5−3 マルス side
5−3 マルスside
やっと彼女は「自分が王族であること」を理解したらしい。そうだ、
「おい、お前は年は?」
「“おい”じゃないです!ちゃんと名前で呼んで下さい。年は23歳です。」
“おい”と呼んだのが気に入らなかったらしい。
(23??同年齢には見えないが……。せいぜい10代後半だろう?)彼女の言った年齢を俺は疑っていた。探るようにじーっと彼女を見つめていた。
「なんです、その目は……。よく「23歳には見えない」って言われますけど、そうあからさまに疑われると腹立ちますよ!」
キッ!!っと眦をあげて睨みつけてくる彼女を見て俺は再認識した。
「絶対に23歳には見えない」と…。
険悪なムードを漂わせている俺達を見たリオウが、彼女の気の方向を変えるべく、にこやかな笑顔を浮かべて話をふってきた。
「まぁまぁ、二人とも仲良くしてくださいね。
マルス様も女性に不快感を与えるようなことをするのは感心しませんよ。
そうだ。ソウ様はご存じないかもしれませんが、王族の装飾品それぞれに機能があるんですよ。」
(ワザとらしいぞ、リオウ。
なるほど、女は装飾品が好きな者が多い。そこに興味が移ってくれれば、この険悪ムードは打開できるはずだ。)
リオウの素晴らしいくらいにワザとらしい話題転換に、心の中でツッコミをいれつつ彼女の反応を見た。
「へぇ〜。で、装飾品の機能ってなんです?」
パッとリオウに笑顔を向けて、興味津々(しんしん)と言わんばかりのキラキラした目で反
応した。“王族の装飾品”という言葉ではなく、彼女は“機能”のほうに興味を
持った様子だ。
だが、リオウの方を向き、俺を見ようとしない状態である彼女から俺に向かっ
て発せられる空気は“今は話しかけるな!!”と言わんばかりのものだ。
(完全にすねられたようだな…。俺と会話したくないがためにリオウのワザと
らしい話題転換に乗ったようだ。)
「面白い奴だ」、俺は彼女にバレないよう、口元を緩めた。
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