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嫁(婚約者)が増えたら、当然ヤル事がありますよね?

 体を洗い終わり、全員で巨大浴槽に浸かる。ゆったりとした広さがあるので、各々様々な姿勢でお湯に浸かり、風呂を満喫していた――約二名を除いて。

「……白くて……ねばねばしていて……」

「うぅ……凄い匂い……頭がクラクラします……」

 あまりにも衝撃的な体験をしてしまって、アリス姫とローリエは放心状態になってしまったようだ。浴槽の端の方で体育座りをして、何やらぶつぶつと呟いていた。まあ、しばらくすれば元に戻るだろう。

「しかし、君にしては無茶をしたな。マリー」

「そうですね。しかし、この後の事を思えば、ここで()()を行う事で、()()をスムーズに迎える事が出来るでしょう」

「この後の儀式を良き思い出にすれば良いだけですわ。一生に一度の経験なのですから」

 湯船に浸かる俺の左右に侍っているマリーとプリムラ、非常に前向きな意見をありがとう。だが、二人とは「婚約」という話だったはずだ、立場上婚前交渉はマズいと思うのだがね……まあ、今更の話か。早いか遅いかの違いしかないしな。深く考えるのは止めだ。

 ちなみにリラは仰向けで湯船の中を浮かぶ様に泳いでいる。まあこれ位ならば許そうではないか。何故ならリラの大きく実った二つの果実が水面の上に突き出しているからな、俺も見ていて嬉しいしね。

 ソニアは、お湯を垂れ流している例の装置が気になっているようだ。近くで観察をしているよ。

 皆、自由だな。しかし我が家はこうでなくては。何物にも縛られず、自由に人生を謳歌する……我が家の『家訓』としようかな。

「それにしても、お風呂という物は素晴らしいですね。疲れが流れ出る様な感じがします……」

 どうやらマリーは風呂の偉大さに気が付いたようだな。良きかな良きかな。

「今度新築する我が家にも、風呂を設置する予定だ。何時でも好きな時に入れるぞ、流石にここまで広くはないがな」

 とは言っても、それなりの広さで要望を出すつもりだ。そこは譲れない俺のこだわりだな。

「素晴らしいですわ、何と贅沢な事でしょう」

 ふっふっふ……まだまだこれからだぞ? 嫁さん達と何不自由なく暮らすのが目標だからな。色々と画策しているさ、今回の家の建設は序章にすぎないのだ。

「さあ、そろそろ上がろうか」

 長湯し過ぎは良くない、ということで全員に声をかけ風呂場から退出して行く。アリス姫とローリエが復活するのを待っていたら全員のぼせてしまいそうだったのでな。強制的に復活してもらったよ。

 脱衣所でしっかりと体を拭き、部屋着に着替える。この部屋着も町で買ったTシャツ・短パンという恰好なので、これも改善点の一つだな。嫁達の為は勿論、俺も目で楽しみたいからな。

 さて、それじゃあ部屋に戻る前に、アリス姫とローリエに伝えなければ。

「しっかりと準備をしてから、後程我らの部屋にお越し下さい」

 俺の言葉の意味は理解出来たようだ、二人共顔を真っ赤に染めて小さく頷いた。二人が来るまで部屋でのんびりとしようか。

 とは言え、無為な時間を過ごすのももったいないので、ソニアに聞きたい事があったのを思い出したので質問してみた。

「ソニアは『転移魔法』を使う事が出来るのか?」

「ええ、勿論使えるわよぉ」

 さも当たり前の様に答えた。ふむ、それなら色々と疑問点に応えてくれそうだな。

「転移魔法の原理はどの様になっているんだ?」

「そうねぇ……魔力で『穴』を作ってそこを通る感じかしらぁ?」

 これは俺の予想通りだな。他はどうかな?

