奇跡の始まり5
ご堪能あれ
銀髪少女の笑顔を眺めていると少し緊張してきた。
何を話して良いものか少し考えたが結局分からず彼女から目を離し昼食をとることにした。
先程持ってきた弁当を開け、
食べようとした所に隣から声をかけられた
「その、弁当はご自分で作られたのですか?」
彼女は頭を少し傾けながら質問してきた。
「いいえ、違いますよ朝お母さんが作ってくれました。作ってくれたと言いましたがすべて冷凍食品ですけどね…」
少し傾いていた頭を戻しながら彼女と俺の間…
ちょうど、真ん中に人差し指だけ立ててきた
「ダメですよ、文句を言っては!お母さんだって忙しいはずですし、冷凍食品はそういった主婦のために作られた物なのですから」
少し愚痴をもらしたら注意をうけてしまい
お母さんに怒られた時のションボリとした感覚に襲われた
「ごめんなさい…」
彼女は指を立てていた手をゆっくりと下げた
「私に謝るのではなくお母さんに日頃の感謝を告げてあげてください」
ニッコリと微笑み掛けてきた、
その姿は女神を連想させるような美しい笑顔だった。
(どうして、こんなにも美しいのだろうか…ん?あれは…)
目の前の銀髪美少女に見とれていて気が付くのが遅れたが彼女も弁当を手にしていた
「そのお弁当は自分で作ったんですか?」
そう言われてから彼女は自分の弁当を見た
「私も同じでお母さんに作ってもらいました。ですが、野菜が多くて…全然お肉が入ってないのです!」
こちらに顔を向き変え続けた
「私、こうみえて肉食系女子なんですよ!」
言い切った後に頬を少し膨らませながらこちらを見ていた
(かわいい…)
と、心の底から思ったが彼女を無視する訳にはいかないので、
今はそうゆうことを考えないように頭の片隅に置くことを決意する
「先程と、言っていることが…逆ではないですか?…」
少し不満そうになった彼女はまた人差し指を立て、
今度は器用にその指だけを左右に揺さぶった
「私はいいのです!」
(言ってやったぞ見たいな顔されてもな…でも、かわいいな…)
そう思っていても口にはださない
「そうゆうものなんですか?…」
ついつい聞いてしまったが、彼女が言っていたそれはただのワガママだとわかっていた。
「そうゆうものなのです!」
ハッキリと自分は間違ってないと言い張る彼女をみていると呆れを通り越して晴れ晴れしたような感覚だった。
そこからあまり喋らなくなり淡々と弁当を食べていき、
先に食べ終わった俺は彼女が食べ終わるまで待つことにした。
待っている間暇だからと寝っ転がり目をつむった。
良い風の音が聞こえ鳥の鳴き声や校舎内の話し声すら聞こえるほどこの場所は静かだ、
だんだんと眠くなっていき意識が遠のいていくのを感じつつそのまま寝てしまいそうになる。
「ごちそうさまでした…」
昼食を終えたのか隣で礼儀正しい声が聞こえた。俺はすこしづつ目を開けていき質問を投げかけた
「食べおわりましたか?」
(下から見えげるのも悪くないな…とゆうか…美しい…)
「はい、お待たせしてすみません…えっと…」
俺を眺めながら何か悩んでいるようだ
(俺、何かしたか?…)
「お名前をまだ…伺ってなかったもので…」
言われてみれば名乗ってもないし名乗られてもない、
名前も知らない相手と昼食を一緒に食べていたとなるとお互いかなりの変わり者だ
「俺は西城幸喜一年生です…」
ニッコリと笑いたいところだが、
(あれをしてしまえば目の前にいる銀髪美少女が引いてしまう…それだけは嫌だな…)
「幸喜君ですか…覚えました、私は加藤ひより同じ一年生です」
自分の名前を呼ばれたことにより少し恥ずかしくなり、
ひよりから目を逸らしてしまった。
「そろそろ。行きますか…」
周りに時計はないがそれなりの時間を過ごしていると思う
「そうですね…少し名残惜しいですけどお別れですね…また明日きてくださいますか?」
ひよりは明日も二人で昼食を取ろうと考えていたのか俺を誘ってきた、断る理由がないのでここは
(お言葉にあまえようかな…)
「そうですね…俺はかまいませんよ?ひよりさんが嫌でなければ、ご一緒します」
ひよりが少し慌て気味になった
「嫌なんて…そんなことは絶対ないですよ、というか私から誘ったんですよ!」
プンプンという表現がふさわしいような顔をひよりは見せていた
(もう、どんな顔をしてもひよりはかわいいのではないか?…)
と、思えるほどの美貌だ。
「そうでしたね…そのお誘いを受けます…では、また明日」
そう言いながら俺は教室へ戻っていく
長々作者の愛が感じられますね