7−13、蒼月 side
7−13、蒼月 side
固まっている私をよそに、機嫌がとてもよさそうな声音のモーブが話し出した。
「あ、ソウ。次にここに来る時はどうしたい?やっぱり海に落としてほしい??」
「だからっ!!故意に海に落とすなぁぁ!!!!!」
(なに?この話の展開!?)
会話のテンポは完全にモーブに合わされている。
逸らすことはできないみたいだ。
「ん、じゃぁ陸?密林地帯とか、無人島とか??」
「なんで危険地帯ばっかりなわけ!!」
(人を困難に陥れるのが趣味なのか!!)
今度は拗ねたような声をしたモーブは「っもう、我まま多いよ!」っという。
(いや、我ままというかですね……)
「普通の場所にしてよ!!“カンタスの鏡”の前とか、どっかの部屋とか、城の何処かとか、行ったことのある場所とかっ!!!!!」
「ふぅ〜ん、そんなもんなの?おもしろくない。」
「面白さの追求を間違ってるからっ!!!!!」
(なんてズレた感覚の持ち主!!!!!!)
息もつかない舌戦をモーブと繰り返しながら、ふっと思った。
(ん?ちょっと待てよ??)
「…ねぇ、なんで“次にここに来る”ことが決定事項なわけ?」
今の会話の流れ的にはそうである。
「あぁ、それ。俺が退屈したら呼び寄せるから。」
(な、なんですとっ!!!!!)
「人の都合を考えてよね!!!!」
また唐突に引きずり込まれたんじゃ、たまったものじゃない。
引きずり込まれている間に、単位に関係するテストや発表があったらどうしてくれるつもりだ!!
「へぇ〜、都合、あるんだ。いいよ、じゃぁ好きな時においで。
こっちへ来る方法、知ってるんでしょ?」
「……うん。」
その方法なら父の手記にあったから知っているけど…
(なぜ、呼び寄せたがるの??)
疑問だ…
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