「ソニアはどの位の距離と人数を転移させられる?」

「ん~……大きな大陸の端から端まで行けるわよぉ? 人数はあまり関係ないのよねぇ」

「それはどういう意味だ?」

「人数が増えたら大きな『穴』を開けるだけだからぁ、そんなに消費魔力に違いがないのよねぇ。流石に千人単位で転移させろって言われたらぁ、困るけどねぇ」

 成程な、これなら俺にも使えそうだ。さて、次はリラにダンジョンについて来てみよう。

「この周辺にはダンジョンが幾つあるんだ?」

「三つある……初級、中級、上級が……一か所ずつ……」

「ふむ、この等級はどうやって決まっている?」

「ギルド本部と……国が決めてる……おおよその難易度だから……初級でも……油断は禁物……」

 それはそうだ、たとえ初級だろうと油断すれば命を落とすだろう。探索の際には気を引き締めて挑まなければな。

「俺達はどのダンジョンに行くのがいいと思う?」

「……私達なら……上級でも行けると思う……でも、初めてだから……中級がいいかも……」

 うむ、それがいいだろう。なにせアリス姫とローリエという不確定要素があるからな。安全を重視して中級を攻めるのがベストだな。

「ふむ、他に何か懸念点がある者はいないか?」

 その問いに答える者はいなかった。特に無しか……後は現地で確認すればいいか。




 嫁達が談笑しているのを楽しく眺めていたら、コンコン……と扉がノックされた。すかさずマリーが応対に向かう。

 マリーが来訪者を部屋に招き入れた。来訪者は勿論アリス姫とローリエだ。二人はお揃いのナイトガウンを着用していた。

 顔を赤らめ、俯いたまま入り口で立ち尽くす二人に近付く。すると二人から嗅いだ事の無い良い匂いが漂ってきた。香水だろうか、いつまでも嗅いでいたくなる匂いだ。

「ようこそ。さあ、こちらへ……」

 二人の肩を抱き、ベッドの上へと導く。こういう時は俺がきっちりとリードし、彼女達の不安を取り除かなければ。

「二人共、覚悟は良いか?」

 俺がそう問いかけると、二人は先程までの恥じらった顔を引っ込め真剣な表情で頷いた。

「先ずは……アリス姫からだ」

 こういう場合の順番は地位の高い者を優先するのが無難だろう。そう思い俺はアリス姫から先にすると決めた。唇にそっと口付けをして、ガウンの紐をほどいた。

「……んっ」

 ガウンの下からは、見事なプロポーションの裸体が出現した。何とアリス姫は下着を身に着けていなかった。それが彼女の覚悟の表れだと俺は受け取った。恐らくローリエも同じだろう。

「大丈夫ですよ、アリス姫。全て私にお任せ下さい」

「……それでしたら、私の事は『アリス』とお呼び下さい。かしこまった言葉遣いも不要ですよ。今日この時より、私はレオン様の妻になるのですから」

 そう力強く宣言するアリス姫……いや、アリスか。恐怖や不安もあるだろうに、その胆力には脱帽するしかないな。だが少し待って欲しい。

「先程の話では「婚約」という事だったと、記憶しているのですが?」

「あら? それはレオン様から「婚約」を破棄する可能性があると?」

「いや……断る理由は無いが……」

「でしたら何も問題ありませんね。私が肌を許すのは『夫』となる殿方、唯一人――レオン様だけです。もし肌を重ねた後に婚約が破棄された時は、生涯独り身で過ごす覚悟です」

 凄まじい覚悟と決意だ。その辺りはしっかりと「王族」だな。まあ、その様な事になった時は、俺があの親馬鹿国王に殺されるだろうよ。

「貴女の覚悟は伝わった、最早何も言うまい……いくぞ? アリス」

「はい、きてください……私を、レオン様のモノに、して下さい」

 両手を大きく広げ、俺を迎え入れる体勢を取る。俺はゆっくりとアリスに覆いかぶさった……。




 目の前には、俺と共に荒い息を吐き、全身を弛緩させているアリスの姿があった。俺は大きく深呼吸して息を整える。

「体は大丈夫か?」

「はぁはぁはぁ……はい、問題ありません……とても……素敵な体験でした……」

 しっかりと受け答え出来ているし大丈夫そうだな。

「これから毎日体験出来るぞ?」

「これを毎日ですか? ふふふ、毎日されたら私はどうなってしまうのでしょうか?」

 これから訪れる未来に思いを馳せ楽しそうに笑っていた、アリスは大丈夫そうだな。問題は……。

「……」

 俺とアリスが体を重ねる様子を間近で目撃してしまった事により、完全にフリーズしてしまったローリエだな。瞳から光が消え、呼吸すら止まっている様に見えるぞ。さてどうしたものかと思っていた所で、上体だけ体を起こし、アリスがローリエの手を握った。

「大丈夫よ、ローリエ」

「……アリス姫様」

 ローリエの手をしっかりと握り、聖母の様な優しい微笑みで語りかけると、ローリエの瞳に光が戻りゆっくりと再起動を始めた。

「私ね……今、とても幸せなの。レオン様に愛して頂いて、こんなにも幸せな事がこの世にはあるのだと、初めて知ったわ。だからね、私はローリエにも同じ幸せを感じて欲しいの。一番の親友である貴女に。大丈夫、レオン様を信じて……」

「……はいっ!」

 アリスに声を掛けられて、完全に正気を取り戻したようだ。ローリエが決意に満ちた表情で俺に向き直った。

「……申し訳ありませんでした。驚きと戸惑いで我を忘れてしまいましたが、もう大丈夫です」

 この二人の絆は本当に素晴らしいな。軽く声を掛けただけで正気に戻させるのだから。

「怖がることは何もないよ。俺を……そしてアリスを信じて全てを任せてくれ」

「はい……レオン殿に、全てをお任せします」

 ローリエの体を抱きしめ、その瑞々しい唇を奪っていく。

「んっ……ちゅ……はぁ……んむうぅんっ……」

 優しく、そして長く口付けを交わす。

 唇を離すと、ローリエは熱に浮かされた様にぼ~っとした表情を見せた。これなら……。

 俺はローリエのガウンの紐を解き、彼女の美しい裸体が白日の下に晒された。やはり下着は着けていないな。そして優しくベッドに横たえた。

「いくぞ?」

「……どうぞ、来てください……」

 そう言って、両手を大きく広げる……アリスと同じポーズだな、これは。

 俺は微笑ましい気持ちになりながら、ローリエの体を優しく抱きしめた……。


数話にわたってお送りしてきた「王宮編」とも言うべき物語ですが、これも全て新たな二人のヒロインの為のお話です。少々長くなりましたが、無事に書き終える事が出来て安堵していますね。

と言っても、もう少しだけ続きます。それが終われば次の舞台へと移動しますので、もう少々お付き合い下さい。

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