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開幕

「ミリーたちはどれ位で戻ってくるんだ?」


「そうね・・・後、2~30分もあれば戻ってくると思うわよ?

そこまで遠くには行ってないから」


「そうか。そういう訳だから・・・ネイミル。もう少し待っていてくれ?」


リムに聞いてネイミルにそう伝える。


「うん。でも魔剣まであるんだね?ホント、おもしろいね。

君たちは」


「「そうか(しら)?」」


俺とリムの声がハモった。


「そういう所もおもしろいよ。いや~・・・こっちに来て良かったよ。

前まで居たところは結構退屈だったからね」


「そういえば、さっきもそんなことを言っていたな?

どういうことだ?」


森で俺がネイミルに治癒魔法をかけた時にもそんな感じのことを言っていたのを思い出した。

あのときは特に気にしなかったが今は暇だし、丁度良いかと思い聞いてみた。


「それってホントなの?琢磨」


「ああ、確かに言っていた」


「じゃあ、あなたは・・・」


リムはそこでネイミルを睨むような目で見つめた。

その視線に込められたモノを感じ取ったのか、ネイミルは一度ため息を付いて


「そうだよ・・・リムが思っている通りボクは時空を司る神だよ。

世界、時間、空間。

どんな所にだって行ける・・・でもよく分かったね?この世界には神なんて居ないでしょ?」


「・・・・・・何言ってるの?」


「・・・へ?」


リムは言葉通り『本当に何言ってんだこいつ?』って感じの顔をしている。

そしてネイミルも似たような顔を・・・。



ボン!


「あー!もう少しだったのに~~・・・・はぁ」


「そう落ち込むでない、ルミ。今のはなかなかよいモノであったぞ?」


「ああ、ついさっき覚えたとはいえもうここまで出来るようになったのだ。

なかなかどうして、お前には才能がある」


「ウー姉、イフおじさん・・・そうだよね!うん!頑張ろう!おー!」


「うむ、その意気だ」


「おじさん・・・」



あっちはずいぶん盛り上がってるな。イフリートがおじさんと呼ばれて落ち込んでいるが・・・。




こっちは・・・


「私はただ、あなたって凄いわねって言おうとしただけよ?

それをあなたが勝手に勘違いして喋り始めたんじゃない」


右手の平を上に向けて左手を腰に当てて『呆れてますよ』といった感じのポーズを取る。


うん、確かにこれは呆れるな。



そして、当の本人はと言うと


「だって、あんな目で見られたら『気付かれた』と思っても仕方無いでしょ!?」


「私、そんな目で見てた?」


こちらにそう聞いてくるリム。

その問いに少し考え・・・


「見てたといえば見てたな・・・」


そう返す。


「そんつもりはなかったんだけど・・・」


「別に気にするな。こいつが勝手に自爆しただけだ」


「ぐ・・・そうだよ!勝手に自爆したよ!いいじゃん、別にさ!」


開き直った。


「ふんだ!」


拗ねた。


「ねえ、琢磨」


「なんだ?」


「この子面白いわね」


「奇遇だな?俺も丁度そう思った所だ」




その後も瑠実たちは魔法の特訓をして、俺とリムはネイミルを慰めていた。




そして、20数分が経ち、


「リム、ただいま~・・・あ、タクマ達も来たんだ?

あれ、なんか増えてる?」


「そのようですね・・・しかも、あの2人は聖霊です。

主の仲間は本当に愉快ですね?」


「ユラもこれからその中に入るんだよ?」


「それもそうですね。楽しみです」


どうやらあいつが昨日の魔剣らしい。


背はミリーよりも高い。

単にミリーが小さいだけかも知れないが・・・。


金髪を三つ編みにしてワンピースタイプの服を着ており、装備品等は何も持っていない。

自身が魔剣だからだろう。


「お帰り、ミリー。早速だけど、この子はネイミル。時空を司る神よ。


あっちでルミと遊んでいる2人は女性の方が水の聖霊・ウンディーネ。

男性の方が火の聖霊・イフリートよ」


それぞれを示して簡単に紹介する。


「かみ?」


ミリーは自分の頭を指さした。その仕草が可愛くてなんだか和んだ。


「この世界には存在しないから、あまり気にする必要はないわ。彼女もこれから私達と

行動することになったから」



「へ~・・・タクマって何か憑いてるのかな?」


「いきなりなんだ?」


「だって、こんな短期間でどれだけの人と逢ってるの?

