詩「トンカチのうた」
掲載日:2026/04/05
天気のいい日 久しぶりの青空
すずめの子たちが鳴いている
洗濯ものが風にゆれ ゆるやかなダンスで春を迎えて
小舟で旅立つ友は今
まだ見ぬ大海への準備に追われてどうしているのか
いつのまにかきしむ足場に慣れた者たちは
肩を寄せ合い口を歪めてなぐさめ合い
たよりの途絶えた昔なじみの声も忘れて
せまい地下室でようやっとの息をしていて
時間が足りないならこねて伸ばして
お金が足りないなら寝かしてふくらませて
居場所がほしいならまずは板を集めてトンカチトンカチ
涙に遠慮なく手足は止めず
トンカチトンカチトンカチトンカチ
終わりはまだこない 幸いにも幸いにも
すずめたちが鳴いている
嵐はまだこない まだこない




