奇跡の始まり3
前回よりも、少し長くしました
自分の教室を目指しながら先ほどの女性教師の事を思いだし少し顔が赤くなりつつ頭から忘れようと決意した。
教室に近づくにつれて教師らしき男の声が耳に入ってくる
『これでみんな自己紹介したな?(やっぱり、自己紹介には間に合わなかったかぁ…友達できるかな…)よし!これから一年間このクラスで過ごすことになる!みんな!仲良くしろよ!』
(この声…どこかで…)
ガラガラとゆう音と共に教室のドアが少しづつ開かれていく。完全に開け放たれた時そこからでてきたジャージ姿の先生が現れた
「お前は今朝の新入生か、確か…保健室に行ったんだよな、体調は大丈夫なのか?」
気遣い交じりの言葉だった
「はい…、保健室に行きましたら少し落ち着き顔色が戻ってきたと保健室の先生が言っていたので問題はないと思います。」
突然先ほどの女性教師の胸元を思い出しそうになるが、
ぐっとこらえる。
ここで思い出しては下半身部分が少しまずいことになり目の前の先生にバレなくとも教室の中の生徒がそれを見ていたとしたら、
どう思うだろうか。
そう、少し考えればわかることだ目の前のジャージのおっさんを見て興奮していると思うだろう…
そうなってしまえば学校生活がどん底に落ちてしまい卒業するまで『変態』の異名をもつことになるだろう
(それだけは!ダメだ!!耐えろ!耐えるんだ!)
自分との葛藤をよそに葛城先生が口を開いた
「そうか、問題はないか。もうすぐ授業が始まるから自分の席に着いとけよ、それと…皆と喧嘩せず仲良くやれよ?」
(その言い方だと自分が喧嘩大好きな不良みたいになっちゃうな…これはまずい傾向だ)
自分との葛藤を終え自分は不良ではないと分からせるために元気に返事をすることにする
「はい!任せてください!皆と仲良くして見せます」
ニコっと笑みを浮かべた
「そ、そうか…ならいいんだがな…」
なぜ先生が少し怯えていたのかわからなかった自分なりにかなり高評価を得てもいい場面なのになぜあのよな顔をしてきたのか不思議に思う
(俺なにかやらかしたか?…ダメだ…心当たりがない。)
「先生はもう、いくぞ授業の準備をしなくてはならないからな」
こくりと頷き先生は去っていった
(さてと…俺はこの変な空気の中教室に入らなければいけないのか…)
教室の中自分の席を探しつつ歩きだした。
その時も、忘れずに笑みを浮かべながら移動していた
(第一印象は大事だとどこかの本で読んだ気がするな、それで笑みを浮かべて誰でも仲良くなれますよオーラをだしてみたが…)
結果、周りの生徒達は俺の事をじっと見つめていた。
そのまま自分の席を見つけた、
そこは普通の生徒からしてみれば少し当たり席かもしれない場所だった。
窓側の後ろから2番目だ完全にアタリ席ではなかったがここはハズレではない他の生徒からして見れば羨ましい席ではある。
その時一番アタリの席つまり俺の後ろの席の生徒が机を数センチ後ろに下げてきたのだ
ここまでくると誰が見ても明らかに避けられていることがわかる。
避けてほしくない幸喜は自分に敵対心はないよとゆう意味を込めて机を下げてきた子にニッコリと笑いかけた。
するとその子の顔がだんだんと怯えはじめていった
(そんなに怯えなくてもいいのにな…もしかして俺!異能の力を手に入れちゃった感じですか!?)
内心うれしいような寂しいような複雑な感覚に襲われた。
イスを引き座ったところでようやくみんなの目線が減った気がしたが横目で伺っている生徒が多くなっただけだった。
皆の目線から逃れようと窓の方を向き空を眺めていた
それは見渡す限りの青空だった。
「よ!遅刻君」前方からの声に向き直ると、
俺の前の席の男子生徒が体をひねり右ひじを俺の机の上にのせて話しかけてきていた
「遅刻はしてないぞ…さっきの先生とのやり取りを聞いてなかったのか?…」
運動系の部活に入ってそうな少し茶髪のイケメン君だった
「聞いてたさ、少しいじっただけだろ?そうカリカリするなよ!俺は中村 翔太」
(こいつだけか、普通に話せるのは…とりあえず第一印象が大事だからな…笑顔は忘れないようにしないとな)
「俺は西城幸喜、少し鎌をかけただけだよ…」
最後にニコっと笑いかけた。
その瞬間翔太の顔が少しひきつったのがわかった。
「…オーケイ幸喜これから、一年間よろしくな。それと…少し言いにくいが怖いぞ…それ…」
(何を馬鹿なことを言っているのだこいつは俺の笑顔が怖い?バカバカしいな…)
「怖いって、ただの笑顔だぞ」
(またイジってきた感じか、少しめんどくさいな…)
「そ、そうなのか…」
(なんだやけに素直じゃないか)
「すまんがちょっとトイレにいってくる」
俺が立ち上がりながら翔太が喋りかけてきた
「そろそろ授業が始まるぞなるべく早く帰って来いよ。また、遅刻するぞ」
(こいつは…こりないな…)
「またってなんだよ…」
そう言いつつ教室を横切ってトイレを目指した
(何年ぶりだろうか…こんなに人と話したのは…少し楽しいな…)
頬が上がるのをおそえながら向かうことにした。
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