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自宅の隣に新たな建物を造りましょう

 続けて訪れたのは王城だ。ある物を造ってもらう為、ガントンに会いに来たのだ。

「おう! レオンの兄ちゃんじゃねぇか、何か作って欲しい物があるのか?」

 大きな声で部屋の奥からガントンが現れた。俺の顔を見るなり物造りの話とはね。まあその通りなので何も言えんか。

「ええ。ガントンさんにお願いしたくて伺いました。少々大規模ですが、大丈夫ですか?」

 俺は朝の内に書いておいた見取り図をガントンに手渡した。

「こいつぁ……家の中に「池」を造るのか?」

「まあ、それに近い物ですね。これで何時でも泳げるようになるわけですね」

 今の家よりも少し広い土地に大きなプールを施工してもらう計画だ。しかも屋内仕様だ。

「いつでも泳ぐねぇ……不思議な事を思い付く兄ちゃんだ。まあ面白そうだし喜んで造らせてもらうぞ」

「お願いします。家に隣接した土地は抑えてありますので」

 そう、この室内プール建設の為に土地を収得したのだ。全ては妻達の水着姿を拝む為! その為に、俺の持つ全ての力を使わせてもらったよ。

「じゃあ早速明日から工事を始めるぜ」

「宜しくお願いします」

 これで良し、と。これで本日の目的は残す所あと一つ。それは、

「これから皆で王都を練り歩くぞ」

 最後の目的は王都中を歩く事。これの意味する所は、

「……何だか視線を感じますわね」

 プリムラがそう言いながら辺りを見回している。

「そうですね。周りの人々が私達の事を見ているようです」

 ローリエが周囲を警戒しながらそう答える。

「そう警戒する事は無い。町の人は珍しい服を着ている皆を見ているだけさ」

 これこそが俺の狙いだ。

 珍しい服を目撃する。

 ↓

 その服の話が広まる。

 ↓

 その服が欲しいと思う人が現れる。

 ↓

 それを受け、服屋が次々と服を作って売り出す。

 ↓

 手軽に服を買う事が出来る。

 ↓

 オシャレをする人が増えていく。

 この一連の流れが起きる事を期待しての行動だ。ファッションを楽しむ人増やすのが一番の目的さ。服を「体を守る為の道具」から脱却させるのだ。

 そうして目立つ様に町を歩いていると、時折女性に声を掛けられる。その人たちは決まって「その服はどこで手に入るの?」と質問してくる。

「これは「服屋ユニス」に作ってもらいました」

 笑顔でそう伝えると、女性達は礼を告げて足早に去っていく。恐らくユニスさんの店に行ったのだろうな。

 声を掛けてくる女性には共通する特徴がある。それはある程度裕福な暮らしをしているという事だ。その根拠は、アクセサリーを着けていたり多少凝った意匠の服を着ていたりするからだな。

 今はそれでいい、いずれは……。

 その後も何度か声を掛けられながら町を歩いていると、以前教えてもらったジャックの店の近くにやって来た。良い機会だし寄って行こうか。

 ジャックの店に着いたが、想像より小規模な店舗だな。もっと大きな店を想像していたが……。

 中に入ると店のスタッフが出迎えてくれた。そのスタッフにジャックの知り合いだと告げると、ジャックを呼びに店の奥へと走って行った。

「これはレオン殿。ようこそ私の店へ」

 俺はジャックに近くに来たので寄ってみた旨を伝え、ついでにマーフォークの皮が無いか尋ねる。

「勿論ありますよ」

 あったらいいな、その程度の期待値で質問したのだが、ジャックはしれっと目的のブツを出してきた。やはり貰った物が全部では無かったか。油断出来ん男だよ。

 ジャックと色々と話をして、彼の店が大きい店ではない理由が明らかになった。それはジャックが大容量のアイテムボックス持ちだからに他ない。店に全ての商品を陳列必要が無いからな。売れ筋とか目玉商品を置くだけで事足りる。

