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オオカミノ国  作者: 十乃字
幕間
33/81

シュリの手記2

 二章のあらすじです。読み飛ばして頂いても問題ありません。

※次ページより三章が始まります。





 アランに日記を覗かれていた。殴った。




 アランに助けられた次の日、オウガはすぐにでもオオカミ族の村に帰りたがっていたけれど、アランに力尽くで止められていた。私は正直安心した。私たちは弱すぎる。今のままではどこかでまた似たような目に合うか、今度こそ……。


 人間にも獣人にも負けないくらい強くなりたい。村を目指すのは、それからでも遅くはないと思う。


 でもアランはすごく強い。勝てるのかな。





 あれから五度目の夏が来た。


 アランに勝てない。オウガが剣術、私は総合戦闘術をそれぞれ習うことになったのだけれど、私たち二人がかりでも勝てない。


 あの人本当に人間?


 それでも少しずつアランと戦える時間も増えてきたし、オウガも私も段々体が大きくなってきた。身長も実力も、アランに負けないようになるかな。




 最近アランはオウガと二人だけで修行する時間を作るようになった。二人がいない間は暇だ。


 そう愚痴ったら、アランが町で本を買ってきてくれた。医学書や辞典、絵本。そして王都で大人気だという『騎士たちの誓い』という大衆創話。






 『騎士たちの誓い』はアランの趣味? オウガが危ない。





 アランは内容は知らなかった。良かった。しかし王都で流行ってる物はよくわからない。






 アランに『騎士たちの誓い』の続編をおねだりしてしまった。ここはかなりの田舎らしいけど、手に入るかな。



   ◇



 前日にアランに忠告されていたのに、奴隷商人に掴まってしまった。人質に取られた猫獣人の女の子ミライが、あの時の自分に思い出して動けなくなった。


 結局オウガに助けてもらったけれど、不覚の代償は、私の右足だった。


 アランはこのままだと二度と走れないと言っていたけれど、そこまで酷くはなさそう。でも動かすと痛いし、オウガがとても気にしているから、甘えさせてもらおうかな。




 ミライが私たちの食事にとても驚いていた。お腹いっぱい食べられるのは嬉しそうだったけど、お肉はあんまり好きじゃなかったのかな。


 腰の療養をするアランとはお別れして、私の治療が出来そうな聖女様に会いに行くことになった。


 『騎士たちの誓い』を全て処分した。アランは町に持っていけば売れるだろうに、と残念がっていたけれど、アレは危険。持っていけないし置いていけない。つらい。



   ◇



 旅は順調で、ミライは何てことない毎日をとても楽しそうに過ごしていた。


 懸念していた脚の怪我も、旅慣れないミライの補助をオウガに任せることで丁度いいくらいの配分になったと思う。


 宿場町なんかでは絡まれないように宿で静かにしていたけれど、ミライに教えたいことはたくさんあるからそれはそれでよかった。そう思っていたのだけど。


 やっと到着したアマーストでは、案の定簡単には聖女とやらには会えないみたい。しかも、オウガはその聖女の暗殺計画なんて面倒な物を知ってしまって、止めに行ってしまった。


 どうにも嫌な予感がした。私は迷った末、ミライを連れてオウガの後を追った。




 オウガは無事に暗殺計画を阻止したようだけれど、衛兵に捕まってしまったみたい。聖女や知り合った騎士がいれば解放されるかもしれないけれど、私はもう一つの当てを探すことにした。


 衛兵の詰所にいた兵士を一人ずつごうも――じんも――お話して、昼間オウガと話した人を見つけ出した。


 その兵士を連れて行ったことが決めてとなって、オウガは解放され、聖女と呼ばれる治療の奇跡を扱えるマリアとその護衛騎士のレイア、オウガに対して中立だった騎士のラウルと知り合った。


 去り際、オウガを虐めていたディメスという町騎士が、ニタニタと嫌らしい目で私たちのことを見ていた。しかも、一番見ていたのはマリアの胸だった。本当に汚らわしい。


 翌日、呼び出されたアマースト教会でカーマイン司教とかいうスケベ爺に、私の脚の治療の対価として、マリアをサンドルク教会総本山まで護衛するように依頼されてしまった。


 報酬は別で出るというし、獣人領に戻る途中の寄り道と思えば悪い話ではないのだけれど、マリアが同行するのが複雑だ。オウガと妙に距離が近い。そして胸に凶器。


 レイアはいい。真面目そうだし、大きさも私と同じくらいだ。しかしマリアは……。




 出立の日、馬車の中でマリアに色々触られた。誰に対してもこれか。



 その日の内に、練習も兼ねて野営した。人間の皆にはイマイチ不評だったけれど、お肉は多い方が良い。


 ラウルから、アランが元騎士で王国戦技の礎を築いた人だと教えられた。何か色々知ってたし、納得、かな。一応貴族だったっというのには本当に驚いたけれど。





 アマーストから続いていたミクス街道がセアスという町で終わり、東へ行けば獣人領、マリアがの目的地は西、という一つの分岐点に到着した。


 大昔に侵攻してきた獣人を食いとどめた町として、排獣人の空気があるという話だったけれど、実際には獣人に気を遣う妙な空気。


 元奴隷の獣人トウマ、ソウジン、ギードたちの話によると、レイアの同期のナターシャという騎士が獣人愛で好き勝手した結果みたい。当の本人は左遷させられたらしいけども。関わりたくない。


 町中にやたらと動物が多くて、マリアが興奮して鬱陶しい。




 獣人領で戦争の準備が進んでいるらしい。ラウルからの提案で、護衛契約をここで終了して、東に向かってもいいことに。


 やっとあの変態と別れられると思っていたら、遠話の奇跡でカーマイン翁と連絡を取った変態マリアは、総本山行きを先延ばしにして、王国東端の要塞都市ブラードに支援に向かうことにしたらしい。


 別れの前にとばかりに馬車の中でひたすら触られた。






※あらすじ執筆に当たり、本編を一応読み返したのですが、ほとんどは記憶やメモを下に書き下ろした物ですので、もしも本編と齟齬などがありましたらご報告頂けると助かります。


※次ページより三章が始まります。


かゆうまネタを入れたくなってしまい、我慢するのが辛かったです。

場所は腐ってる所ですね。



※あらすじ執筆に当たり、本編を一応読み返したのですが、ほとんどは記憶やメモを下に書き下ろした物ですので、もしも本編と齟齬などがありましたらご報告頂けると助かります。


※次ページより三章が始まります。



かゆうまネタを入れたくなってしまい、我慢するのが辛かったです。

場所は腐ってる所。

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