召喚術
長いお休み申し訳ありません・・・
徐々に書いていきますので引き続きよろしくお願いいたします
次の日俺達はクリスを連れて狩りに出かけた。
クリスは外に出れたのがうれしかったらしくはしゃぎまくった。アッシュが右往左往しながらたしなめてはいたが、うるさすぎて何回か獲物が逃げ出してしまったくらいだ。さすがに俺もキレた。
「クリス!邪魔すんなら帰れ!騒ぐなら街中でやってろ!お前は狩りの意味わかってるのか!」
普段あまり声を上げて起こることのない俺に激しく言われてクリスは半泣きになった
「アッシュ。今日は1人でいい。その泣き虫連れて帰れ。邪魔だ。」
「そうだね。この状態じゃ無理だ。クリス、行くよ?」
「ごべんなさい・・・ぢゃんとずるから・・・」
「次はないぞ。」
「はい・・・」
それからはクリスはおとなしくアッシュの指示に従っていた。
勘違いしないでほしいが俺は子供が嫌いなわけではない。むしろ好きなぐらいだ。しかしクリスに至っては周りが少々甘やかしすぎていると感じることもあり厳しく接している。それでもビビらずに俺に接してくるクリスもなかなか図太いとは思うが・・・
他の人の俺とクリスのやり取りを見たときの反応は以下の通りだ
アッシュ、セバスチャン:俺の言っていることは間違っていないので基本口は出さない。まぁあとで盛大にフォローをしているみたいだが。
シスターや司祭様:俺に対しては基本何も言ってこないため2人に同じく口を出さない。まぁあとで盛大にフォローをしているみたいだが。
ユーラ、ちび達:基本的にはクリスの味方。しかしユーラの意見は俺が論破し黙らせ、意味の分かっていないちび達には食料をちらつかせ脅して終了。まぁあとで盛大にフォローをしているみたいだが。
リック、炭酸:基本俺の意見に逆らうことはない。まぁあとで盛大にフォローをしているみたいだが。
てな感じで基本的に俺が悪者になっている。つーかこの役目はユーラか司祭様がしなくちゃいけないはずだろ。俺はお父さんになったつもりはないのだが・・・
おとなしくなったクリスは十分に戦力となった。と、いうか強すぎた。
召喚獣を使いそれはもう無双状態のごとく獲物を狩りまくっていた。
ガドルなどの害獣は別にかまわないのだがリッピーなどまで全滅してしまってアッシュに説教をくらっていた。珍しくアッシュが怒っていたので俺は口を出してはいない。
良くも悪くもクリスのおかげで今日は大量となった。俺やアッシュに怒られて若干凹み気味で帰ってきたクリスだったが大量の獲物を前にしたちび達にちやほやされ調子に乗りすぐに元気を取り戻していた。
クリスは懲りたのかその後狩りに連れてけとは言わなくなっていた。しかし、あのお転婆姫がおとなしくしているわけがなかった。俺たちにばれないようにセバスチャンを連れてリックについて行っていたらしい。
まぁリックはすぐに俺に報告してきたし、セバスチャンがいれば問題ないだろうと俺もアッシュも知らんふりをしていた。
おかげでセバスチャンの傷の治りが遅れたことは誰も知らない。
そんなこんなで無事に冬籠りの準備も整い、ベイロークは冬を迎えた。
雪が一面を覆うこの町の冬の間にすることは基本的に何もない。
女の人は編み物などをしてすごし男は出稼ぎに行くか、武術の修行など各々にすごしている。
ギルドもこの時期は依頼が少なくあっても近場の薬草取り比較的害のない雪狐や雪モグラの退治くらいしかなくその依頼もほとんど出ることもない。
依頼が少ないため、村にいたほかのハンターはほとんど別の町に移動している。
天然の雪の要塞と化しているこの町は平和そのものなのだ。アッシュがここを逃げ場に選んだのもそれが理由らしい。
そんな中俺はシスターに召喚術を教わっていた。もちろんアッシュやリック、ユーラも一緒にだが。
召喚術とは己の魔力を媒介に精霊の上位聖獣を使役するものだ。ただし聖獣とは名ばかりで決まった形はなく使用者の魔力によって形が決まるため属性も使用者によって千差万別なのである。
精霊との相性のいい光の加護もちのものが召喚に成功しやすく属性も使用者に依存するため召喚獣には得てして光の属性のものが多い。このあたりが『聖獣』と呼ばれる理由なのだろう。
ここで属性の確認をする。
俺・・・・・風
リック・・・火
ユーラ・・・光
クリス・・・光
アッシュ・・雷
アッシュ雷かよ!もはや勇者じゃねぇのか?
