プロローグ
新連載です。
TS物も好きですが、女性主人公物も作ってみたいと思い、深夜テンションに任せて書いてみました。
「かなー!起きなさーい!遅刻しちゃうわよー!」
お母さんの私を起こす声が聞こえる。
また憂鬱な一日が始まる。
重い体を起こし、父と母が待っているであろうリビングへ向かう。
リビングのドアを開けると、父が新聞を読みながらコーヒーを飲み、母が朝ご飯を作っている。
毎朝見る、何時もと同じ風景。
そして私も、何時もと同じ挨拶をする。
「おはよう。」
私がそういうと二人とも笑顔で挨拶を返してくれる。
「おはよう!ご飯がもうできるわよ!」
「おはよう!加奈はいつも寝坊助さんだな!」
「しょうがないじゃん!ベッドが私を話してくれないんだもん!」
なんだそりゃ、と父が笑う。
そんな風に父との会話を楽しんでいると、朝ごはんが出来たようで、お母さんがさらに移した料理をテーブルの上に置く。
「はい、ご飯が出来ましたよ!」
「お、やっとか、もうお父さんお腹がペコペコだよ」
と、そういいながら大げさにお腹をさすって見せる。
「もう!お父さんたら子供みたい!」
「あはは、娘にそんなことを言われる日が来るとはな!」
「ほら、早く食べないと冷めちゃうわよ」
と、早く食べるように促す。
「今日の朝ごはんはー…ベーコンエッグとご飯とサラダなんだ!
ザ・朝ごはんって感じだね!」
と、私はそういって椅子に座る。
お母さんも飲み物を注いで椅子に座る。
家族全員でご飯を食べる!これが橋本家のルールだ。
「それじゃ、食べようか、いただきます」
「「いただきます」」
そんな風に家族仲良くご飯を食べ、学校へ行く準備をする。
ピンポーン!
インターホンが鳴り、この家にあの子が来たことを知らせる。
「はーい!かな!さつきちゃんがきたわよー!」
「はーい!」
さつきは、隣に住む私の幼馴染だ。小学校低学年から毎朝私の家に迎えに来てくれる。
「かなちゃーん!早くしないと遅刻しちゃうよー!」
すでに時刻は7時半、もう出ないと遅刻してしまう。
「わかってる!すぐ行くよ!」
そういって急いで玄関で靴を履き、家から飛び出す。
二人で急いだ甲斐があって、ギリギリ遅刻はしなかった。
「それじゃ!またあとでね!」
さつきは私とクラスが違うからここでお別れだ。
「はぁ…」
正直、教室に入りたくないが、ここで突っ立っていてもどうにもならないのでさっさと入ろう。
自分の机の前に行き、引き出しの中を確認する。
すると…引き出しに画鋲が固定されていた。
「やっぱりあった…」
「チッ」
後ろから舌打ちの音
くるりと舌打ちの音がした方向を振り返ってみると、複数人の女子が私の方を忌々し気ににらみつけている。
加奈は苛められていた。
十人中十人が美少女と言うであろう容姿に、勉強も運動も万能であるということに嫉妬したクラスメイト達によって。
主人公は中学生です。