奇跡の始まり4
前回より少し長くしました
1日1投稿、危うく日付が変わるところでした。
頬が上がるのをおさえながらトイレについた、
中へ入り周りを見渡した。
当然と言うべきか誰一人としてトイレには生徒がいなかった。
(この学校の生徒は優秀だから何分か前には、みんな着席しているのかな…)
こうしてはいられないと、自分も用を足しにいく。
出し終わった直後ブルブルと身震いが起きる、
今は春だが別に寒いわけではない逆に暖かいと感じるほどの気温だ。
ならなぜ、身震いが起きたのか
(聞いたことがあるな…確か、用を足す時は局部を体温より低い外気にさらした後、局部から体温で暖められた尿をすごい勢いで排出して。ぼうこう内の尿が空になったタイミングで急激な温度変化を体が感じてしまうから…だったか?)
テレビでやっていたことを思い出しながら洗面所へ向かい手を洗い鏡を見つめる。
先ほど翔太にバカにされた笑みを鏡にむかってやってみた。
するとそこにはこの世の物とは思えない何かかが存在していた、
言うなれば悪魔の微笑み自分の顔だと思うと教室での皆の反応は頷けるし翔太が言っていたことは本当だったんだと理解した。
笑みを浮かべているだけなのになぜこのような悪魔を召喚してしまったのか
(笑ったのは、小学校の低学年以来だったな…ここまで表情筋が死んでいたとは…クラスのみんなには悪いことしたかな…でもどう謝罪すればいいんだ?というか、謝罪すべきなのか?これは俺の個性と思ってもらう他ないな…)
はぁ…とため息を吐きクラスに戻ることを決意するが内心かなり落ち込んでいた。
教室に戻る途中で先ほどの笑顔の事を考えこむ
(この笑顔は封印だな…と言うか俺がまた笑える日々がくるとは思えないがな…)
教室にたどり着き後ろのドアから中へ入り自分の席に座る。
ちょうど計ったかのようなタイミングで授業のチャイムが鳴りだした。
そこから90分間淡々と授業を受けた、
この学校は学力に力を入れているため授業時間が異常に長いのだ。
初めての長時間授業が終わりクラスのみんなは少しくたびれている様子だったが
まだ1時間目がおわったにすぎない先は果てしなく遠い
午前に2時間午後に4時間控えているこれを毎日かようと思うと先が思いやられる生徒は多い事だろう。
2時間目までが終わり昼食の時間になり一人で弁当を片手に教室を出た、
誰もいなさそうな校舎裏のちょっとした階段に座り込んだ
「まったく…授業が長すぎるな…」
独り言を話していたつもりだったが、
背後から静かで綺麗な女の人の声が聞こえてきた
「私も、そう思っていたところです」
急に背後からの言葉のキャッチボールで驚きながら振り向いた
「こんにちわ。驚かせるつもりはなかったの…ごめんなさい…」
そこにいたのは体が弱そうだが雪のようにキラキラした綺麗な銀髪の子で、
いわゆるお人形さんみたいな人だった。
「こ、こんにちわ」
銀髪少女が少し心配そうに
「そんなに緊張しないでください、こっちまでも緊張しちゃいそうです」
少し顔が赤くなったのが俺の目からみても一目瞭然だった
「そ、そうですね…すみません…それで、なにか御用ですか?」
少し考えるそぶりを見せてきた
「別に用はないのですけれど…用がなければ話かけては、いけませんか?」
(上品でいてマイペースに喋る人だな…)
「い、いえ…そんなことはありません…ですが…俺に話しかけるとは…中々の物好きですね…」
不思議そうな顔をしたが、その顔も品があり綺麗という言葉がふさわしいとゆうものだ
「物好きか物好きではないかと問われれば私は物好きだと思います。ですが喋りかけた理由としては私もここで昼食を取ろうと思ったからです」
俺は少し不思議に思う、
こんな美人の人がこんな人気のない場所で一人で昼食を取ろうとしているなんて、
なんの冗談かと疑ったしまったが。
銀髪少女の目の奥に寂しい瞳がある気がした。
それは長年まともに女子と話したことがなかった男が勝手に思い込んでいるだけなのかもしれない。
だが、
実際に今は一人だ仮定はどうであれ、現実におきているのだ何かしらの理由があるかもしれない。
(訳アリなのかなぁ…それにしても…今日はよく女子と話すな…)
と思いながら先ほどの言葉のキャッチボールを投げ返していなかったことに気が付いた
「そうでしたか…なら俺は他を探しますね…お邪魔してすみません…」
その場を後にしようと立ち上がった
「いえ、これも何かの縁でしょうし一緒にお昼いかがですか?」
俺は少し…いあ、かなり悩む…中学までの給食と違い合法的に女子と食事を取ることができたが今では、
女子と食事をする勇気も繋がりもなくここに一人で昼食を取りに来たわけだが…
(女子と…二人きりで…食事…俺にそんな夢のようなイベントが発生していいものなのか。トラップではないか?俺が女子と喋れないオタク野郎だって証拠をつかんで言いふらす作戦とか!)
「ダメでしょうか?…」
なにも返事を返さなかった俺に嫌がられていると思ったのか確認をしてきた
「も、もちろんかまいませんよ!」
(俺は何を言っているんだ!その場の流れに任せて答えてしまったが…もう、後戻りはできないな…)
目の前の少女が本当にうれしそうな顔をした
「ありがとうございます!でわ…お隣に座っても?」
返事を待たずに座りだした
「かかかかかかかかかか、かまいませんよ!?」
動揺を隠せず、
拒否できるわけもなく許可してしまう
(俺は本当に…何をしているんだろうか…)
嬉しそうな銀髪少女を見ていると何もかもがどうでもよくなっていく気がした。
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