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次はどう動くか考える時間

『……スター。マスター。起きて下さい。』

 ……む? この声はガーベラか? 時間は……朝日が昇っているか。それにしても随分と早い時間だな。

『はい。お休みの所申し訳ありません。マスターにご報告があります。』

 報告?

『はい。『闘技大会』の優勝を確認しました。新たに「召喚権」を一回付与致します。』

 ふむ、それは朗報だな。しかしそれならば昨日の内に報告してもよかったのでは?

『はい。ですが昨日はマスターもお疲れのようでしたので。重要性は高いですが、緊急性は低いと考え後日に報告としました。』

 その配慮には何時も助けられているよ。ありがとう、ガーベラ。

『はい。それでは以上で報告を終わります。』

 それにしても新たな『召喚』か……。どうするべきか慎重に考えなければな。

 全員が起床しその後、朝食の席で今日の予定を確認する。

「今日はまずヴェロニカの服を取りに行く。その後王宮に赴き、ヴェロニカの父親宛ての手紙を国王に渡す。予定は以上の二つだ。なので、ソニアとヴェロニカは俺と一緒に王都へ行く事になる。それ以外の者は自由行動とする」

 服を受け取る張本人のヴェロニカと転移魔法の使い手であるソニアは必須だからな。

 その後の話し合いの結果、マリーとアリスは家で留守番をするそうだ。この機会にマリーから色々と家事について学ぶのだとか。それ以外のメンバーは庭で鍛錬を行い、その後この町のギルドに行き依頼をこなすようだ。

 と、その前に。気になった事があったので、それの確認を済ませてからにしようか。

「カトレア」

「ん? なぁに?」

「君の踊りについて、詳しく聞きたいのだが。問題無いかい?」

「うん。何でも聞いてよ」

 気になった事は、先日サンテキア王国防衛戦の際に見せたカトレアの踊りだ。

 彼女の踊りを見た俺は、体の中から溢れる様な力を感じた。どうやらそれは俺だけでは無く、周りに居た兵士や冒険者も同様だった模様。

 そこで俺は、彼女の踊りに何か特別な力があるのでは? と思った次第だ。

 それから俺はカトレアに幾つかの質問をした。そして幾つかの事実が判明した。

 彼女の踊り自体には特別な事は何もない事。彼女が在籍していた旅芸人の一座で、他の踊り子も普通に踊っている物だそうだ。

 後は実際に彼女の踊りを見て判断するだけだ。

「それじゃあ……踊るね♪」

 俺のリクエストに快く応じてくれたカトレアが踊りを披露してくれる事に。場所は中庭、勿論他の妻達も居るぞ。

「~~~♪」

 軽やかなステップを踏み、華麗に舞うカトレア。初めはゆったりと、そして徐々に動きが激しくなっていく。

 そこで俺の「眼」が彼女の異変を捉えた。

 動きが激しくなる度に、彼女の体内で「魔力」が急速に膨れ上がっていくのが視えた。そしてその魔力が彼女の踊りに合わせて周囲に放出されていく。

 その魔力を浴びると、昨日感じた「力が湧いて来る」感覚を再び感じる事が出来た。

 カトレアの踊りを見ながら、俺は隣に居るマリーに目配せをする。するとマリーは小さな頷きを返してきた。どうやら彼女も同じようだ。これで確定したかな?

 つまりだ、カトレアの「踊り」は「魔法」の一種だという事。さしずめ「踊り魔法」と言った所か……そのまんまだな。

「~~~♪……はい、これで終わりだよ。どうだった?」

「ああ、素晴らしい踊りだったよ。所でその「魔法」も一座で習ったのかな?」

「? 何の話?」

 俺の質問に対し、頭の上に「?」を浮かべるカトレア。どうやら彼女は、無意識であの魔法を使っているらしい。

 彼女の「踊りを見た者を元気にしたい」。その思いが魔力を通じで発現したのだろう……多分ね。

 今回の検証で、カトレアは素晴らしい才能と心根を持った女性だという事が分かったな。十分な収穫だったよ。

 それじゃあ改めて、王都に向かうとしますかね。





 王都にやって来た俺達。一番初めはユニスの店に行く事だ。店の中に入ると、直ぐにユニスが服を渡してくれた。

 それを持ってヴェロニカが店の裏へ行き、着替えを始めた。そして待つ事数分、

「思ったよりも締め付けが無いのね。どう? 似合っているかしら?」

 裏から出て来たヴェロニカ。ブラジャーとショーツを着けているのだが、彼女の意向を汲んで少々露出が多めになっている。それを踏まえた上での感想だが……うん、ギリギリで許容出来るかな? 本当の本当にギリギリだが大事な所も隠れているし……これも彼女の個性という事にしておこう。

