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謎の男

      桔梗視点

 あーしは今、だーりんに言われて例の男を尾行中♪ 男は人混みを掻き分けてずんずんと進んで行く。何処に向かうのかな?

 暫く男の後ろを歩いていると、町外れにある大きなお屋敷に到着したよ。あそこが自宅かな?

 うん。何事も無く家の中に入っていったね。

 それじゃあ、あーしも入りますかねっと。もち、ふほーしんにゅーだよ♪

 と、思ったんだけど……ありゃりゃ? これは……魔法で厳重に施錠されてるね……それもかなり高度なヤツだ。う~ん……これは無理矢理解除すると警報が鳴るタイプかな? つーわけで、正面の入り口はパス。他に入れそうなところは……と。

 結論、これは無理だね。この家のセキュリティはあーしが元の世界で暮らしてたお屋敷よりも厳重だったよ。ま、これであの人が普通の人じゃ無いって事が分かったよ。普通の人はここまで厳重なセキュリティを用意しないからね。これはこれで良い情報が得られたね。よ~し、だーりんと合流しよ♪




      レオン視点

「ただいま、だーりん♪」

 雑談して時間を潰していた所に、桔梗が戻って来た。時間にすればニ十分程かな? そしてローカス卿についての報告を受ける。

「――ってな感じで、家の中には入れなかったよ。ゴメンね?」

「いや、良くやってくれた。桔梗のお陰で十分な情報を得られたよ」

 俺はそう言って桔梗の頭を優しく撫でる。すると桔梗は猫の様に目を細めた。うむ、喜んでくれたようで何よりだ。

 それにしても、そこまで厳重なセキュリティを高める理由が気になるな。

 何かを隠す為か? まあ、いずれにせよ要注意人物として頭の片隅に記憶しておこう。

「今日の所はこれ位で良いだろう。後はこの町を軽く観光してから帰るとしよう」

 という訳で、町中を見て回り、珍しい物や興味を惹かれた物を幾つか買い込み、夕暮れ前には自宅へと帰還した。ふふふ、面白い物を手に入れる事が出来た。これがあれば……。




 家に帰り夕飯までの時間をのんびりと過ごす。俺は夕飯の準備が始まる前に交易都市で買って来た品々で「ある物」の作成を開始する。

 材料は「塩」「卵黄」「酢」「食用油」だ。卵は「ロアーコッコ」という鶏に酷似した魔物の卵だ。比較的大人しい魔物のようで、家畜として飼育している人間がいるそうだ。酢と食用油も手に入れる事が出来たのはラッキーだったよ。酢は体に良い飲料として売られていたのを買った。食用油もドレッシングとして売られていたのを買ったよ。こういう予想外の品に出会う事が出来るのは交易都市の良い所だろう。後はあの人混みさえどうにかなれば言う事無いのだがね……。

 まずは塩と卵黄と酢を混ぜ合わせ、その後に油を入れながらクリーム状になるまで撹拌していく。そうして出来上がったのは「マヨネーズ」である。これがあれば料理の味が激変するぞ。

 早速、今日の夕飯の席でマヨネーズを使用する。と言っても生野菜と肉の上に掛けるだけだが、それでも反応は上々だったよ。

「この「まよねーず」という物は凄いですわね!」

「何と言うかぁ、凄く「濃い」味付けよねぇ」

「ああ。これなら幾らでも食べられるさね」

「あーしは「マヨラー」って訳じゃないけどさ、それでも美味しくて沢山掛けちゃうよ♪」

「あむあむ。この「まよねーず」を掛けると、いつもより多く食べられそうだよ」

 妻達には好評なようで何よりだよ。もう少し味を調えたらジャックの店に持って行こう。良い値段で売れるだろうさ。

 教会から帰って来たシオンも含めた全員で風呂に入り、日々の疲れを癒していく。そして寝室にて夫婦の営みを行う前に、交易都市で買った怪しい「御香」を焚く事にした。これを販売していた店主曰く、何でも夫婦の営みを盛り上げる効果があるそうだ。物は試しとその場のノリで買ってしまったが……まあ、人体に悪影響は無いとの事なので使う事にしたのだが、

「旦那様ぁ……」

「もっとぉ、ワタクシを愛して下さいませぇ……」

 効果は抜群だ……騙されたと思って使った「御香」だが、妻達は異常な程に俺を求め、腰を激しく動かしている。

 それは朝方まで続き、朝日が昇る頃にようやく収まった。お陰で全員その日は何もせずに休む事態となってしまった。疲労と腰の痛みの所為でな……。うむ、これは危険だ。今後迂闊に使わない様にアイテムボックスに封印しておこう。まあ、たまに使う分には問題無いかな? うん。


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