出会い
今作は、他と違って短めに終わります。
よろしければお付き合いくださいませ。(ぺこり
*おれは、主となる少女がくるのを、廊下で正座をして待っていた。
どのような少女だろう。
これから生涯命をかけて守らなければならない少女とは。
そう考えていたら、いきなり目の前のふすまが勢いよく開いた。
「遅くなってごめんなさ……うわあ!!
かっこいいひと!!
ねえ、お兄さん。
あなたが私の騎士になってくださる人?」
中から現れたのは、灰色の髪に綺麗な青い瞳をもつ可愛らしい女の子だった。
突然のことに呆けてしまったが、彼女が身に着けている巫女装束が目に入り、
おれはあわてて姿勢を正した。
「はっ。
本日より騎士をつとめさせていただきます、タスクにございます」
「タスクっていうんだね。
私はセナだよ」
「セナ…様…」
「うん。
私、タスクのこと守れるくらい強くなれるように、言霊の修業頑張るから!!
これからよろしくね!!」
そう言って愛らしい笑みを浮かべるセナに思わず頬がゆるんだが、その内容を聞いて、
おれはあわてて首を横に振った。
「い、いけません!」
「え、どうして?」
セナは不思議そうに首をかしげた。
どこか幼さを感じる言動からすると、おれよりも年下に違いない。
おれはそう思いながら言った。
「騎士とは、あなた様を影より守り従いし者であり、守られる者ではございませんから」
「それは、違うよ」
セナはおれの前にふわりとしゃがみこんだ。
澄んだ青い瞳がおれの目をまっすぐにみつめる。
「私はみんなを守る巫女。
タスクは私がみんなを守るのを助けてくれる人。
もちろん、私が守るべき人の中にタスクも入っているから、私がタスクを守るの!
ね?正しいでしょう?」
そういって彼女は笑った。
まだ幼いというのに、その目に宿る意志は、おれよりもずっと大人びていた。
彼女に見とれた。
情けないほどに。
ただ強く強く惹きつけられた。
その日から、彼女がおれのすべてになった。