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十六夜の宴  作者: いろはうた
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出会い

今作は、他と違って短めに終わります。

よろしければお付き合いくださいませ。(ぺこり

*おれは、主となる少女がくるのを、廊下で正座をして待っていた。


どのような少女だろう。


これから生涯命をかけて守らなければならない少女とは。


そう考えていたら、いきなり目の前のふすまが勢いよく開いた。



「遅くなってごめんなさ……うわあ!!


 かっこいいひと!!


 ねえ、お兄さん。


 あなたが私の騎士になってくださる人?」



中から現れたのは、灰色の髪に綺麗な青い瞳をもつ可愛らしい女の子だった。


突然のことに呆けてしまったが、彼女が身に着けている巫女装束が目に入り、


おれはあわてて姿勢を正した。



「はっ。


 本日より騎士をつとめさせていただきます、タスクにございます」


「タスクっていうんだね。


 私はセナだよ」


「セナ…様…」


「うん。


 私、タスクのこと守れるくらい強くなれるように、言霊の修業頑張るから!!


 これからよろしくね!!」



そう言って愛らしい笑みを浮かべるセナに思わず頬がゆるんだが、その内容を聞いて、


おれはあわてて首を横に振った。



「い、いけません!」


「え、どうして?」



セナは不思議そうに首をかしげた。


どこか幼さを感じる言動からすると、おれよりも年下に違いない。


おれはそう思いながら言った。



「騎士とは、あなた様を影より守り従いし者であり、守られる者ではございませんから」


「それは、違うよ」



セナはおれの前にふわりとしゃがみこんだ。


澄んだ青い瞳がおれの目をまっすぐにみつめる。



「私はみんなを守る巫女。


 タスクは私がみんなを守るのを助けてくれる人。


 もちろん、私が守るべき人の中にタスクも入っているから、私がタスクを守るの!


 ね?正しいでしょう?」



そういって彼女は笑った。


まだ幼いというのに、その目に宿る意志は、おれよりもずっと大人びていた。


彼女に見とれた。


情けないほどに。


ただ強く強く惹きつけられた。







その日から、彼女がおれのすべてになった。


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