第22話・偽りの終焉6
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火「冬木も人の子だな……。」
冬「……………。」
冬(自分の酷さなんてのは自覚してると言えども………、あのオッサンはなんて言い方しやがる。)
菫「どうしたの、冬木君?」
冬「いや、何でもないです………。」
菫「あら、凄いしかめっ面して、そんな事言うのかしら?」
冬「うぐ………。」
菫「それにしても、火野先生にも困った物ね………。」
冬「………まぁ、仕方ないとは思うんですけどね。資料整理で片付けてたんすから、どこにその日記があるか忘れたってのは………。」
冬(突っ込まれたくないとこには触れないってのが本当に菫さんらしいわな………。)
菫「そうね……。仕方ないのかしらね…………。」
冬「菫さんは、やっぱりこの状況は嫌ですか?」
菫「当たり前じゃない。逃げられる時に出られるならともかく、閉じ込められるのはごめんよ。」
冬「なら、ちゃっちゃと探してしまいますか。何時までもこんなとこにはいたくないですし………。」
菫「ええ、だからしっかり探しましょ?」
冬「言われなくてもっ………。」
冬(菫さんとのやり取りから、俺達は黙々と目的の物の捜索にかかった。)
冬(そして、少ししてからある異変に気づく事になったのだった……。)
冬「…………これも違う、か………。」
冬(似た様な品は出てくるが、やっぱり簡単には出てくる訳ないか………)
冬(そもそも、あるかどうかも分かんないしな………。)
火「冬木、蓮ちゃんを知らないか。」
冬「は?蓮先輩ならそっちの棚で探してんじゃ………」
夏「いないんだよ。」
菫「火野先生、他の場所にはいないの?」
火「他の棚を調べてるかと思ってちょっと見回してみたが、そうでもないらしい。」
冬「…………トイレか?」
上「でも、俺達誰も資料室のドア開ける音聞いてないぜ。」
夏「それ以前に、外危ないのに出るとは思えないし……。」
冬「そうだよな…………。無いとは思うが、どっか隠れてるか見てみるか……。」
火「いくら蓮ちゃんもイタズラ好きだからってそれは……。」
冬「本当にやってたらひっぱたきもんだな。」
菫「じゃあ、捜しましょ。いなければ、そっちの方が問題よ。」
冬「ロッカーん中も、机の下もダンボールの中も本棚の影にもいない………。隠れられる場所はもう無いから、こうなるともう外か………。」
夏「でも何で………?」
冬「俺が聞きたいわ………。」
火「仕方ない、携帯で連絡してみるか。流石に状況がな…………。」
上「もし隠れてたりしてる時とかだったらまずいけど……」
ピッ
火「……………。」
冬「無事でいてくれよ………。」
火「………………?」
ピッ、ピッ
火「………………」
冬「………火野さん?」
火「………………」
菫「火野先生っ。」
火「……………」
火「おかしい………。」
夏「?」
火「蓮ちゃんの携帯に繋がらない………。」