 その後は妻達の服装の話題に移った。

「随分と珍しい意匠の服をお召しですね。素晴らしい、店の中が華やかになりますよ」

 褒められて喜ばない女性はいないだろう。褒められていい気分になったのか、妻達は店の品を次々と買い込んでいった。まあ、買っているのは食材が主だから無駄にはならんだろう。

 それとジャックのあの目。あれは何か商売の種を発見した時の目だ。俺には分かる。ふふふ、良い目の付け所だ。近い内に貴方の力を借りる時が来るさ。それを待っていてくれ。

 ジャックの店を出て、服の宣伝――もとい王都散策を続ける。昼食は王都の屋台で買い食いと洒落込んだ。意外と言っては失礼かもしれないが、味は思った以上に良かったよ。

 十分宣伝出来たと判断し我が家に帰還する事にしたが、日暮れまではまだ少し時間があった。そこで久しぶりに「ダッシュバード」の肉が食べたいという話になり、丁度いい機会だと討伐に出かける事になった。

「ごめんなさいねぇ」

 以前の様にソニアの方に逃げるように誘導し、ソニアがその進路に石壁を出現させ壁にぶつける。それによって気絶したダッシュバードを各自仕留めていく。この方法で二十羽近いダッシュバードを討ち取った。これは夕飯が楽しみだな。

 久々という程時間は過ぎていないが、買い取り所でバルガスに再開した。

「おう! レオンの坊主じゃねぇか。今日はどうした?……にしてもまた嫁さんが増えたのか? モテるねぇこの色男!」

 そう言うとバルガスは俺の背中をバンッと叩いた。バルガスは相も変わらず豪快だな。

「ダッシュバードを狩って来たので解体をお願いします」

 俺がそう言うや否や買い取り所はお祭り騒ぎになった。どれだけダッシュバードの肉に飢えているんだか。

「あん? 夕飯にこの肉を使いたいだと? よっしゃ! 任せろや」

 俺達の目の前でダッシュバードがあっという間に解体されていく。顔に似合わず繊細な包丁捌きだ。いや、顔は関係ないか。

「よしっ、一丁上がりだ。そら、持って行きな」

 解体された肉を受け取り、家路についた。ちなみに今回は五羽のダッシュバードをギルドに卸す事にした。良い臨時収入になったよ。

 夕飯の準備に取り掛かろうとするマリーに声を掛け、俺も調理に加わる。

 ダッシュバードの肉をお好みの大きさに切り分け、塩と胡椒で味付けしフライパンでソテーにしていく。

 買っておいたパンを上下に切り分け、ソテーにした肉と野菜を挟んで市販のソースの様な物を掛ければ「なんちゃってチキンバーガー」の出来上がりだ。

「凄く美味しいです!」

「手掴みで食べるというのは面白いですわね」

「これなら何個でも食べられるさね」

「メチャウマだね~。あ~、こうなるとポテトとコーラも欲しいかな~」

 うむ。大変好評で作った甲斐があったというもの。あー桔梗? ポテトはその内作れるとは思う。だが流石にコーラは無理だぞ?

 楽しい夕飯を終え、次は当然風呂に入る。

「え~と、こんな感じでいいのかな~?」

 今日俺の体を洗ってくれるのはエリカだ。慣れない作業で戸惑っているのが微笑ましい。

「いいですよ、エリカ姉様。コツはゆっくりと、優しく、ですね」

 慣れないエリカを気遣い手伝いを申し出たのはアリスだ。当然、二人はその大きな胸で俺の体を洗っている。胸の感触が実に心地良いな。

 その後は直ぐに寝室へと向かった。風呂に入っている時からずっと我慢が出来なくなっているんだ。これも例のパワーアップの影響だろう。

「今夜はあーしが一番乗りだね♪ だーりんはゆっくりしてていいんだよ♪」

 そう言って桔梗が元気に俺の上に乗っかって来た。俺は慌てて桔梗を抱きとめた。

「こら、飛び込んだら危ないだろう?」

「はーい、気を付けまーす」

 この元気さが桔梗の良い所だからな。行き過ぎなければいいさ。

 桔梗が顔を近付けてきたので、優しくキスをして迎える。今日も情熱的な夜になりそうだ……。


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