ステータス
ステータスの確認と、初めての戦闘です。
光が一瞬にして辺りを埋め尽くしたかと思うと、それはすぐに収束した。
おれは、林の広場のような場所の中心に、気がついたら立っていた。
本当にアクティビティゲートの中に入ったんだ。
風の感触、周りの木のにおい、とてもリアルだ。ファンタジー感がすごい。
いま丸腰だけど、装備とかどうしたらいいんだろう。
ウインド画面とか出てこないかな。
感覚のみでウインドが開くかどうか確認する。
すると、自分のステータス、スキル、魔法、装備、所持品などを見ることができた。
【名前】かおるん
【レベル】250
【種族】人族
【戦闘スキル】
剣スキル 20
槍スキル 12
格闘スキル 12
全魔法スキル 15(全ての属性魔法を使用できる)
【その他スキル】
隠蔽 15(自分やその他の人、物のレベルやステータス等を隠す力)
潜伏 10(自分の姿を見えなくする力)
第六感 15(危険察知能力。自分の身や、仲間の危険を感じとる能力。
広い範囲で効果がある)
魔力付与 20(武器、防具、アイテムに自身の魔力を付与する能力)
鍛冶 15
(武器、防具等を作成する能力。エンチャントする際も影響がある)
フェイク 10(嘘を作る、物を偽って見せる力)
身体強化 20(主に運動神経、攻撃力、防御力、抵抗値等に影響される)
周辺察知 15 (広く、浅く周辺の状況を確認する。)
鑑定スキル 15
(不確かなアイテムや、ステータスがわからない人物を調べる)
教育スキル 15
(ギルドメンバーと一緒に戦闘を行った場合、得られる経験値が高くなる)
他
【称号スキル】
ユグドラシルの塔制覇
異世界人
天剣
等多数
この世界でのレベルの最高値は255で、
スキルについては、最高値が20である。
上限値が10ではあるが、限界突破という特殊なクエストを行えば、
15、20まであげることができる。
いざという時の為に貯めておいたスキルポイントもかなり余っていたし、
使えそうなものがあったら振っておきたい。
他の項目も確認をしていくと・・・
称号に異世界人っていうのが増えている。
あと、スキルの項目に教育、隠蔽、第六感
など、見覚えのないものが増えていてどれも高レベルだ。
さっき会った神さまが言ってたスキルってのはこれか。
隠蔽は、自分のステータスを偽ることができ、鑑定スキルのlv差によって
見破られるかどうかが決まるらしい。また、自分が外部に発している魔力を
見せないような効果もあるようだ。
このスキルはアクティブスキルのようで、起動している。
町に着いたときに、誰かの鑑定スキルで自分が高レベルだとわかったら
騒がれるだろうし、レベルは10くらいにしておくか。
あとは魔法スキルもほぼ確認できるものは使えるものがほとんどだった。
HPとMPはバー表記になっており、数値は把握できない。
また、スキルはその他にも鍛冶、料理なども高レベルの状態で
引き継がれていた。
ストレージの中も確認してみる。
無限ストレージとなっていた中身は、ギルド倉庫などにも預けていたものもまとめて
入っており、「マティーニ」のメンバーから頂いた引退品も含まれている。
「特に気に入っていたものも入っているけど、とりあえずはこの辺を使っておくか」
そう思って取り出したのは、アイアンシリーズと呼ばれる防具一式と
アイアンソードと呼ばれる、普通の片手剣だ。
駆け出しの冒険者の装備の模範的なものだ。
ただし、”俺特製の、一癖あるアイアンシリーズ”となっており、
【攻撃速度S】【クリティカルS】アイアンソード
【全魔法吸収lv5】【物理回避lv5】アイアンアーマー
【移動速度S】【自動回復lv3】アイアンシューズ
といった感じだ。アイアンシリーズは、中の下くらいの
弱っちい装備だが、
エンチャントしているものがかなりヤバい。
町中に入った時に、いきなりオリハルコンを持っていたら、
目立つことこの上ないので、この辺りを装備して、
エンチャントについては隠蔽しておけばまずばれないだろう。
装備については、タップするだけで一瞬で早着替えができるようで、
これはこれで便利だ。
ある程度の事は把握できた。
とりあえずは町に向かおう。
俺は周辺察知のスキルを使用した。
北西の方向にそこそこ大きな町があるな。
まずはそこに向かうことにしよう。
そう思っていると、右手の方向からゴブリン3体の気配を感じる。
第六感スキルが働いているせいだろう。
森の中から出てきたゴブリン達は、
俺を確認するや否や、獲物を見つけたとばかりに
まっしぐらに俺めがけて走ってきた。
◇◆◇
(VRでやってたから、現実世界って言われてもあんまり実感ないな)
おれはアイアンソードを下に向けたまま、ゆっくりとゴブリンに
向かって歩いていた。
ゴブリン達との間合いがどんどん縮まる。
そして右足を踏み込むや否や、一瞬でゴブリン達の目の前に現れた。
怯みを見せたゴブリンにお構いなく、横一線に剣を振ると、
バターを切るように柔らかい感覚で、ゴブリンの1匹が真っ二つになった。
この一連の動作がとても早すぎた為、残りの2匹は
何が起こったのかすら気が付いていない。
おれは続けざまにその2匹の後ろにまわると、
剣が一閃したかと思うと、瞬く間に残りのゴブリンたちも
真っ二つに体が千切れてしまった。
ゴブリン達は、目の前の人間が消えたと思ったら
次の瞬間には自分の体が真っ二つにされているのだから、
何が起きているのかすらわからなかっただろう。
それよりも一番驚いていたのは自分自身だった。
高揚する意識と、とても冷静な自分がそこには共存していた。
この身体能力やらスピード感は、現実世界ではとても感じた事が
ないものばかりであったが、不思議と自然に受け入れられる自分もいた。
ありえない事だが、剣の使い方が完全に理解できており、
何十年も剣をつかってきた剣士のように、身体に勝手に叩き込まれている。
力をそこまで出していないのに、
とんでもないスピードで駆け抜けることができるし、
ステータスのせいか、ゴブリンの体を切る時もとても柔らかい感触だった。
そして、真っ二つに切られたゴブリンたちの体から、キラっと光る石を見つけた。
「これは、町に持っていけば買い取ってくれるかもしれない。
一応ゴブリンたちも無限ストレージの中に放り込んでおくか。」
そうして、北西にある町まで、林の中を抜けていく間に、何匹か魔物が出てきたが、
あっけなく倒す事ができ、あまり時間をかけずに町までたどり着くことができた。
ギルドと宿決め、そして事件が起こります。