表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/30

コルティネ


大会の翌日、宿で朝飯を食べていると、ブレットが訪ねてきた。


何でも昨日の大会を王が見ていたらしく、俺に来て欲しいとのことだが、面倒だな・・・断ろうと思ったら、ミリーが行くだけ言ってみたらどう、と言ったので、とりあえず行くことにした。皆も連れて言ってはダメなのか聞くと、王は俺だけを連れてこいと言ったらしい。


ダるいな~・・・。


行ってくると言って、皆に見送られ、俺はブレットの後に付いて城に向かった。


門の前で見張りの兵士が二人いて、ブレットを見るとお勤めご苦労様です、と元気に言っているのを聞きながら、俺とブレットは中に入った。


城は見た目からも想像できたが、やはり豪華だった。壁やらなにやら、床に敷かれている絨毯以外は殆どが白で統一されている。


奥にはでかい扉が有り、おそらくその先が謁見の間なんだろう。


案内されるままに扉の前まで行くと、入り口の見張りの兵士よりも豪華な鎧を装備した兵士がいた。隊長とかその辺の奴かもな・・・。


ブレットに頭を下げていることから、ブレットがしっかり団長をしていることが窺える。


見た目そんな感じには見えないんだけどな・・・。


扉の中に入ると、また広い空間に出て、奥には玉座が二つあり、俺から見て右側だから、左側か。そっちの玉座に戦乙女って感じの格好をした女が座っていた。右側は何故か空いている。


白い髪に金色に輝く瞳。赤い鎧に身を包み、傍らには身の丈程の戦斧が立てられている。


あれを振り回すようにはとても見えんな。


なんて考えていると、ブレットが片膝と右手を付き頭を垂れた。


そういや、周りに誰もいないな。玉座の間ならもっと人がいてもおかしくないと思うんだが・・・。


暫く周りを観察していると、女と目が合った。


右手を小さく振って軽い挨拶をすると、向こうは嬉しそうに笑って返してくれた。


丁度顔を上げたブレットがその行動を見て、不思議に思ったのか、女に如何しましたか、と聞いた。




「いや、何でもない」




鈴が転がるような綺麗な声が、謁見の間に響いた。


なんとなくリムに似ているなと思った。


「改めて紹介します。こちらが、今回の闘技大会で優勝を飾った、タクマ・ミョウホウでございます」


「タクマ・ミョウホウだ。で、今日は何の用だ?」


ため口で話す俺に何かブレットが何か言おうとしたが、それよりも先に女の声が聞こえた。


「いいよ、ライズ。あたしも自己紹介するね?コルティネ・ガイラよ」


ん?王族ならミドルネームがあってもおかしくはないと思うが・・・まあ、いいか。


「それで?なんで俺を呼んだんだ?」


「単刀直入に言うよ?」


「ああ」


「・・・・・・・」


いや、言えよ。


コルティネを見ていると、話すどころか目を反らす。距離があるからハッキリとは分からないが、顔が赤くなっている気がするな・・・。


それから十分位、コルティネは何かを言おうとしては口を閉じ、また言おうとしては閉じてと繰り返していた。


「はあ、王妃はいざとなった時、弱いですからね・・・」


どうやらこれは今回に限ったことではないみたいだ。


「ぅ~・・・だって、緊張する///」


今度は赤面しているのがハッキリ分かった。


「何なんだ?用が無いなら俺は帰るぞ?」


「あ!待って!」


呼び止められ、見てみるとコルティネは立ち上がっていた。身長は・・・150位か?とりあえず小さいな。


俺的にはオッケーだが。


ん?ああ、もうとっくに自覚してるよ、忘れているかも知れないが、俺はロリコンだとも。

ああ、そうだとも。


「あたしと結婚してください!//////」


そうそう、結婚・・・は?結婚?


「どういうことだ?」


叫んだコルティネを見ると顔は見事真っ赤になっていて、ブレットを見ると、よくやった!と言わんばかりに拳を握っていた。


「セイッ!」


「ごはっ!」


取り合えす殴っておいた。


さて、何がどうなっているんだろうな?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