8−2、蒼月 side
8−2、蒼月 side
今は、マイちゃんとグウタラ時間を過ごして、研究室主催の“卒業パーティー”でお酒を楽しんだ帰り。
そして、もうすぐ我が家の玄関。
「早く帰ってきなさい。」と父さんから電話をもらったため、パーティーを早めに抜けて来たのだ。
まぁ、昼間っからお酒を飲んでいたので丁度いい具合で抜けられたとは思う。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ただいまぁ〜。」
玄関を開け、帰って来た私に「お帰り、ソウ。」と声が掛る。
どうやら玄関でずっと帰りを待っていてくれたみたいだ。
「あ、ただいま、父さん。
これ“卒業記念品”と“証書”と……、
研究室のみんなからの花束。」
「重たかったぁ〜」と、ガサガサ音を立てるそれらが詰まった紙袋を父に渡し、「無事、学業修めました。ありがとうございます」とだけ言って、リビングへと向かう。
「ホントに重いな。」
紙袋を受け取った父は、「ソウ、お前にお客さんが来ているよ。」と教えてくれた。
「お客さん??」
(誰だろう?)
とりあえず、祖父母ではないことは分かっている。
祖父母はただ今、旅行中だからだ。
疑問に思いながらも歩をすすめる私。
リビングの扉を開けると、こちらの世界では見かけない服を着た2人の男性がソファーに座っていた。
「………マ……、ル…ス……………?」
自分の声ではないような掠れた声がでる。
(なんでここに!!)
雷に打たれたように一瞬固まった体に、熱い歓喜が体中を駆け巡る。
「そうだ。迎えに来た。」
ゆっくりとソファーから立ちあがったマルスは両手を口にあて、歓喜で震えて動けなくなった私のもとへ歩みより、私を抱きしめる。
「……っ、ずっと抱き締めたかった。」
強くなる抱擁。
それが嬉しくて仕方がない私。
(……うん、マイちゃん。私、マルスに恋してるっていま分かったよ。)
自分の感情がやっとわかった気がする。
ただただ、時間を忘れて抱き合っていると……
「ウォッホン!俺を忘れちゃ困るんだよ!!二人の世界に入るなよ!!!」
ワザとらしい咳と共に両親ではない聞き覚えのある声がした。
ご意見・ご感想、誤字・脱字のご指摘は教えて下さるとうれしいです。




