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俺たちのこれから・・・

「さて、名前が決まったのは良いとして・・・。なあ、レイラ」


「何?」


「ハヅキはお前を庇って死んだということは、間違い無いんだな?」


「うん・・・確かにハヅキはあの時死んだわ」


「そうか。すまなかったな」


「いいよ。理由は分からないけどハヅキは今生きてるからね」


確かにそうだな。自分の友達が目の前死んでしまったという事実が、

どんな理由であれ覆されたのだから・・・


よし、そろそろ確認しないといけないな


「ハヅキ」


「わ~い。ん、なにお兄ちゃん?」


「シロとは後で好きなだけ遊んで良いから、少しだけ俺の質問に答えてくれないか?」


「うん、分かった」


『ふ~助かった』


「あなたも大変ね・・・」


『そうだな。それよりも我もお主に聞きたいことがある』


「なに?」


『何故、魔王のお主がタクマをこちらに呼んだのかをだ』


「な!」


「ん、どうしたリム?」


「あ、ううん。何でもない。

拓磨、私ちょっと外に出てるね」


「・・・そうか、分かった。

あまり遅くなるなよ」


「うん、分かった。それじゃ」


そう言ってリムは出て行った。


その後をシロもついて行ったので恐らくリムが魔王であることに関する話だろう。


あちらはシロに任せるとして、こちらはこちらの問題を片付けるとしよう。


「では、ハヅキ」


「ん?」


「単刀直入に聞くが、お前は自分が死んだという記憶はあるか?」


「ち、ちょっと!タクマ、いきなり何を!?」


「遠回しに聞いてもお前がいる以上ハッキリさせなくてはならないことだ。

それで、ハヅキ。どうだ?」


「うん。憶えてるよ。私はミリーを庇ってあの時オーガに殺された」


「ハヅキ・・・あなた、憶えてるの?」


「うん。憶えてる・・・ミリーの事もハッキリ」


「そうか、ならこいつがその『ミリー・レイラ』であることは分かるか?」


「あっ、やっぱりそうだったんだね。

他人の空似にしては似すぎてると思った。久しぶりだね、ミリー?

元気してた?」


「うん、元気だったよ」


「そっか。それなら良かった。

・・・お兄ちゃん他にも聞きたいことはあるよね?

何でも聞いて良いよ?」


「そうか?それなら・・・」


「うん?」


「スリーサイズは?」


ガツン!


「イッテェ!何しやがるレイラ!」


「『何しやがる』じゃ無いわよ!

何がスリーサイズよ!巫山戯てるの!」


「巫山戯てなんかいないっての・・・」


「巫山戯てるじゃない!こんな小さなこのスリーサイズなんてきいて!

あんた、ロリコンだったの!?」


「んなわけあるか!人を勝手に幼女趣味にすんな!」


「ぷっ・・・あはははははは!」


「「え?」」


「お兄ちゃんもミリーも面白い!はははは」


これは空元気では無いだろうな。良かった。

記憶があったら、もっと混乱するかと思ったが随分と順応性が高いようだ。


体は小さいがよく考えれば年はレイラと近いのだから当たり前かも知れないが・・・

それでも元気を取り戻してくれてよかった。


「ハヅキ、これからどうする?」


「はは・・・そうだなぁ。迷惑じゃないならお兄ちゃん達と一緒にいたいけど。

シロちゃんとももっと遊びたいしね」


「そうか・・・俺は何の問題も無い。レイラも構わないだろ」


「もちろん!どんな理由であれまたハヅキと会えたんだからね。

これまでの分を取り戻さないと!」


「そうだな・・・」


この時レイラとハヅキの止まった時間が再び動き始めた・・・





リム



「それで話って?」


『なぜ、お主がタクマを此方に呼んだのかと言ったであろう?』


「そうだったわね。

私が拓磨を呼んだことに意味は無いわ。

そのことは拓磨も知ってることだしね」


『では、お主は何の理由もなく『タクマ・ミョウホウ』という一人の

人間の人生を壊してしまったということか・・・』


「・・・・・・」


『否定せぬのか?』


「その通りだからね。否定してもどうにもならないわ」


『そうか。それでこれからどうするつもりだ。

我はあの者達について行くが?』


「私だってそのつもりよ?今日だけで十分楽しかったのに

みすみすこの生活を手放すつもりはないわ」


『随分と勝手だな。あの者がもしお主を恨んでいたとしても

ついて行くのか?』


「ええ」


『そうか・・・』


「話はもう済んだわね?それじゃ、帰りましょ。シ・ロ・ちゃ・ん」


『ぬう、その名で納得したわけでは無いのだが』


「良いじゃない。可愛いわよ?」


シロはまだ不満があるようだったけど、そんなに悪い気分じゃ無いのかも知れないわね?


