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転移しました

初投稿です。よろしくお願いします。

ほんの一瞬の出来事だった

先程、心臓をナイフで貫いた男に…いや、貫いたと思ってた男に腰をナイフで刺されてしまった。

きっとどこかで自分はこれまでいくつもの死線を潜り抜けているから死ぬことは絶対にないと慢心していたのだろう。

そして、俺を刺した男は目の前で銃を取り出して俺の額を目がけて引き金を引いた。



眩しい光とともに目を覚ました。

辺りを見渡すと一面に花が咲いている。

「ここは…どこなんだ」

「ここは人間で言うところの天国ですかね」

声の方向に視線を向けると、身長は168cmほどでスラッとした痩せ型で胸は小さく、髪は白くて長さは腰まで届きそうなほど長く、肌はきめ細やかでミルクのように白く、目はぱっちり、鼻は高く、唇は小さくて柔らかそうで非常に綺麗で整った顔立ちをしている女が立っていた。

「こんにちわ」と陽気な声で女は言った。

銃を取り出そうとするが体のどこにも見当たらなく、ナイフもない。

とにかく警戒しつつ俺は質問をする。

「名前とここはどこだか教えてくれ」

「私の名前はアミン。ここはさっきも言った通り人間で言うところの天国そして私は人間で言うところの神様で〜す。さて、次は私の番ね!中山大吾くんと呼ぶべきかしら、それとも相対した敵を全員殺し正確に顔を知っている者がいないことから名付けられた史上最強の傭兵ノーフェイスと呼んだ方がいいかしら?」

「中山大吾の名前を知っているとは親父の仲間か?」

「だ・か・ら、私は神様だって言ってるでしょう!!それに私の質問にも答えてないし」

「名前は適当に呼んでくれ」

「じゃあ、大吾くんって呼ばせてもらうわ」

そこでお互い一呼吸おき、先に陽気な声で喋り始めたのはアミンだった。

「大吾くんは、なんと神の選別により異世界への転移が決まりました!」

「すまないが俺は無神論者なんで神など信じない。それにアミンなんて神は知らない」

「知らないのも仕方がないわね。私は地球の神じゃなくて、アイラルの神なの。とは言ってもアイラルなんてあなたは知らないでしょうから一から説明するわね」

陽気な声と俺には不釣り合いな場所から嫌気がさして声を荒げて

「どうでもいいから俺を解放しろ。さもなければ、お前を殺す。お前がたとえ銃を持っていようが銃を抜く前に俺はお前の顔面に拳を放つことができる」と言った

アミンは先程とは違い無表情で冷たく俺に言い放った。

「忘れてるいようですがあなたは戦場で腰をナイフで刺されて動けず額に銃を突きつけられて死ぬところでした。それを私が助けてあげたのです」

思い出したぞ。確かに俺は戦場で殺したと思ったやつに腰を刺されて動けないまま、そいつに銃で殺されたはずだ。

アミンは立て続けに言った

「もう一つだけ教えましょう。私はあなたのような者を殺すことなど手を使わずにできます」

次の瞬間、俺の体に感じたことのない激痛が走った。

「あああああぁぁぁー」

叫ばずにはいられなかった。

「これは私の力のひとつです。私が神だと信じてくれましたか?」

俺は頷いた。否、頷かなければショック死していただろう。

そして、俺の痛みが引いたと同時にアミンは深く深呼吸してから笑顔でこう言った。

「まず、大吾君が神の選抜に選ばれた理由は地球上で最も強くて理性がある生物だからです。これからあなたにはアイラルという異世界に転移して正義を執行してもらいます」

「正義を執行?どうも曖昧だな。正義なんて人の価値観によってそれぞれ違うだろうし、特に俺は人殺しと一緒だぞ」

「だからこそ大吾君が選ばれたのです」

どうにも要領を得られなかった。俺なんかより自衛隊やら軍の人間やらを転移させた方がいいのではないのだろうか?

