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7−11、蒼月 side



7−11、蒼月 side




「ねぇ、なんで私の名前があなたへの“当て付け”なワケ?」



モーブは「やれやれ」といったふうに話し出した。



「……私は王族(おうぞく)直系(ちょっけい)に生まれ、唯一(ゆいいつ)“青と赤の名を持つ”名を持つ者であったことが自慢(じまん)だった。」



「それで?」


(どうでもよさそうだけど…??そんなこと??)


心の中で私はつぶやく。



「…聞くが、青と赤を()ぜると?」



(むらさき)。」



「そうだ、高貴(こうき)な紫となる。


よって王の(よめ)には“青”の名を持つ者が選ばれるのが通例(つうれい)なのだ。


青の名を持つ女と、赤の名を持つ男、この2つの血を持つ子供がより素晴(すば)らしい能力(のうりょく)を持つという伝説(でんせつ)(とうと)んでのことだ。」




「で?」


(なんか納得(なっとく)いかないんだけど…(汗))



赤と青、男性と女性、混じり合えば素晴らしい能力を持つ子供が生まれる。




胡散臭(うさんくさ)すぎる…。迷信めいしんじゃない??)




ちょっとモーブにあきれはじめる私。


もう目はジト目になってきていると思う。




「…お前、そっけなくないか?


まぁいい。2人で1つの色を(つかさど)るのが好ましいとされていた世の中で俺は1人でその伝説を成し得ていた。このことが自慢だ。」



「…その話、なにか無理がありませんか?」



「俺は素晴らしい能力を持っていたが、(ひど)く体が弱かった………」




(…ヒトの話を聞いちゃ〜いねーな、この人……。)



まだまだ話し続けるモーブ。


全部、真剣しんけんに話を聞くのも面倒めんどうになってきた私は耳半分でモーブの話をき続けた。




まぁモーブの話をできるだけ要約(ようやく)すると、



「俺みたいに1人で紫となれる神のごとく素晴らしい人間はすべての次元・空間・時代において俺1人だけだ。」



ということらしい。




“当て付け”に関しては、




「何の変哲もないただの娘。


赤と赤の間に生まれた娘に“青と赤”の名前を持たせることで、“ほら、お前と同じように青と赤の名を持っていても神なんかじゃない。お前もただの人だ。”ということをモーブの能力(のうりょく)(ねた)んでいた父はモーブに見せつけたかった。」



ということらしい。




(なんのこっちゃ??)




ちょっと意味不明いみふめい自己陶酔人じことうすいじん・モーブをみる私の目はさらにジト目になるのだった。







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