 ユニスと軽く世間話をして、次の目的地である王城へ向かった。




「はあ? 魔王の側近の娘? なんでそんな大物とのコネがあんだよ?」

 ガルド王の疑問はごもっともだ。俺はその答えとして『闘技大会』での顛末を語ると共にヴェロニカを紹介した。

「かっかっかっ。お主の女好きが、こんな風に役に立つとはのう」

 ガルド王の隣にいる賢者殿が腹を抱えて爆笑している。不本意な評価だが、事実なので何も言えん。

「正直な話、お前さんの提案は助かるぜ。魔国との交渉が難航してたんだ」

 それはそうだろう。国交の少ない国からいきなり「お前の国の人間がうちの国で暴れてるんだけど? どうにかしろや」と言われて、まともに取り合う訳がない。難癖レベルの話だからな。だが、これにヴェロニカの話が加われば、状況は一変する。

 自国の有力者の娘が訴えてくるのだ。流石にこれは詳細に調べる必要が出て来る。

「これで少しは進展するでしょう」

「ああ。この手紙を使って一気に畳み掛けるぞ」

 手紙を渡し、王城を後にする。さて、この後どうするかな? そう思った俺は情報収集の為、王都ギルド本部へと足を運んだ。

 そこで興味深い話が聞けたのだ。ここ最近、魔石を買い占めている者がいるそうだ。それも等級の高い物ばかり。その所為で魔石の値段が高騰しているのだとか。

 どうやらこの王都から西方に位置する『交易都市』に多くの魔石が流れているらしい。交易都市では毎日『オークション』が開催されていて、そこで等級の高い魔石が競売に掛けられているそうだ。

 今はまだ影響が出ていないが、今後確実に影響が出るだろう。

 魔石は『魔道具』の製作に必須の物だ。性能の良い魔道具を作ろうとすれば、必然等級の高い魔石を必要とする。個人で創る人もいるだろうが、大部分は国が主導して作らせている。生活を豊かにする物から兵器まで様々あるが、それが作れなくなると大混乱に陥るだろうな。これは少し調べてみる必要があるか? 誰が何の為に魔石を買い占めているのか……。

 それ以外は特に気になった情報はなかったな。用事も終わった事だし、一旦家へ帰るとしようか。

 家に帰り、留守番をしていたマリー、アリスと合流し一同プールへと向かったのだった。うむ、ヴェロニカの水着に不備が……以下略。

 水着に着替えたヴェロニカ達。今日も素晴らしい水着姿だ。ヴェロニカの水着も特に問題なさそうだな。

 ヴェロニカは泳げないという事なので、俺が手取り足取り指導する事になった。

「魔大陸の海で泳ぐなんて自殺行為よ?」

 冷静に考えれば分かるな。魔大陸は一年中気温の低い大陸だ。そこにある海や湖で泳げば一体どうなるか……。

 俺がヴェロニカを指導している間、マリーとソニアとアリスはプールの中を自由に泳いでいる。俺が教えた泳法は「クロール」「平泳ぎ」「背泳ぎ」の三つだ。今は三人共、背泳ぎでプールの中を泳いでいる。この姿勢は皆の爆乳が水面から突出するので、見ていて幸せな気分になる。

「もう……あなたってば。今は妾に泳ぎを教えているのよ? 妾の方を見て?」

 三人の胸に視線が奪われていたのが気に入らなかったのだろう、ヴェロニカが拗ねた顔をして俺を咎めた。そうだな、済まなかったよ。

 その後、泳げるようになったヴェロニカと五人で、夕方までプールを満喫し楽しく過ごしたのだった。


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