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王女に続いて皇女もお嫁さんになりました

「わ~、とっても素敵なお家ね~」

 家の中に入るとエリカが歓喜の声を上げた。キョロキョロと辺りを見回し、あっちへフラフラ、こっちへフラフラと家中を歩き回っている。

「今日からここが君の家となる。何か気になった事があれば遠慮なく言ってくれ」

「ええ、そうするわ~」

 その後夕食をみんなで食べ、風呂へと向かったのだが、

「皆でお風呂に入るのね~? 素敵だわ~」

 夕飯の時からそうだが、エリカのテンションが終始高いのだ。そうなった原因はある程度は予測出来る。つい先日まで、皇女として国の為に自分の気持ちを律して来たのだろう。それが無くなり本来の彼女が解放された、といった所だろうな。元気いっぱいの可愛らしい彼女が元来の姿なのだ。

「エリカ姉様、お背中を洗ってあげますね♪」

「ありがとう~アリスちゃん。それじゃあお礼に、私もアリスちゃんの背中を洗ってあげるね~」

 本当の姉妹の様に仲睦まじい二人の姿を見て、微笑ましい光景に、俺も嬉しい気持ちにさせられたよ。やはり笑顔は周りの人間をも幸せにする。改めて思い知らされたな。

 夜も更けて、そろそろ就寝しようと、妻達と寝室へやって来た。今日の主役は勿論、エリカだ。彼女は今コルセットを着用している。皇女が身に着ける物だ、当然良い素材とデザインで作られているが、周りの妻達は当然ブラジャーとショーツを着用している。コルセットが悪いとか、似合って無いとかそういう事では無いのだが……何と言うか、違和感が拭えんな。これは早急に彼女の下着を作らねばと心に誓った。そんな事を考えながら俺は彼女を抱き抱え、ベッドへと横たえた。

「えへへ……いざとなると、緊張するね~」

 そう言ってエリカは笑みを浮かべるが、表情は硬く体が少し震えている。緊張を解すのも俺の務めだ。

「大丈夫だ。何も怖がる必要はないさ。俺を信じて、全てを任せてくれ」

 俺はエリカの頬に両手を添え、優しく唇を重ねた。

「ん……ちゅ……はい、貴方を、信じます」

 その言葉を聞き、俺は彼女のコルセットを脱がせ、ゆっくりと彼女の上に覆い被さった……。




「はぁはぁはぁ……すごかったわ~」

 情事が終わり、荒い息を吐き肌にはうっすらと汗が滲み出ているエリカがそう呟いた。

「しっかりと満足出来たみたいだな」

「ええ。満足も満足、大満足よ~。うふふ、これから毎日夜が楽しみだわ~」

 喜んでくれて何よりだ。それとだ、

「明日の夜を待つ必要はないだろうさ。直ぐに「次」が来ると思うぞ?」

「?」

「まあ、何を言っているのか分からないと思うが、そのうち慣れるだろう。これが我が家の日常だよ」

「お疲れ様でしたわエリカさん、少し休んでくださいな」

 頃合いを見計らって近付いて来たプリムラが、ベッドで仰向けになっていた俺の上に跨り、ゆっくりと腰を落としはじめた。長い夜の始まりだな……。




 おかしい……。そうはっきりと感じたのは、朝日が昇るには早すぎる真夜中の事だった。

 初めは妻達が俺の上で元気に腰を振っていたのだが、気付けば俺が妻達を組み敷き激しく腰を打ちつけていた。そして現在、エリカを含めた妻達がベッドの上にあられもない格好で気絶している。昨晩は何とか妻達の猛攻を乗り切った程の体たらくぶりだったのに……。

 一晩でこの変わりよう、俺の中に眠る真の力が解放されたのか? いや、そんな都合のよい「パワーアップ」など……ん? パワーアップ? まさかっ?

 おい、神よ。聞こえているのだろう? 説明してもらおうか。

(説明も何も、あの時説明した通りだよ?)

 説明通りだと?

(そうだよ。今後に備えて君の身体能力を向上させるって言ったじゃん、よ~く思い出してみなよ?)

 確か……今後の苛烈な戦いに備える……その為に身体能力を向上……今夜判明する……まさかっ?

 夜の生活の為に身体能力を強化したとでもいうのか?

(そうだよ? さっきからそう言ってるじゃん)

 何という事だ……俺はてっきり強大な魔物と戦う為にパワーアップするものだと……。

(それはキミの勘違いだね。それにキミは「報酬」の前払いとして「最高のお嫁さん」を所望したんだよ? この神たるボクが渡す報酬が、小さい理由で妥協したり中止したりするのは、『ボク』の沽券に関わるのさ)

 口調こそ普段通りのおちゃらけた感じだが、声色は真剣そのものだ。成程、それがお前の譲れないラインか。分かった、もう俺からはそれに関しては何も言わん。それで? 詳しい効果を聞いておこうか。

(そうだねぇ……『無尽蔵の精力と体力』って感じかな? 性行為限定のね)

 それは、幾らでも夫婦の営みを行えるという事か?

(うん。今までキミは『魔法』を使って色々と誤魔化していたみたいだけど、それだと魔力と体力がどんどん消耗していくからね。そこを改善しといたよ)

 道理で……。いつも感じている疲労感が皆無だったり、魔法を使わずに何度も出来たりしたのはその所為か。取り敢えず、礼を言っておく。

(うんうん。ボクとしてもその方が嬉しいよ)

 だが、それと俺の心の中を覗いている事とは別問題だぞ?

(あ、あれ? ここは素直にお礼を言って終わる場面では?)

 そんな訳ないだろうが。人の心の中を覗くような奴には、一つ説教してやらねば……。

(あっ、そ、そうだ。ボク急ぎの用事があるからもう帰るね? じゃあ、これからも頑張ってね~……)

 ちっ。逃げたか。いずれ必ず説教してやるからな、覚悟しておけ。そう覚悟を新たにし、俺は久方ぶりにゆっくりと眠りに就くのだった……。




 第一章『始まりの大地』       終幕


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