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第28話・偽りの終焉12

***




バンッ!!

力任せに資料室の扉を開けた。

当たって欲しくもない予想は現実となっていた。


冬「…………いない。」


誰もいない。


蒼麻も菫さんも火野さんも、3人がここで日記を探していた形跡だけが残っているだけだ。


カッカッカ…………


冬「……………。」


何処かで何か音が聞こえる気がするが、余りにも受け入れたくない現実に頭が働かない。


カッカッカ………


後悔が頭の中で爆発的に湧き上がる。

捕まるかもしれない、というのも前提で皆で動くべきだったのだ、と。


カッカッカ………


音が近づいている。

正体なんて解っているが、逃げる気にも、隠れる気にもなれない。

それほどショックがでかすぎた。

だが、逃げないのはそれだけではない。


カッ…………


足音は既に背後にいた。


冬「………。」


扉が開く音など聞こえたか?

などと余計な事を考え、恐怖を和らげ振り向く。


女「……………。」


冬「っ。」


女「………何を驚いているの?」


冬「いや…………。」


驚くなというのは無理な話だった。

目の前にいるのは確かに、俺達が見たあの恐ろしい少女と同一人物だ。


冬「君は、本当に蓮先輩を追いかけていた奴なのか?」


自分でも妙な事を聞いている自覚はあったが、そう聞くしか出来なかった。

禍々しく赤い眼などではなく、澄んだ黒い眼をしているのだ。追ってきた奴には違いないが、これでは別人だ。


女「………そうよ。」


冬「なら、皆を消したのも、君が…。」


言い切る前に、目の前の女は首を横に振る。


女「………あの人達は、違うから。」


冬「違う?そいつは………」


その先を言おうとして、突然自分の身体に異変を感じ始めた。

冬(何だ、この内側から消えていきそうな感覚は………。)


女「………あなたも、違う。」

彼女は背を向け歩き、少し離れた所で振り向き言った。


女「………だから、あなた達は帰る。」


冬「待って………くれ。それは、元いた場所に帰れるってのか!?」


女「……………。」


視界もぼやけてきているが、彼女は確かに頷いた。

考えようとする思考も消えていく中、彼女は言う。


女「………私はもう、長くない。あなた達はもう来れないだろうけど、また、誰が来るかわからない。だから、私を………」



指先からゆっくり消えてく様な感覚を感じている中で、彼女は俺に願いを託した。




女「………灰にして………」

あの時見た狂気もまるで感じられない。

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