ダンジョン攻略・二日目
起床して身嗜みを整える。髪の毛が長い嫁達が多いので、嫁達が皆で協力し、お互いの髪をセットしている。俺はその様子を眺めるのが好きだ。女性が『華』と例えられる理由が理解出来る情景だな。写真に収める事が出来ぬの現状を心底悔しく思うよ。
その後、朝食を食べて宿を後にする。
「またのご利用をお待ちしております」
わざわざ支配人が出口まで見送りに来た。満面の笑みでな。まあ、俺達は「上客」だろうしな。むしろ俺達意外に誰か利用している客がいるのか? いや、要らぬ心配だったな。
すぐさまダンジョンへ向かおうと思ったが、ふと例の服屋の事を思い出し、服屋へ向かう事にした。
「いらっしゃいませ……レオン様! 注文の品はもう仕上がってますよ!」
俺の顔を見て服屋の店長ユニスが小走りに駆け寄って来たが……大丈夫か? 目の下のクマが凄い事になっているが。
「あのぅ……大丈夫ですか? 顔色が悪い様に見えますが……」
「レオン様からアイデアを頂き、徹夜で試作品を作っていたのです。創作欲が高まってしまって手が止まらなかったのですよ」
そう言って店長は満足げな笑顔で笑っていた。前回もそうだったが、職人気質というか何というか……。
「それでは御三方はこちらへ」
そう言ってソニアとアリス、ローリエの三人は奥の部屋へと連れられていった。
三人が着替え終わるまでの間、更なる注文を店長にお願いしてみるか。
「ところでユニス店長。水を弾く素材で服は作れますか?」
「水を弾く……水生の魔物で「マーフォーク」というのがいます。その皮が水を弾く性質がありますね。ただ、この辺りには生息しておらず数が出回ってない為、手に入れるのが困難です。ですので今店には在庫が無くその素材で制作する事が出来ません。誠に申し訳ありません」
「いえ、こちらこそ急な話で、申し訳ありませんでした」
となれば、俺達が自分で調達してくるのが早いか? 今度賢者殿に会う時に相談してみるかな。
「お待たせしました」
しばらく店長と雑談しているとアリス達が着替えから戻って来た。
店内にいた店長を含む従業員(勿論、全員女性だぞ)から感嘆の声が漏れだした。
「似合いますか?」「少し……恥ずかしいです……」
アリスとローリエは、お揃いのデザインのベビードール姿だった。色はピンク、レースとメッシュをふんだんにあしらうデザインだ。ショーツも同じデザインで上も下も色々な所が透けて見えそうになっている。可愛さとセクシーさを両立させた最高の一品だな。
「どうかしらぁ? おねぇさんの下着姿は」
ソニアの下着も二人と同じベビードールだが、色は褐色の肌に映える様に白で統一され、総面積の九割はシースルーでギリギリ大事な所が隠れているだけの、セクシーさとエロスに全振りしたデザインとなっている。我ながら何て恐ろしいデザインをしてしまったんだ。それを着こなすソニアも恐ろしいのだが……。
「ああ。三人とも最高に似合っているよ」
俺がそう言うと三人ははにかんだ笑みを見せ、喜びを露わにした。これで夫婦の営みが益々捗るな。
突然だが、ここで嫁達のスタイルについて語っておこう。
先ずは身長。高い順に、ソニア、ローリエ、マリー、プリムラ、アリス、リラの順だ。
次はバストサイズ。大きい順に、ソニア、リラ、ローリエ、プリムラ、マリー、アリスの順だ。
最初にリラを見た時に驚いたのはこれが理由だ。その身長に対してのバストサイズ……驚くなという方が難しい。以上、これにて戯言は終わりとする。
店長に代金を渡し次も宜しくと伝え、店を出る。
「他に王都での用事は無かったな? では、ダンジョン街に向かうとしよう」
人気のない場所に移動し、ソニアの転移魔法でダンジョン街へと移動した。
ダンジョン街から少し離れた位置に転移して、そこから歩いてギルド出張所まで向かっていく。必要ないとは思うが、転移魔法を誤魔化す為の欺瞞工作だ。
出張所の中に入り、ダンジョンに入る手続きを済ませる。勿論、例の爆乳受付嬢に頼みましたよ? 当然じゃないですか。手続きを終え、ダンジョンに向かおうとしたその時、
「……今回は地下三十階より深く潜る予定でしょうか?」
という質問を受付嬢から投げかけられた。ふむ、昨日に続き不思議な質問をするものだな。何か訳ありか?
