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それぞれの想い・ソニアの場合

 ソニア視点

「じゃあ、次はおねぇさんの番かしらねぇ。少し緊張してきたわぁ」

 こんなに人のいる前で喋るのは初めてだから、上手く出来るか心配だわ。でも、皆が楽しみにしているみたいだし、頑張っちゃおうかな。

 私の生まれは国では有名な家に生まれたわ。一応、貴族って事になるのかしらね。

 父と母、それに妹が二人。私が一番上のお姉さんね。

 両親は至って普通のエルフだったわ。妹二人もね。けれど私だけが皆と違って、肌の色が黒かったの。

 そんな私を家族はしっかりと愛してくれた。だから私も肌の色は気にしない事にしたわ。

 けれどそんな私の覚悟は無意味だと言わんばかりに、日に日に私への悪い噂が国中に広まっていったわ。

「あいつの黒い肌は呪われている証拠だ」とかね。根も葉もない噂だったけれど、私達がどれだけ否定しようとも噂が消える事は無かった。むしろ「強大な魔力を得る代償に、呪いをその身に宿した」という新しい噂も追加されたわ。

 私が国内でも類を見ない程の強大な魔力を持っていたのも、噂に拍車はくしゃを掛ける結果になってしまったわね。

 噂を流している者の正体は分かっているの。父とライバル関係にある有力貴族だ。我が家の評判を落とし、父から役職を奪おう……と、そんな魂胆が透けて見えたわ。

 だから私は自分が呪われていないという証拠を探す為、国中の蔵書を読み漁ったの。しかしどの文献を探しても私の肌が黒い理由は判明しなかった。

 そして遂には「あいつは父親の「種」が違う」という、母の不貞を疑う噂まで広まり出したわ。これも勿論、根も葉もない噂よ。でも私はもう限界だった。

 これ以上家族に迷惑をかけたくない。そう思い家族に別れを告げ、国を出て誰も住んでいない森の奥深くで暮らす事にしたの。

 そこでも私の肌の色について調べ続けた。けれど何一つ手掛かりを見つけられないまま、何年も過ぎてしまったわ。

 そして……いつしか私は調べる事を止めてしまった。もう疲れてしまったの、だから全てを諦め「私は呪われている」といのを受け入れてしまったの……。

 私が国を離れてしばらく経った後に、私が『深淵しんえんの魔女』と呼ばれているというのを知ったわ。周囲に災いをもたらす呪われた漆黒の魔女……ってね。全てがどうでも良くなっていた私には関係ない事だと無視していたけれどね。

 それからは、ただ死なない為に生きている様な状態だったわ。その日も家の庭でぼーっとしていた所に、光り輝く扉が合わられたの。

 見た事の無い魔法に興奮して思わず扉を開けてしまったけれど、あの時の判断は間違ってはいなかったわね。念願だった私の肌の謎が解決したし、素敵な旦那様にも出会えたし、そして「新しい家族」が沢山増えたしね。

「これでおねぇさんの話はお終いよぉ。どうだったかしらぁ?」

 話を聞いていた皆は、暗い顔をして黙ってしまっているわね。これは良くない雰囲気だわ。

「この世界に来て、おねぇさん以外の肌の黒いエルフも稀にだけど見かける事も出来たしねぇ。今はこの黒い肌の事を少しだけど好きになれたわぁ。旦那君も「素敵で魅力的な肌だ」って褒めてくれるしねぇ」


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