表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/70

7−7、蒼月 side


7−7、蒼月 side




「う〜ん!!ものすっごく楽しかったぁぁぁ!!!!!」





マルスたちが連れて行ってくれた島はとても綺麗(きれい)なところだった。


朝焼け・夕焼け時に女性・人魚、男性・魚人たちが陽を浴びに陸にあがっていたり、夜の星空の下で人魚たちが美しい歌を歌っていたり……


夢みたいな場所だった。





「ふふふ。ソウ様、ご機嫌(きげん)ですね。」


「あ、リオウさん!すっごく楽しかったです!!

ホント、今日むこうに帰るのが(いや)になっちゃうくらいですよww」



「ねぇ、ティル、プラム!楽しかったよね!!」、「うん!姉ちゃんといられて楽しかった!」、「ワシもじゃww」と“如何(いか)に楽しい3日間であったか”ということについて(さわ)いでいると、背後(はいご)から声がかかる。




「ならば、帰らなければいい。」





「「「「・・・・・・・・・」」」」


水を打ったように口を閉ざすリオウさん、ティル、プラム、私。




(うっ、沈黙ちんもくいたいっ!)




「…いや、“モノの(たと)え”だからね、マルス。今日、帰るのは決定(けってい)事項(じこう)。」




この世界に落ちたことは、“リフレッシュ休暇(きゅうか)”とでも思っておくことにする。





精一杯(せいいっぱい)(あそ)んだし、向こうの世界で馬車(ばしゃ)(うま)のごとく研究(けんきゅう)をするわよ!!!)




気合(きあい)も新たに、私は向こうの世界へと帰宅(きたく)準備(じゅんび)を終える。




「ねぇ、マルス。そろそろ、“カンタスの(かがみ)”のもとへ案内(あんない)してくれない?」



「………」



「マルス?」




(変ね?聞こえてるみたいなのに。)


反応はんのうのおかしなマルス。



「……行くぞ。」


「ん、あぁ。おねがいね…。」



(何か、マルスが落ち込んでいる?)




「まぁ、気のせいでしょ。」と前を行くマルスを追いかけるリオウさん、ティル、プラム、私。


5人の足音(あしおと)(ひび)廊下(ろうか)の音をBGMに鏡のもとへ歩きだした。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





「な、なに!!この階段(かいだん)は!!!!!」




上を見上げるとグルグルと螺旋(らせん)()く階段が空へ向かって(えい)(えん)と続いている。


階段の終端(しゅうたん)が見えない、という事は相当(そうとう)な“長い階段”というわけだ。




「まさか、“これを全部登(のぼ)れ”とか言うんじゃ……」




(私、そんなに体力ないわよ!!)




「の、登れと言われるならやるしかないけど……」と私はボソボソ(つぶや)いていた。





「何を言っているのだ?アレを全て自力で登るワケがないだろう?」




(あき)れたように言うマルス。



(あっ、登らないのね。ちょっと安心した…)



「そ、そうなの?」




「あぁ。あの階段は“フェイク”、幻影(げんえい)だ。」


「幻影?」




「実際には、この長い螺旋階段は存在しないのですよ。」




微笑(ほほえ)みながら話すリオウさん。




(どうやら説明してくれるようね…)




「じゃぁこの階段は……」



「2階までしか階段は登れないのですよ。それ以降(いこう)は、階段があるように見えるだけなのです。」




私から目線を外し、螺旋階段を見上げながら、「“カンタスの鏡”は、幻影・螺旋階段の最上階(さいじょうかい)にあるのですがね。」と続けるリオウさん。




「最上階?どうやって行くの!?階段はないのに……」


「へへっ、姉ちゃん!それは2階まで行ってのお楽しみ!」




急に口を(はさ)んだティルが「行こう!」と私の手を引き、階段を()け上る。



「あんまり(いそ)ぐと(ころ)びますよ!」とリオウさんが言う声が響いた。



御意見・ご感想、誤字・脱字のご指摘はして下さると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