6−12 蒼月 side
6−12 蒼月 side
図書寮に到着した私たちは、図書寮の司書さん達に“海歴2008年〜海歴2024年”、“カンタスの鏡が使用され、私の父・エンジの足跡がある期間”について調べるため、“王室歴史”・“世界史”・王族や記録士や賢者、国民など当時の人々が書いた“日記”を集めた一般閲覧エリアを教えてもらった。
マルスの提案で、国王と第一位王位継承権者しか入れない場所にある“持ち出し&閲覧禁止本”を集めた“禁止本部屋”の鍵を司書さんに貸して貰うことになった。
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マルス、リオウさん、ティルの3人はもの凄い勢いで一般閲覧エリアにある“カンタスの鏡が使用され、私の父・エンジの足跡がある期間”について記された、資料を、司書さん達からこれまた借りた非常にドでかい“買い物カート”に積んでいく。
こんな忙しそうな3人を尻目に、何故、私が3人を手伝わないかというと…
(文字…、読めないんだよね。こっちの世界の。)
そう言う理由で、私は“資料獲得前線”から離脱していた。
そうこうしているうちに一般閲覧エリアで集める資料がなくなり、本で信じられないほど重くなったカートを押して“禁止本部屋”へと移動した。
“禁止本部屋”の石扉はとても頑丈そうではあるけれど、豪奢な作りをしていた。
大理石のような分厚い石扉にはキレイな彫刻が刻まれており、アクセントとして、ところどころ品良く宝石が埋められており、美術品のようだった。
が、しかし、どこを見ても司書さんより借りた鍵を入れる“鍵穴”がない。
不思議に思って、「鍵穴がないよ。」とマルスに聞く。
(どうやって開けるの??この扉???)
「あぁ、司書に借りた“禁止本部屋”の鍵はフェイクだ」
(「フェイク」??実際、鍵は必要ないの?)
「ふーん。」と返事をし、「じゃあ、押せば開くんだね」とおもいっきり“重い”と思われる石扉を押すと、扉はまるで羽のように軽く開いた。
「っわわわ!!!!!」
勢い余って、私は前へ飛び出し、転びかける。
(ぎゃぁーーーーー!!コケるーーーーーーー!!!!!)
「イノシシに続いてぇ〜!!!最悪な展開だぁーーーーー!!!!」と私は思った。
御意見・ご感想、誤字・脱字のご指摘はして下さると嬉しいです。
追伸
更新強化致します。
12月にまとまった時間が手に入りましたので、連日UPしていきたいと思っております。
どうぞ、お付き合いくださいませ。