これからもっと楽しくなりそう!





拓磨



「ただいま~」


「お、帰ってきた。話はもう良いのか」


「ええ」


「そか。こっちも先程纏まったところだ。

ハヅキは俺たちと共に行動することになった。レイラもな」


「そう、それは良かった。レイラもハヅキもこれからよろしくね?」


「もちろん」

「うん」


「それじゃ、今日はもう寝ましょ?

疲れたわ」


「そうだねぇ~。あたしも疲れたよ」


「じゃあ、私はシロちゃんと一緒に寝るね?」


『なに!』


「まあ、良いだろ。シロの主はハヅキだからな」


『なっ!何時そんなことが決まった!』


「名付け親はハヅキだから当たり前だろう?」


『ふう、もう良い。色々と諦めたわ・・・』


黒龍も形無しだな


「で、ベッドは誰が使う?俺は床構わないぞ」


「私はシロちゃんと寝るからいらないよ」


「あたしも別に床で良いけど?野宿で慣れてるからね。雨風凌げるだけでも

十分だよ」


「私もそれで良いけど?」


まさか全員が床で良いとは思わなかったな。

レイラは自分でも言っていて通り野宿で慣れているのだろうから問題は無いだろうが・・・

リムとハヅキは本当に大丈夫なのか?


ハヅキはシロが布団代わりになるから大丈夫か。


「それなら、掛け布団だけ使って全員で寝るか?横に並べば出来ないことは

無いだろうからな」


「ああ、良いわね。それ。そうしましょ」


「そうだね。ずっと一人で寝てたから久しぶりに誰かと一緒に寝たいし」


「私もいいよ」


『我もそれで構わん』


「よし・・・並びはどうする?」


「拓磨

「タクマ  の隣が良い!」」」

「お兄ちゃん


これまた見事にハモったな。練習していたんじゃないか?


「そ、そんなにか?」


「「「うん!」」」


「わ、分かった。ならじゃんけんで決めてくれないか」


「「「じゃ~んけ~ん、ぽん!」」」


行動に移すの早っ。






「はは・・・毛がくすぐったいってばぁ、シロ」


『仕方無かろう。こうもがっしり捕まれては動こうにも動けん』


「シロちゃんあったかい~。もふもふ~」


「少しくらい我慢しなさい。寝たら気にならないから」


「シロ・・・お前の気持ち、今は分かるぞ」


じゃんけんの結果、並びはハヅキを中心に右隣にシロがおり、さらに右隣にはレイラがおり

体毛の被害を受けている。

左には俺が寝ており、さらにその左にリムという風になった。


シロも言っていた通りハヅキはシロをがっしりホールドしているから、シロはいま身動き

出来ない状態だ。


かく言う俺もリムにホールドされているが・・・


「ほら、もう寝るぞ?」


「「「は~い」」」

『うむ』






「ねえ、今更なんだけどさ、シロって狼だよね?」


『見れば分かろう?』


「・・・なんで喋れるの?」


「「今更すぎるな(わね)」」


「良いじゃない、別に・・・シロちゃんはシロちゃんだもん」


「・・・それもそうだね。おやすみ~」


「ああ、お休み」


「ん、お休み」


「おやすみなさい~」


『うむ』





あ、そうだ


「シロは昼間の龍だからな」


「「えっ!」」


「ち、ちょっと、どういう事よ拓磨!」


「そうだよ!ちゃんと説明してよ!」


「か~」


「「寝るの早!」」


「面白いね。シロちゃん?」


『そうだな。これからが楽しみだ・・・』

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