とまぁ嫉妬にとらわれながらも俺たちは修行を開始した。まずはシスターのお手本から。
「召喚術は魔力のコントロールとイメージ力が大事になります。まずどんな生き物を使役するのかそれを具体的にイメージしてください。後は魔方陣ですがこれは実際見て感じてください。」
そういってシスターは魔力を込める。するとクリスの時のように地面に魔方陣が現れた。魔方陣とは魔力が流れる道筋を表したもので召喚術ともなればその複雑さが目で見れるほどに分かる。なるほど・・・これは難しそうだ。
そして魔方陣の中から小ライオン?らしきものがあらわれた。
「この子はシオウと言います。皆さん仲良くしてあげてくださいね?」
そういってシオウはクリスにじゃれついた。多分前の召喚の練習の時仲良くなったんだろう。
「クリスは私の魔方陣を参考にしたので召喚獣が似たタイプになりましたが、魔力の込め方によってはさまざまな形に進化できます。シオウ?」
シスターの呼び声にシオウが反応しシスターのもとに戻る。そのシオウにシスターがさらに魔力を込めるとシオウが今度は大きな雄ライオンのように変化した。
クリスが飛びつきたてがみをもふもふしている。うらやましい。
「それではみなさん、後は各自で頑張ってくださいね?」
へ?これだけ?
「し、シスター様?もう少し細かい説明とかはないんでしょうか?詠唱とか・・・」
「召喚術に関しては基本的なパターンというものがないんです。だからこれはもうセンス勝負ということです。」
「これは大変そうね・・・」
ユーラが頭に手を置く、俺とアッシュも目を合わせてため息をつく。しかしリックは
「でもクリスにできたんだから、俺らにもできる可能性があるってことじゃないっすか?ってことでクリス!教えてくれ!」
「いーよ!じゃああっちでやろー!」
「あ、ちょっと待って二人とも!」
クリスとリックと子ライオン化したシオウが奥へ走っていくのをユーラが追いかけていった。
残されたのは俺とアッシュ、そしてシスターだ。
「シスター、シオウまで連れてったけど?」
「構いませんよ。召喚獣の位置は常に手に取るようにわかりますから。むしろ逆に安全です。」
「それで?僕らにはちゃんと教えてもらえるんですよね?」
「さすがはアッシュ様。お気づきで。」
「クリスがあの短期間で召喚術を覚えるには少々雑すぎる気がしましたからね。トーマも気づいてたんだろう?」
「まぁな。同じタイプの魔方陣でしかってとこがひっかかったな。それだったら世界の召喚獣すべてがおんなじタイプになりそうだし。」
「2人ともお見事です。それでは召喚術の『概念』をお渡しします。」
そういってシスターは俺たちの肩に手を置いた。そしてその瞬間、頭の中に一気に情報が流れる。これはロコウさんから知識をもらったものと同じだ。
「くっ・・・」
アッシュが膝をつく。俺も依然経験した知識酔いみたいなものだろう。俺は前に経験していたためいくらかましだがそれでも少しきつい。
「シスター・・・クリスもこれを?」
「いえ、2人の半分以下です。どうしてもということでしたでさわりだけ渡しておきました。」
「でしょうね・・・クリスではこの量の知識は厳しそうだ・・・」
アッシュが立ち上がる。もう大丈夫なのか?すげぇな・・・
「しかし、お2人は光の加護もちではありませんので、召喚術が上手くいくかは正直分かりません。」
「そうですね・・・それはこの知識で十分わかりました。後は自力で試してみます。」
「頑張ってくださいね。それでは私はあの子たちの様子を見てきます。」
「わかりました。」
シスターがその場から離れると俺とアッシュはその場に座り込んだ。
「知識移動がこれほどまでにすごいとは・・・話には聞いていたけどこれは相当くるね・・・」
「その割には普通そうだったじゃねぇか。」
「やせ我慢だよ。皇族の必須事項。トーマなんかふらつきもしてなかったじゃないか。」
「まぁ一回経験してるからな。」
「へぇ・・・誰から?」
「それは秘密だ。」
「そうか・・・まぁ知識移動で得る情報には一子相伝のものとかもあるらしいしね。追及はやめとくよ。」
「そうしといてくれ。」
「さて、1度試してみるかい?」
「そうだな。まだ頭はくらくらしてるがせっかくだしな。試してみるよ。」
「じゃあ僕も・・・」
そういって俺たちは魔力を込める。なるほど・・・これは操作が難しい。俺は頭の中に召喚獣の形をイメージし続けた。アッシュも同様に顔をしかめ苦労している。
1日目はそんな感じで終わった。
木崎斗真:Cランクハンター
ガドルキラー
グランキラー
足止め王子(いつの間にか言われだした)
尻王子 (カーサのセクハラのせい)
特技 :鍵 ホームランバット(棍棒のフルスイング)
英雄の知恵 無邪気なツッコミ(高速ボディーブロー)
脛狩り ウインド・ライド
装備 :ファング・シックルG
ハイストームダガー
皮の服
持ち物 : 錆びた英雄のナイフ (遺跡で発見)
: その他もろもろ