「さてと、大吾君あなたは異世界に転移しますか?それとも戦場に死にに戻りますか?」

俺は要領を得なかったが死ぬよりは転移の方がマシだと思った。

「転移して俺なりの正義を執行しよう。しかし、あんたも悪い奴だな。二択と言いつつ結局は一択しかない問題を出すなんて、神に祈りを捧げてる人間が聞いたら泣くぞ」

「あら、二択で選ばせてあげるなんて意外と良心的な話だったかもしれないわよ。そんなことよりあっちでは魔法があるせいで科学がないから大吾君にも魔力という魔法の源を授けるわ」

そう言うとアミンは手を俺の胸に当て魔力を送った。

「これで大吾君はアイラルでトップレベルの魔力持ちになったわ」

「最初からトップレベルにするとは神っていうのはなんでもありなんだな。が、ありがたいな」

「それじゃあ、そろそろお別れの時間ね。最後に何か質問でもあるかしら?」

俺の体が消えていく

「なぁ、神ってのは死人を生き返らせることはできるのか?」

「死人を生き返らせることは御法度なの…でも、操ることはできる」

アミンは笑いながら言った

そして、俺はアイラルに転送された。



奴隷商の男は焦っていた。

ここらで残酷で有名な盗賊に追いかけられてるからである。

自分は馬車、盗賊は馬。

どちらが早いかは明確である。

だが、諦めることはできない。

取り巻きの兵は全員殺され、馬車の御者も死んだ、生きているのは16になろとしている娘が一人。

捕まると娘は慰めものとして使われ奴隷として売られてしまうかもしれない。

そんなんことはさせない必ずこの局面を乗り切ってみせる。

そう決意した瞬間のことであった。

目の前に筋肉質で身長は180cmほどの男が現れた。

何と言ってもその男の魔力は今まで見た中で一番大きい魔力を宿している。

チャンスであった。この男と盗賊を鉢合わせれば私と娘は逃げることができる。

と考えたまでは良かったが次の瞬間、男は馬を操っている私のいるところに飛び乗った。



大吾は転移した場所が森の中だったので不満をつぶやいていた。

地球とは違う植物が多いために野宿しようにも何を食べていいかわからないのである。

と、ぶつくさ歩きながら石を拾ってると馬の声が聞こえた。

これは街に行くチャンスだと思い必死に走り、道に出たのは良かったが目の前から馬車が猛スピードで突っ込んできていることに気づくと大吾は落ち着いて自分がどうするべきか考えた。

まずこのスピードで馬車を止めてくれと言っても無理な速さだ。

しかし、乗り込むことならできそうだ。

なら、乗り込み話を聞いてもらう。

聞いてくれないようなら殺す。

これが最善だ。

そして、大吾は馬車の御者がいるところに飛び乗った。

驚いた顔をしている御者に

「おっさん、乗り込んでから言うのもどうかと思うんだが俺は怪しい人間じゃない。ただ街に行きたいだけなんだ。だから、あんたの主人に言って許可を取ってほしい」と大吾は言った

御者は少し黙った後

「わかった、街に行きたいのなら連れて行こう。だから後ろの盗賊を倒してくれ」

「いやいや、あんたの主人に頼まないとダメだろ。それにあれはお前の仲間じゃないのか殺意を感じないから仲間かと思ったのに」

「俺は御者じゃない。今は緊急だから御者をやっているが俺がこの馬車の主人だ。それに、殺意を感じないなんてことあるか、バカを言うな!奴らここらで残忍で有名な盗賊集団のライオネットだぞ!お前さんだってライオネットって言ったらわかるはずだ」

自分を主人と言っている御者に大吾は

「なら、あの盗賊は遊んでいるぜ。多分、逃げてるあんたをじわじわ追いつめたいんだろ。しかしあいつらも不運だな。俺が乗った馬車を攻めるなんて」

大吾の自信に期待したのか男は

「もし、追い払ってくれたらお金も用意するし奴隷も一体用意しよう」

予想外の好待遇に大吾は

「契約完了だ」

と同時に馬車の上に登り敵の数を数えどうするべきか考えた。

敵は7人+馬7頭。

真ん中のやつが1番強いな。

1番近いのは右から3番目か。

なら、最初は右から3番目の馬に飛び乗り、乗ってる盗賊の首をひねり殺す。

そのまま馬車の後ろにつきポケットの石をうまく投げ、前3人を馬から落馬させる。

こうして残りは4人だが、3人落ちた時点で馬が動揺して暴走して制御不能で他の4人も落馬するだろう。

もしも暴走しなかった場合は石を馬に投げるしかないな。

よしこれでいこう。

これが最善だ。

大吾は小さな声で

「作戦決行だ」と言った

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