閉じ込められてる…
狭い…苦しい…何も見えない…ここはどこ?何も見えない。
気が付いたら、何だかよくわからないところに詰め込まれていた。
なんで?私…死んだはずじゃなかったの?
もしかして、殺されたわけじゃなくて袋か何かに詰め込まれてどっかに監禁されてるのかな?
でも、何だかあったかくて、すっごい安心する…。
あぁ…なんだか眠くなってきたな…寝よう…。
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さて。起きたら何か変わってないかな?とか期待してたわけじゃないけど、ほんとに何も変わらずにどこかに詰め込まれたままだなぁ…。
あ…眠い…寝よ…
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寝て起きてちょっとしたら寝てを繰り返してるんだけど、何故だか空腹感を感じないんだよね…なんでだろ?
寝てる間に何か食わされてる説濃厚?なんつって
さて。眠いし寝るか。
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寝て起きてを繰り返して結構経ったかな?
結局何かが変わることもないんだけど…
寝る。
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やっと訪れた変化。それは原因不明の全方位からの圧迫。
痛い痛い痛い痛い!押しつぶされる!死ぬ!死にたくない!ここから出して!
出して!というか押し出されてる!何でこんなに痛い出し方するのさ!
そして…押し出されたと同時に見えたのは、大きい巨人たちでした。
何で?やだやだ!怖い!
よくわからないものに詰め込まれた思ったら何故だか巨人に囲まれて。
もうやだ…。と加奈は大泣きしてしまった。
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街の治療院にて。
治療師たちが補助し、出産する一人の女。
ここに一つ、また新しい命が生まれるのだと、もう何度も経験しているはずなのに、一度もしなかったことのない緊張感が部屋を包み込む。
「おぎゃあああ!おぎゃああああああああああああ!」
「生まれました…元気な女の子です!」
治療師がそういった…部屋の外から中学生?と思う位幼いと言ってもいいような少年が部屋に飛び込んでくる。
「生まれたわよ…私とあなたの子が…」
「あぁ…生まれたな…ありがとう…元気な子を産んでくれて」
「さぁ。これからも私を幸せにしてね?私の愛しい旦那さま?」
「あぁ…まかせてくれ…」
砂糖を直で舐めた方がマシなのでは?と思う位甘い会話を交わしながら、これまた甘いキスを交わして、少年は名残惜しそうに出ていった。
「生まれてきてくれてありがとう…私の可愛い赤ちゃん。」
生まれてきた子供を慈愛の籠った笑顔を浮かべながら、そっと額にキスをした。