6−19 蒼月 side
6−19 蒼月 side
プラム、マルス、リオウさん、ティル、私の5人でサンドウィッチと果物でお昼を取った後、「んじゃぁ、城下に行ってくる。兄貴、また夕食で!!」といって去ったプラム以外のメンバーで“禁止本部屋”に戻り、先ほど図書寮で集めた資料を読むことになった。
庭園から“禁止本部屋”へと帰る途中、リオウさんが「あぁ、そう言えば、ちょっと用事が…。後からそちらへまいります。」といい、ティルを引っ張って去って行った。
(リオウさんの用事ってなんだろ??)
リオウさんたちを気にしながらもマルスと2人で先に“禁止本部屋”へと向かうことにした。
「ソウ。」
「なに?」
マルスと暖かい陽の差し込む廊下をゆっくり歩きながら会話をする。
「リオウ達が来るまで、お前の父母、エンジ様とシンシャ様、それとペリレン様とアンズ様について昔話を話そうか。」
「みんな子供の頃からこの実話の物語を聞いているのだ。」とマルスは苦笑して言う。
(私の父さんと母さんのことか…)
「うん、聞きたい。」そう私が言うと、マルスは「そうか。」と柔らかく微笑み、ゆっくりと語りはじめた。
「2度の“ヒワの惨劇”と“二人の双赤女性”」について…。
長い長い物語を・・・
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「……そっか、父さん母さんがそんなことを…」
何となく父母と父の弟、母の親友がなした偉業を理解したけど、普段の父母からはイメージ出来ない。
とっても穏やかで優いけど、ふとした時に一瞬だけ眼が鋭くなったり、威厳が漂う父はまぁ、理解出来るとして…。
仕事ではキリリとしているのに父の前では無邪気な子供みたいに振舞い、よく私と姉妹に間違われる母については………、少々理解に苦しむ。
祖母から「母には遠く離れて二度と会えない親友がいる」とは聞いた事がある。
その話がマルスの語った物語とリンクしなければ母については信じられなかっただろう…。
そう、私は思った。
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