第21話・偽りの終焉5
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菫「なら………早く見つけましょ?」
秋「……………これは、違う、と。」
夏「………うわ、こんな古い本まであるんだ。次の文化祭の出し物で使えないかな………。」
上「今そんな場合じゃないだろ、って、これエッチぃ本………じゃねえでやんの………。」
ガンッ!
上「いてぇっ!?」
火「真面目に探せ、馬鹿者。」
冬「……………。」
菫「中々見つからないわね………。冬木君は見つけたかしら?」
冬「いえ、こっちも見つかんないです………。」
上「……………。」
夏「上山、さっさと探せ………って、どうした?そんな宗治なんか見つめて。」
上「いや………、冬木って菫先輩にだけはなんで敬語なんだろって……。」
火「それは俺もちょい気になるわな。俺にもタメ口だし………」
夏「ああ、それは………。」
上「まさか、冬木って菫先輩の事がす…………っ」
スカーンッ!
上「あだっ?!」
冬「くだらねえ事ほざいてる暇あんなら手ぇ動かせっ、タコ!!」
上「すんませんっ!?」
上「くそ、何で俺だけ………」
夏「そりゃ、別に宗治は姉さんの事が好きって訳じゃないから。」
火「違うのか?」
夏「姉さんは、小さい時に宗治の事も弟みたいに可愛がってたから、姉みたいに思ってるだけみたいです。」
上「お前らそんな付き合い長いの?」
夏「幼稚園の頃からの付き合いだし、ね。」
火「菫ちゃんは昔から冬木の事は『冬木君』って呼んでたのかい?」
夏「昔は普通に名前で呼んでたんですけど、宗治がなんか恥ずかしいからって名字で呼んでくれって懇願し出したんですよ。」
火「何でまた…………。」
夏「小学校はともかく………、いくら言っても『宗ちゃん』って呼ばれんのだんだん辛くなったみたいで……。」
上「ぷくくく…………宗ちゃんって………。」
ズドンッ!!
上「広辞苑?!!」
冬「…………………。」
上「ひ、ひいぃぃぃっ!?」
菫「危ないから駄目よ、冬木君。」
冬「…………了解。」
夏「…………今の呼び方になる過程で、なんか敬語になってて。」
火「…………そうか。」
夏「どういう訳か、別に姉さんも納得しちゃって、何か言う事も無いんですよ。」
火「冬木も人の子だな……。」