一日に色々ありすぎでしょ!」


びしっと指さし俺にそう言ってくるミリー。



「ふあっ、何///」


取り合えず可愛かったので撫でておいた。


「お前が昨日の魔剣か?ミリーをよろしくな」


「勿論です。・・・いい加減止めてあげてください、主がおかしくなってしまいます」


「ん?」


「・・・・・/////」


「おお、すまなかった。止めたつもりだったんだが」


言われて見てみるとまだ撫でていたので手を離した。

するとミリーはその場に膝から崩れ落ちてしまった。


「大丈夫ですか?主」


「うん・・・大丈夫だよ。それじゃ、改めて、タクマ、この子が魔剣のユラだよ?」


「ああ。ハヅキとシロはどうしたんだ?一緒に居たんだろ?」


「ここだよ~・・・」


いや、どこだよ?


聞いた直後聞こえたそんな声に思わず内心で突っ込んでしまった。


『タクマ、お主ここに来るまでに我の同族と会わなかったか?

あちらの方から強い力を感じたのだが・・・』


ハヅキは龍に戻ったシロの上に居り、シロは降下しながらそう聞いてくる。


「ああ、ラルガに会った」


『なに!ラルガに?』


「よいしょっと・・・どうしたの、ミリー?」


「ううん、何でもないよ」


「?」


ハヅキとミリーの会話は今はおいておこう。


「知っているのか?あっちもお前を知っているような感じだったが・・・」


『ああ、なにせラルガは全ての龍を統べる存在だからな・・・

我等の同族で知らぬモノはおらぬ』


「なるほどな・・・まあ、いいさ。

またいつか会うだろう?」


『確かにそうだな。さて、そろそろ戻るとするか』


そう言うと同時にシロの体が光に包まれみるみる小さくなっていった。

そこにはすっかり見慣れた狼のシロ。

どうやら変身には慣れたみたいだな・・・。


「これで全員揃ったな・・・ミリーはもう特訓は良いのか?

まだ時間はあるが」


「大丈夫だよ?今の段階では今日の分で十分だから」


「そうか・・・お前達も良いか?」


「あ、うん。大丈夫。続きは帰ってからやろう?」


「うむ」

「ああ」


「大丈夫よ?元々私は付き添いだからね?」


「あたしもいいよ?」


『我もかまわぬ』


満場一致で帰ることが決まった。





それから大会までは皆思い思いに過ごした。


俺は街を見て回りブレットに遭遇したり、受付に行った時俺の跳躍を見て

興味を持った奴に戦いを挑まれたりもした。

中には友好的な者も多く居た。勿論好戦的な者もいたが、そいつらを含めて結構仲良くなった。


・・・・酒盛りは勘弁願いたいが。


まあ、その後も色々あった。


リムは俺に付いてきて一緒に店を見て回ったりした。酒盛りには参加していないけどな。

それから、ちょっとしたお化け屋敷のようなモノに行ったりもした(リムは途中で気絶した)・・・。


ミリーはユラに世話を焼かれており、それに少し困っている様ではあったが決して嫌がっているわけでは無いことは雰囲気から分かった。


ハヅキはシロと一緒に武器屋を中心に見て回っていた。俺に合うモノを探しているらしい。

別に俺は素手でも構わないが、あって困ることは無いと言うので任せることにした。


瑠実はウンディーネ、イフリートと共に魔法の特訓を継続して行っている。2人が言うには瑠美には才能があるようだ。後3年もすればかなりの腕に成長するらしい。

そこまでの腕があるとはな・・・頑張れ、瑠美。


ネイミルはこの世界を観察してくると言って、どこかに行ってしまった。ま、どこでも行けるなら心配は無いが・・・何となく天然な感じがするからな~。本当に大丈夫だろうか?




まあ、こんな感じで皆それぞれの時間を過ごし遂に武闘大会の幕が上がった。





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