7−8、蒼月 side
明けましておめでとうございますw
今年もよろしくお願いいたしますね(^^)
多茅 春人
7−8、蒼月 side
「ソ〜ウ〜っ!!」
ティルに手をひかれて階段を登り切ると、先に階段を登っていたマルスとプラムが見えた。
大きくこちらに手を振るプラム、その横で何やら扉を弄っているマルス。
(あの扉に何かあるのかな?)
扉の向こうに何があるのか不思議に思った私は、扉の横にある明かり取りの窓から外を眺める。
しかし、扉を開けた先には部屋も道も一切なかった。
扉を開けたところで、進む場所は真っ逆さまに地面。
下に落ちるのが関の山という感じだ。
「何やってるの?」
(マルスの弄っている扉はどう見ても“飾り”にしか見えないんだけど…)
「ん、あぁ。一見しては“飾り扉”なんじゃがな、ここには“転位の円陣”があるのじゃよ。」
「ねぇ、プラム。“転位の円陣”ってなに?」
「??エンジ様が開発したワープゾーンだよ、姉ちゃん。」
「えぇ!!それ本当なのティルっ!父さんがぁっ!!!!!」
「エンジ様が7つの時に作ったといわれておるの。なんじゃソウ、知らなかったのじゃな。」
「………知らないわよ…」
ガクっと肩を落としてため息交じりに言葉を吐く私。
元・異世界住民、王位継承権第一位の王子、英雄、、はたまた今度は7歳でワープゾーンを開発者………。
(父さん(泣)あなた一体、何してたんですか………)
「父が分からない」と私は感じてしまった。
「…開いたぞ。」
「酷く手間取っていたのじゃなぁ〜、兄貴っ☆」
「そうですね。プラム様の言う通りですね、マルス様。」
「…ぅっわぁ〜、プラム様もリオウ兄ちゃんもその笑みが怖いよ……」
「ティル?顔色が青いよ…」
「大丈夫?」と私がティルの顔を覗き込むようにして聞くと、「だっ、大丈夫だよっ、姉ちゃん!さぁ、行こう、マルス様!!」と促すティル。
(……なにかあったのかな?気付かなかったけど…………。)
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