表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/355

それぞれの想い・セフィラの場合

     セフィラ視点

 今の生活を捨ててまで異世界に来ようってんだ、それなりの事情があるのが普通だね。もっともアタイにはそんな大した理由が無いんだよな……。

「じゃあ次はアタイの番さね。つまらないと思うけど……まあ、聞いとくれよ」

 物心ついた時にはもう、アタイは武器を握っていた。多分だけど捨て子か、売られたんだろう。闘技場がアタイの生まれ故郷になるかな? その闘技場のオーナーがアタイの育ての親だね。

 獣人って事もあって、才能はあったんだろうね。戦うのも好きだったし。ある程度の年齢になったらすぐに剣闘士として戦いに出された。そして戦えば連戦連勝、気が付けば闘技場で一番の剣闘士になっていたよ。

 最初の内は、アタイに挑む奴もそれなりにいたんだけどね、次第に数を減らし遂には誰も挑んで来なくなっちまったのさ。

 だからオーナーは賞金の他に「勝てば体を自由にして良い」なんてオマケを付け始めたんだ。

 どうやらアタイの顔は整っている方らしく、更には男好きする体に成長していたらしい。お陰で挑戦してくる男共が後を絶たなかったよ。

 けれど、誰一人としてアタイに勝てる者は現れなかった。そんな事もあって、いつしか「無敗の女帝」なんて呼ばれる様になったよ。

 その噂が国を越えて、海を越えて……世界中からアタイに挑戦する為、闘技場に強者が集まったよ。

 だがそれでもアタイは負けなかった。つまりアタイは「世界最強」になっちまったのさ。

 そこからは退屈の毎日さ。来るはずの無い挑戦者を待ち続ける日々。いっそ闘技場を出て旅に出る事も考えたが、もうこの世にはアタイより強い奴が居ないのだからそんな事をしても意味が無いと思って止めちまったね。

 それにこの世界には「魔物」なんて奴は存在して無いしね。戦う相手は「人」しかいないんだよ。

 誰かアタイの退屈な日々を止めてくれ。でないと退屈で死んじまうよ。

 そんな事を思っていたある日、アタイの目の前に光り輝く扉が現れたのさ。

 その扉を見た瞬間、アタイのカンが……いや本能が「この先には楽しい事がある」って告げてたのさ。だからアタイは迷わず扉を開けた。

 扉の先で待っていたのは、アタイを倒す事の出来る強い『雄』だった。

 こんな気持ちになったのは初めてだよ。嬉しさのあまり思わず雄叫びを上げそうになっちまった。アタイはこの『雄』の子を産むんだって雌の本能で感じたのさ。

 そこからの毎日はとても刺激に満ちていて、退屈を感じる暇なんてなかったよ。ダンジョンにボス魔物、更には「国」相手に喧嘩を売るんだからさ。

 これから先も、この楽しさは続く。きっとね。

「それに、新しい「家族」も出来たしね。皆には本当に感謝してるよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