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上級ダンジョン攻略再開

『(……マスター。起きて下さい。朝です。)』

 ん……? 頭の中から声が聞こえる……ガーベラか?

『(はい。マスターに重要な報告が御座います。)』

 重要な報告?

『(はい。『異階種』討伐成功により「召喚権」を一回、付与致します。)』

 そいつは朗報だ。だが、それならば昨日のうちに報告しても良かったのでは?

『(昨日はお疲れのようでしたので。翌日の報告がよろしいかと判断しました。)』

 その配慮は有難いね。本当に君は有能だよ。

『(ありがとうございます。また何かありましたら、ご連絡を致します。)』

 それを最後にガーベラの声は聞こえなくなった。ふむ、召喚権か……。これは温存しておこう。今は全体のバランスも良いし、このまま行くのがベストな気がするな。

 召喚権については追々考えるとして……取り敢えず、起きようか。そして周りの惨状をどうにかしてから、今日の予定を決めるとしよう。




 朝食を取りながら、今日の予定を話し合う。

「今回の探索で野宿の訓練をしようと思うが、どうだろう?」

 恐らくだが、近日中に王宮から何かしらのアクションがあると予想している。それに合わせて帝国に向かおうと思っているので、それまでに色々と準備を済ませておきたい。

「しっかりと準備をすれば問題無いかと」

 マリーの言葉に全員が頷く。反対意見は無いみたいだな。

 準備と言っても精々保存食と毛布くらいか。

 早速、王都へ向かい買い物を済ませた後、ダンジョンへと向かった。

 ギルドにてダンジョンへ入る手続きをするついでに、ダンジョン内で一晩過ごす旨を伝えた。「あんな事」があった後だしな、念の為だ。それと調査の結果『異階種』は見当たらなかった、との事。だが念の為、注意しろと言われた。昨日の今日だしな、忠告には素直に従っておこう。




 ワープで十一層へ到着した。ここに来るのは二度目だな。一度目は殆んど何もせずに駆け抜けてしまったからな、今回はじっくりと攻略していこう。

 改めてこの「密林エリア」の特徴と説明しておこう。

 その名の通り、このエリアは木々に覆われている為に、視界不良い陥り易い点だ。そして見えにくい森の中から魔物が襲い掛かって来る……というのがこの密林エリアのコンセプトだ。しかしその反面、罠の脅威はそれほどでもなく、落とし穴が精々といった所だな。なので、このエリアを狩場とする冒険者が多いのだとか。

「だーりん、魔物の気配がするよ。しかも数が多いね」

 桔梗の声に反応し、全員が警戒態勢を取る。

「「「ウキーっ!」」」

 現れたのは長い尻尾、異常に筋肉質な脚を持つサル型の魔物「ホッピングモンキー」の群れだ。数は優に十匹以上はいるな。発達した「脚」で自由自在に飛び回り、頭上から強烈な蹴りを御見舞いしてくる厄介な魔物だ。

「上から来ると分かれば、どうとでもなりますね!」

「正面から切り伏せて差し上げますわっ!」

「……数が多い……だけ……」

 だが、その程度では今の嫁達の脅威にはならない。次々とホッピングモンキーを倒し、あっという間に全滅させた。

 一息ついて、再び森を進んで行くと、巨大で鋭利な角、大きな体躯を持つ鹿型の魔物「ソニックディア―」が待ち構えていた。こいつの最大の特徴は「魔法」を使い自身の脚力を強化し、物凄い勢いで突進してくる事だ。油断すればその巨大な角で串刺しになる。

「その程度では、私の盾は突破出来ません!」

「動きを止めちゃダメよぉ~?」

「流石、ローリエですね」

 ローリエが正面から突進を受け止め、動きが止まった所にソニアとアリスが魔法を撃ちこみ、沈黙させた。

 その勢いのまま二十層の「ボス」と対峙する。

 ここのボス魔物は、身の丈3メートル以上、体を分厚い毛皮で覆い鋭く長い爪。熊型の魔物「ギガントベアー」だ。その毛皮は刃物を通さない程の堅牢さ、更に魔法攻撃にも耐性を持ち、その爪は鋼の鎧を容易く切り裂く。ボスの名に恥じぬ魔物だ。

 ……と、散々持ち上げておいて申し訳ないが、相手が悪すぎたな。

「多少なりとも活躍しないとな」

「ダーリンとの共同作業だね♪」

 俺と桔梗が素早い動きでギガントベアーを攻撃する。

「グルァァァァッ!」

 ダメージは大して与えられていないが、奴はうっとおしそうに両腕を振り回す。見事にヘイトがこちらに向いているな。

「隙だらけさねっ! 喰らいなっ『隕石激突コメットデストラクション』‼」

 俺達が敵の注意を引き付けている間に、頭上高く飛び上がったセフィラが必殺の一撃を繰り出した! ギガントベアーは断末魔の叫びを上げる間も無く絶命した。二度目になるが相手が悪かったな、本当に。

 ボス撃破後、直ぐに二十一層へと足を踏み入れた。転送した場所は石造りの壁に覆われた大きめな部屋だった。ここは安全地帯となっているそうだ。ここで休憩をしろと暗に示しているのだろう。

 休憩を取り部屋の外へ出ると、汗ばむ様な熱気、辺り一面にゴツゴツとした岩が見え、ぐつぐつと煮えたぎる溶岩の川が至る所に流れている。そうここは「火山地帯」だ。足場が不安定、熱気で体力を削られる、更に魔物の奇襲にも気を付けなければならず、このダンジョンの難所の一つに数えられている。

「だが、俺達なら幾らでも対策を打ち出せる。ソニア、冷気の魔法を頼む」

「はぁい。「アレ」をやるのねぇ」

 以前にも使った、冷気の魔法で周囲を冷やし、風のドームを作って冷気を内部に閉じ込める魔法「エアーコンディショナー」いや、分かり易く「エアコン」と名付けるか。

 罠や索敵も、桔梗がメインを務めマリーがサブを担う事で奇襲を受ける確率は相当数減るだろう……うん、特に問題は無いな。

「エアコン」の魔法で快適な探索を満喫していると、

「何かの気配がするけど、姿が見えないよ。みんな気を付けて」

 桔梗が足を止めてそう忠告する。ふむ、気配はするが姿が見えない……となれば答えは、

「溶岩の中に潜伏している筈だ。注意しろ!」

 俺の言葉と同時に溶岩の中から何者かが飛び出して来た!

 大きく平たい体躯、短めの手足、背中から尻尾にかけて堅牢そうな鱗がびっしりと生えている。ワニ型の魔物「ラヴァアリゲーター」だ。それが三頭現れた。

「⁉ 旦那様! 前方から別の魔物が!」

 マリーの指摘を受け前方に目をやると、真っ赤な色をしたゲル状の生物が見えた。あれは「ヒートスライム」だな。

「スライム」と言えば、RPGゲーム等でよく見る最弱でお馴染みの魔物だが、この世界では強敵の部類に入る魔物だ。剣による斬撃やハンマー等の打撃による攻撃が効きづらく、魔法で攻撃しなければ碌にダメージを与えられない。

 それに加え「ヒートスライム」はその名の通、その体は高熱を帯びていて、肌に触れればたちまち大火傷を負ってしまう。総じて危険な種族なのだ。それが五匹も現れるとは。多少面倒だが、

「俺とリラとアリス、それとソニアでスライムを相手する。マリー、プリムラ、ローリエ、セフィラ、桔梗でワニの相手を頼む」

「「「はいっ!」」」


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