「はい。そのつもりですが……何か私達に頼み事でもおありですか? 私達に出来る範囲の事なら承りますよ」
俺が単刀直入に言うと、彼女は目を見開き驚きを露わにしたが、すぐさま表情を引き締め俺の目を真っ直ぐに見つめ、口を開き始めた。
「わたしを……皆様と共にダンジョンへ同行させてはもらえないでしょうか?」
これは……予想外の言葉だったな。
「同行ですか……詳しい話をお聞きしても?」
「はい。わたしの名前はオリーブと申します。わたしは仲間を探したいのです……地下三十階より下へ向かった仲間を……」
仲間の探索か……しかし彼女の口振りから察するに……。
「わたし達は五人パーティでした。地下三十階のスチールゴーレムを倒す事に成功したわたし達ですが、その時の戦闘でわたしが大怪我を負ってしまったのです。持っていた回復薬では完治させるのが難しいと判断し、ここで探索を打ち切り地上に戻る意見と、わたしだけが地上に戻り他の四人で探索を続ける意見とで対立が起きました。最終的には探索を続ける方向で意見が統一されました。他のメンバーが健在だった事、回復薬自体は豊富にあった事等、様々な意見を踏まえてその様な決定となりました。それにわたし達は全員ランクCに上がったばかりで調子に乗っていたのだと思います」
そこで一息入れるオリーブ。彼女の瞳には後悔の色が見て取れた。
「わたしは回復薬で傷を癒し、地上に戻る事になりました。そして本格的に治療して万全の状態で皆の帰還を待ちました。ですが……一日待って、二日待って、三日待って……待てども待てども仲間が帰って来る事はありませんでした。捜索願も出しましたが、ここには地下三十階まで到達出来る冒険者パーティは当時一組もいませんでした」
この話を聞いていた嫁達の顔が暗くなっていく。オリーブは唇を噛みしめながら話を続けていく。
「それからギルドの好意で、ここで働きながら地下三十階まで到達出来る冒険者を待ちました。そしてようやくお目当ての冒険者が現れました……そう、レオンさん達の事です……半年待ちました、この機会を逃せば次は何時になるかわかりません。そう思ったら居ても立っても居られなくなり、声を掛けてしまいました」
成程ね。昨日からの質問はこの為か。
「迷惑だという事は重々承知しています。どうかわたしを連れて行って下さいっ! 仲間はもう既に死んでいるでしょう……ですが、僅かな痕跡でもいいので見つけたいのですっ! そうしなければ、わたしは『ここ』から一歩も前に進めないでしょう。どうかお願いしますっ!」
オリーブは大きな声でそう懇願し、頭を深く下げた。彼女の魂からの叫びだったのだろう、俺の心の奥深くにまで響いて来た。
俺の答えは決まっていたが、念の為嫁達の方を向く。全員凛々しい顔つきで大きく頷いていた。
「わかりました。オリーブさん、その「依頼」私達で請け負います」
「あ、ありがとうございますっ! 少し待っていてくれますか? 直ぐに支度をしてきますので!」
律儀にもう一度頭を下げて、奥の部屋へと向かって行った。近くに居た他の職員に「後は頼みます!」と言伝をして。
ダンジョン攻略二日目……その前に、新しく「嫁」になったソニア、アリス、ローリエの三人に下着のプレゼントを渡す回です。
「この話必要あるのか?」そう思ったそこの方! 私は声を大にして言いたい……絶対に必要であると。
私は特にヒロインの容姿・服装を細かく描写するのが重要だと考えています。読者の方々が頭の中でその姿を想像しやすいようにですね。
「キャラゲー」ならぬ「キャラ小説」だと思って読んで頂ければ幸いと存じます。




