ…本当だ。帰ろっか」
全然、手をつけてない参考書を仕舞い、図書室を出る。靴箱で靴を履き替え、外に出て校門まで行く。
「じゃあ、またな」
「またな〜」
優喜とは逆方面なので、ここで別れる。
(さてと、お参り行くか〜)
そう、僕は運が良ければ良いと思っているような人なので、善行とかを積極的に行ってる。
いつも通り、お参りに行くため、階段を登っていく。
登り切ると、そこにはいつもの社とは違う光景があった。なぜなら、黒髪ロングの美少女が不安げな表情で立っていたからだ。俺は、見惚れていた。
(こんな、可愛い子に会えるなんて…運使い果たしたな…)
そんなことを思いながら、数秒間彼女を見つめ続けていた。すると、彼女はこちらに気付き不安げな表情から一転、パァーッと明るい表情になった。そして、
「あの、は、初めまして!鈴原凛花って言います!あなたにお話があって待っていました」
「え、僕?」
「はい!あなたです!」
とっても、元気な返事が返ってきた…僕は頭をフル回転させる。
(なんで、僕に用があるんだ?
((それにしても、可愛いなぁ))
なにか、悪いことでもしただろうか?
((あの、笑顔の可愛さと言ったら…)))
(だめだ、前の子が可愛すぎて考えが回らない!ずっと、ニコニコしてるし…とりあえず話を聞くしかないか…)
「えっと、どういうご用件でありましょうか?」緊張し過ぎて言葉がおかしくなった。
「はい!わ、わたしあなたのことがす、好きなんです…///わ、わたしとつ、つ、付き合ってください!!!」
僕は頭が真っ白になった。顔は、調和を取るように真っ赤になった(…と思う)