表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/70

5−2 蒼月 side

5−2 蒼月side


マルスの自己(じこ)紹介(しょうかい)困惑(こんわく)(がお)の私に気がついたのか、リオウさんはぶっきら(ぼう)男・マルスの発言(はつげん)に付け足すように話しだした。


「ソウ様のお父様・エンジ様は、マルス様のひぃおじい様・ペリレン様の兄にあたられるお方です。エンジ様はあなたのおじい様・セレン様の代の第一(だいいち)王位(おうい)継承権者(けいしょうけんしゃ)だったのですよ。エンジ様は不慮(ふりょ)の事故にあわれまして異世界へと渡られてしまわれた。そしてその後、ソウ様のお母様・シンシャ様とそのご友人でいらっしゃったアンズ・スカーレット王妃様とともに、一度はこちらに戻られ第二次ヒワの惨劇(さんげき)を治められました。しかし、その時は第一次ヒワの惨劇を治めたペリレン様が(すで)に王となられていましたため、エンジ様はシンシャ様とともに異世界へお帰りになられたのです。」


ここで「ほぅ〜」っと肩の力を抜き、目を閉じて一呼吸おいたリオウさんは再び口を開いた。


「エンジ様の王族(おうぞく)個人(こじん)紋章(もんしょう)は“アゲハ蝶”。個人紋章はその人のみしか使えず、2つとして同じものは使用されないのです。ただ例外がありまして、親の個人紋章は子のうち一人だけに譲り渡すことが可能なんですよ。そして第一(だいいち)王位(おうい)継承権者(けいしょうけんしゃ)を示すもののみが持つ特徴(とくちょう)は、赤い髪に赤い目、そして装飾品(そうしょくひん)に使用される宝石はすべて“赤いもの”。主にルビーが使われています。ソウ様やマルス様の装飾品がそうでございましょう?」


リオウさんの言葉を受けた私は、自分の腕にあるブレスレットとマルスの装飾品を見た。マルスは(ひたい)・ピアス・ペンダント・ブレスレット・リングを付けており、そして、そのいずれにも大小の大きさは違えども、桔梗(ききょう)の花をモチーフとした(きん)細工(ざいく)と“赤い石”がついていた。


(えぇ〜っと、ここまででわかることは……)


私はマルスのブレスレットについている桔梗の花を指さしながら、


「この花がマルスの個人紋章なのね。そして、私のは父さんに譲ってもらったアゲハ(ちょう)。で、赤い石が付いているから、父とマルスはスカーレット王国の“第一位王位継承権者”だってこと?」


というとリオウさんから「その通りです。」との返答があった。


よく思い出してみると、父さんは昔からよく“蝶”のついた物を私に身につけさせてた。


(そういう理由だったのね…)


父の行動がようやくわかった。どうやら父さんは知らぬ間に、“蝶のついた物が好きにさせる”→“父さんの個人紋章引き()ぎ”ということを私に()り込んでいたようだ…。


(まぁ蝶は好きだからいいけど…さぁ〜)


そう思って、完全に“蝶好き”を父さんに刷り込まれていると気づいた私は、「〜ふぅぅ」と大きく息を吐き出して「やれやれ」と頭を横に振った。








ご意見・ご感想、誤字・脱字のご指摘は教えて下さるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