表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/19

ギルド

最初についた町、「ウインドルーク」は、城下町ほど大きくはないが、

それに匹敵するほど規模は大きく、町には活気が溢れていた。



1,000年の間にこんな町が出来ていたとは・・・。



町の人々のほとんどは人族で、

妖精族、犬人族、猫人族はたまに見かけることができる。

騎士や従士、魔法使いに商人など色々で、

男女比はほとんど同じくらいだろうか。


念のため、鑑定スキルで視野に入る人のレベルとスキルをチェックする。



幅は広いが、レベルは2~15くらいで、20が一人いた。

ギルドに行けばもう少し高いかもしれないが、まあこんなもんか。

隠蔽スキルで自分のレベルを隠しておいて正解だったな。



スキルも特に目立ったものはない。


宿が数軒あり、雰囲気がよさそうなところもあったので、

目星をつけておいた。




そうして町を散策していると、ギルドの看板があった。



(ギルドの登録を済ませてしまおうか)



中に入り、ざっと周りを見渡した。レベルは一番高くて40くらいかな?



受付らしき所があったので、数名並んでいる所におれも並ぶ。



順番がきて、猫人族の受付の女性が話しかけてくる。

【名前】 アーニー

【レベル】40


【戦闘スキル】

短剣  7

片手剣 4

【称号スキル】

ギルド職員

迷宮探究者

剣豪(片手剣、両手剣、短剣のいずれかがレベル7~9の時に得られる)

迷宮20階層到達者

受付の女性がこのギルドの中で一番強いな。

ぱっと見でも、魔力はなかなかのものだ。



「ギルドの冒険者登録でしょうか」

「はい、登録に来ました。」


「では、こちらの魔法陣の前に手をかざしてください。」


受付の長机の端に書かれていた小型の魔法陣は、

鑑定スキルと同じ効果のある魔法が施されていた。


おれは素直にそこへ手をかざした。


「レベルは10、()()()()、まだお若かったんですね。」



そんなに若くなっていたのか!



気が付かなかった。

レベルについては隠蔽スキルが無事効いているようだ。

無表情を崩さずに、自分が適当につけたステータスの解説を

黙って聞いていた。



しばらくすると、自動印字された一枚のカードを手渡された。



「こちらがギルドカードになります。ランクはEになります。

これからは、こちらにポイントが付与されていきます」



魔法アイテムであるギルドカードの説明と、ギルドランク、クエストについて

簡単に説明をしてくれた。


ランクには、ソロとギルドランクの2つがある。



E<D<C<B<A<AA<AAA<S ・・・ソロ


2部<1部、E<D<C<B<A<S ・・・ギルド



パーティを組んでクエストを行った場合も、ソロとしてカウントされる。

ギルドについては、2名~登録することができ、評価基準はソロと異なる。


また、ギルドについては、1部と2部があり、

一番下は2部のE、一番上は1部のSだ。


ギルドには今は興味がないが、ランクが上がるほど待遇もよくなるから、

見過ごせないところだ。


ソロのランクを上げたい場合、クエストをこなし、ポイントを稼ぎ、

一定期間の間に継続してポイントを稼ぎ続けた場合、ランクが上がる。



また、Aランク以上から、実戦形式の模擬試験も加わってくるらしい。


模擬試験があるとは初耳だな。




「あと、魔石の回収と、魔物の買取はあちらで行っております。」


魔石っていうのは、魔物を倒したときに回収できるアレだな。

魔物の買取もやってるみたいだから、解体スキルを上げておいて、

買取金額を上げておくのがいいかもしれない。




「これで説明は以上になりますが、何かご質問はありますか?」


「いえ、特には。ありがとうございました。」



極力自分の印象付けをさせたくなかったので、印象に残らないような

受け答えを終始行った。

目をつけられて厄介ごとに巻き込まれるのは嫌なのだ。



おれはさっそく魔石の買取だけしてもらった。



実は、手持ちのお金があまりない。

稼げる時に出来るだけ増やしておきたいのだ。



現役でアクティビティゲートをやっていた頃は、最新の武具や興味を

そそられるものをあれこれ買っていた事もあり、

手持ちにお金の余裕はいつもなかった。


「お待たせしました。魔石の買取金額ですが、銀貨30枚でいかがでしょうか」


「ありがとうございます。その金額で結構です。」


今の手持ちは金貨2枚、銀貨100枚。

少しは足しになった。



「あんたぁ、新人さんなのに結構稼げてるじゃねぇか」


話かけてきたのは、近くにいたレベル20くらいのドワーフだ。

鎚スキルが6まである。


「いえいえ、お手伝いの方に助けていただいて、魔石まで貰えたので

ラッキーでしたよ」


「最近この町に越してきた冒険者だろ?

ここらで見かけない顔だと思ったが、出稼ぎか?」


「はい、出稼ぎで最近出てきたばかりです」


なんとなーく話を合わせつつ、すーーっと入口まで水平移動する。

ボロが出そうだから、この辺にしておこう。



宿を借りて、しばらくはのーんびりとこれからの事を考えよう。

自分の所持しているスキルについても確認しておきたいしね。



そうして冒険者ギルドを出たところで、誰かとすれ違った。

聖騎士が慌てていて、何やら受付まで押しかけてきたようだ。



なーんか、嫌な予感がする・・・。



すると、後ろでは大声で助けを呼ぶ声がした。


「たのむ!!ジェリノア第三王女を迷宮から助け出してくれ!」

次回、やっぱりというかやっぱり巻き込まれます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