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国としての方針と戦力強化

 後日。約束通りに俺達は王宮へと向かった。付き添いはアリスとローリエとソニア。

「……成程ね。大体の話は分かった。俺達も同じ結論に至ったよ」

 ガルド王達も同じ意見だったか。

「だがよ……今の所、俺達が打てる手立てがねぇ。情けない話だがな」

「仕方ありません。周辺国ならまだしも、国交の無い国だった場合、及び遥か遠くの国だった場合はどうしようもありません」

 十中八九、遠く離れた国で活動しているだろう。調べた限り、この世界には大小合わせて五十以上の国がある。調べるのも時間が掛かるか。

「つってもよ、やらないわけにはいかねぇ。どんだけ時間が掛かろうと調べるしかねぇさ。早速周辺諸国と連携をとらねぇとな」

 時間が掛かるのはしょうがないな。年単位で考えておかないと。

 その後も話し合いが続き、褒賞を受け取って帰宅したのは昼過ぎになっていた。話の中で興味を惹かれたのが、シオンに関係する事だった。例の人助けの事だな。あの一件以降、王都でのシオンの人気が高まっているそうだ。ガルド王が「今度来る時は彼女も連れてこい」と宣っていたが、機会があれば……と曖昧な返事をしておいた。面倒事は勘弁して欲しいというのが正直な感想だ。無論、シオンがした事は自体は素晴らしく、表彰されるべき事案だがね。




 帰宅した俺は今、中庭で槍を振るっている。目の前には同じく槍を持ったヴェロニカ。組手に付き合ってもらっている。先日使用した「飛翔のブーツ」を使った三次元的な戦闘方法を確立させる為にね。

「くっ……?」

 ヴェロニカの周囲を素早く動き回り、突如上空へと駆け出す。そして彼女の頭上後方から槍を突き出す! 

 キンッ!

 俺が空中から放った鋭い突きで、ヴェロニカの持つ槍を弾き飛ばした。これで勝負あり。

「ふう……これは厄介ね。頭上であれだけ複雑に動かれたら的が絞れないわ」

「ああ。初見の相手には、非常に効果的だろう」

 後は俺がこの戦い方に慣れるだけだな。

「済まないが、もう少し付き合ってくれるか?」

「勿論よ。妾も体が火照って来て……このままでは収まりそうに無いわ」

 その後、二時間程全力で戦い続け、お互いに足元が覚束なくなった所で切り上げた。

「ふう……有意義な時間だったな。ありがとう」

「ふふふ、妾も楽しかったから気にしなくていいわ……それよりも体中汗まみれになってしまったわね」

 ふむ、確かに二時間以上も激しい運動をしていればそうもなるか。

「では風呂に入って汗を流すとしようか」

「いいわね。妾が背中を流してあげるわ♪」

 汗を流しリフレッシュする為に風呂に入ったのだが、追加で汗をかき疲労が追加されてしまったのは、ここだけの話にしておいてくれ。




 後日、家族全員が揃った朝食時に俺はかねてより考えていた事を口にする。

「新しい『嫁』を召喚しようと思う」

 話自体は何て事は無い。新しい家族を迎えようというものだ。先日戦った「キマイラ」や、これから戦うであろう強敵を考えると戦力の増強は急務と言える。問題は「召喚権」の入手が不確定な事だ。一体誰だ? この様な面倒なシステムにしたのは? ……俺でしたね、ハイ。

 皆からは特に反対意見も出なかったのでそのまま「召喚」を実行する。

 :年齢――若い、但し成人に限る

 :職業――不問

 :容姿――端麗

 :スタイル――抜群

 :その他、備考――戦闘技能、戦闘経験豊富な者

「……これで良し、と。ガーベラ、『神域』への転送を頼む」

『了解しました。これより『神域』へ転送を開始します。』

 毎度お馴染みの光り輝くエフェクトと共に、俺達は『神域』へと転移した。

「早速だが、召喚を開始するぞ……出でよ! 新たな『嫁』よ!」

 俺はノートパソコンに記された「召喚」ボタンをクリックする。

『検索中……検索中……ヒットしました。召喚を開始します。』

 ボタンを押してから十秒程で召喚が始まった。今回は特に複雑な条件を設けなかったからな、早い召喚となったな。

 これまたお馴染みになった光り輝く召喚エフェクトが収まると、そこには着物……かな? 和装に酷似した格好の女性が一人佇んでいた。

「ここは……何処でござるか? 酒の飲み過ぎで酔っぱらってしまったでござるかな?」

 身長は少し高めで、黒の髪を頭の後ろで無造作に束ねている――所謂『ポニーテール』と呼ばれる髪型だ。ただし、大分大雑把にだが。顔立ちは大人っぽいのだが、その髪型の所為か少々幼く見える。そして体のラインが分かりづらい和服の上からでもはっきりと分かる程の爆乳。これだけだと何処にでも居る町娘と思ってしまいそうになるが、彼女の腰にいだ『刀』を見れば、その考えが完全に間違っていると思い知らされるだろう。

 それにしても、彼女の刀だが……俺の知っている物よりも少し長い様な気がする。まあそれはいいか。

「突然の事で驚かれているでしょうが、先ずは私の話を聞いて下さい。私はレオンと申します。今は冒険者を生業にしています」

「これはご丁寧な挨拶を……拙者も名乗らねば不作法と言うものでござるな。拙者の名は『椿』と申します。高名な師匠の下で剣を振るう日々を送っております」

 そう言って彼女が深々と一礼をした。それを見て俺も一礼を返す。礼儀正しい娘だ。ローリエに似ていると感じる礼儀正しい娘のようだ。

「先ずは椅子に座ってお寛ぎ下さい。お茶を用意しましょう。一息ついた後に私の話を聞いて頂きたい」

 これまでと同じ様に、俺達の事情を彼女に説明する。お茶を用意したのは勿論マリーさ。

「……成程……あい分かった。微力ながら拙者も力になりましょう」

「随分と簡単に決めましたね」

「まあ、この提案は拙者にも「渡りに船」でしてな。それに拙者の様な刀を振る事しか出来ない女をめとってもらえるなら願ったりかなったりでござる」

 ごちゃごちゃと文句を言われるより遥かにマシなのだが……何故だろう、少し寂しさを感じてしまうな。

「それよりも、その世界には美味い酒はあるでござるかな?」

「酒ですか? 十分に美味だとは思いますが……取り敢えずこちらを試して下さい」

 そう言って俺は王都で買ったワイン(それなりの値段)とグラスを取り出し、グラスにワインを注ぎ彼女に差し出した。

「では遠慮なく……ほう! 少々酒精が足りませぬが、良い味と香りでどざるな!」

 彼女は満面の笑みでそう言い放つと、自分でグラスにワインを注ぎ、あっという間にボトル一本を空にしてしまったよ。まだ俺も飲んだ事ない高級ワインだったんだけどなぁ……。

「これだけ良い酒がある世界……実に楽しみでござるよ!」

 どうやらこれで交渉は終了だな。これを交渉と言って良いのかは賛否ありそうだがね。

「では、後は貴女の実力を確かめるだけですわね」

 俺がほっと胸を撫で下ろしていると、そう高らかに宣言して前に出て来る人影が。一体誰だ?

 ……うん。我が家の武闘派妻達でした。


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