7−5、蒼月 side
7−5、蒼月 side
ニヤニヤニヤ…
「さっきからなんですか?リオウさん?」
「いえ、特に何もありませんよ。ソウ様。」
ニヤニヤニヤ…
(…いや、だからその意味あり気なニヤニヤをやめてよね………)
朝、「朝食を共に取ってから本探しに行こう」とマルスと私を起こしに、マルスの部屋へとやってきたティルとリオウさんにマルスに抱きしめられて眠っている姿を見られてからずぅっ〜とこうである。
「ソウ様、帰る方法が見つかったのでしょう?」
「ん、あと三日間はこっちにいるよ。」
突然こちらの世界に来てしまった私。
そして、数日過ごしてしまったのだから、今さら元の世界に帰った所で、学校に放置したままになっているだろうプラスミドを取る用に培養している液体培地やプレート培地の大腸菌などなど、一日手入れを欠くとダメな実験が全部アウト。
“最初からやり直し決定!”なのである。
まぁ、やり直しはすぐに出来るけど、この世界には滅多に来ることはできないし、幸いなことに帰る方法は分かっている。
向こうの世界に帰ったらまた辛く・楽しく・忙しい日々を送ることになるはず。
こうなれば、“ある程度この世界で遊んで実験やり直し、及び進行をするべき”と思う。
「ついでに観光して帰るつもりよ♪あと3日間よろしくね!」
笑顔で宣言する私。
「ええ、もちろんです。」とニヤニヤニヤ…としながら答えるリオウさん。
ティルと、私がリオウさんと話している間にマルスの部屋にやって来たプラム、
部屋の主であるマルスの3人は地図を広げて「あーだ」、「こーだ」と私を遊びに連れて行く所を検討中。
(一体、何処へ連れて行ってくれるのかしら?)
楽しみである。
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