第27話・偽りの終焉11
***
バタン、と一番最後に捜索を後回しにした部室の扉を閉める。
冬「……………」
別館を隅々まで探した結果、二人はいなかった。
それは、心の何処かで分かってはいた事とは言え、そうあっては欲しくないという物だった。
本館の方がまだ残っているとは言え、可能性はないかもしれない。
冬「そう言えば………」
危険を承知で、慎重に動いていたが、あの女に遭遇していない。
警戒を緩めてしまおうか
そう思いたくなってしまうほど、彼女は出て来ていない。
冬
俺は少し、嫌な事を考えてしまう。
例えば、今二人は本館にいる。
そこにはあの女も……。
二人とも追い詰められているのか、或いは、もう既に捕まっているか……。
そうなっていないかもしれない。
だが、そうと言い切る事も出来ない。
携帯を取る。
蒼麻に連絡を入れ、現状を説明、そこからすぐに本館の方に移動して二人を探す。
頭の中でこの後の行動の段取りを組みながら、携帯を操作し耳にあてた。
しかし…………
冬「…………嘘だろ。」
携帯からは静寂が返ってきた。
もう一度かけ直す。
何も返ってこない。
冬「っ。」
信じたくない現実に耐えきれず、火野さんに連絡する。
冬「菫さんっ!?」
冬「洒落になってねぇじゃねえか………。」
希望と願いは、一つの現実と大きな絶望と恐怖になって帰ってきた。
冬「俺1人しかいないのかよ………。」
もう、二人を探すどころじゃなかった。
今頃になって、抑え込んでいた恐怖が身を包んだ。
誰かがいたからこそ目を向けずにいられた。
だから…………
ただ、ひたすら意味があるかも解らずに、ひたすら俺は走った。
向かう先に、何が待ち受けているかも解らず、ただ、ひたすらに………




