戦いの終焉
プリムラ視点
「さあ、この魔物を倒してこの騒動の幕引きとしましょう」
リラの魔法で、大半の魔物が倒されました。後は元凶であるボス魔物を倒すのみ。
「じゃあ、一斉に攻撃して終わらせようかね」
「異論はありませんわ」
セフィラの提案に皆が頷きました。ならば先手は頂きますわ!
「はぁぁぁっ!」
ボス魔物に接近し全力で剣を振り下ろす!
「ギャオォォォッ⁉」
痛みで大きな叫び声を上げていますわね。手応えは十分ですわ。次は、
「ごめんなさいね~。せめて苦しまないように倒してあげるわ~」
手に持った大鎌で滅多切りにしたのはエリカ。斬られた所から血飛沫が舞います。
「民を守る為、私も心を鬼にいたします!」
アリスが魔法で鋭い風の刃を創り出し、ボス魔物の喉元へと解き放った。容赦のない攻撃で大量の出血をさせるダメージを負わせましたね。
「う~ん……何だか可哀想になってきたよ」
そう言いながらもボス魔物の周囲を高速で移動しながら切りつけ、遂にボス魔物は地面に倒れ伏した。
「それじゃあ……コイツで終いだぁ!」
セフィラが天高く跳躍し、ボス魔物の脳天へ戦追を振り下ろした! ゴオォンという途轍もない音を響かせると、ボス魔物は完全に沈黙した。
「終わりましたわね」
残っていた魔物も、城の兵士と他の冒険者の方々が倒して下さったようですね。今迄の喧騒が嘘の様に、辺りは静寂に包まれていますわ。
「見事であった。この国を代表して礼を申す」
そういえば先程からリラと話しているこの殿方は、聞けばこの国の国王陛下と言うではありませんか! そんな国王陛下と気さくに話すリラ……貴女はどういう神経をしていらっしゃるのですか?
「あら? これは……」
ボス魔物……キングタイガーでしたか。その首に見慣れない金属の首輪があるのが見えた。
「何でしょう? ……あっ、外れましたわね」
首輪は非常にあっさりと外れました。これは一体何なのでしょう? 旦那様なら分かるかしら?
「後始末は我等に任せて欲しい。貴殿らはゆっくりと休んでいてくれ」
国王陛下にそう言われては仕方ありませんね。お言葉に甘えて休む事にしましょう。
レオン視点
俺達が西門に辿り着いた時には、既にこちらも戦闘が終了していた。幸い妻達は全員無事なようでなによりだ。それと、
「ふむ、貴殿があのご婦人方の夫殿であるか。此度は貴殿と奥方には大変世話になった」
この筋肉だるま……筋骨隆々の偉丈夫は、この国の王――ラキウスの父親だそうだ。
「いいえ。この国の方々の助力があればこその結果です」
「謙虚な青年だ。我が愚息も見習って欲しいものだな」
という軽い挨拶をして本題へと入る。
「倒した魔物の死骸は無償で貴国に寄付したいと思います」
「良いのか? それを売れば一財産築けるぞ?」
「構いません。貴国の為に役立てて下さい」
目先の大金よりも将来に役立つ「貸」の方が重要だ。幸いにも金には困っていないしな。
「……感謝するぞ。それでこの後どうするのだ?」
「ひとまずは家に帰ろうかと。それで明日に改めてご挨拶に伺いたいと思います」
俺もそうだが妻達の疲労が濃い。ここは一度出直すべきだろう。
「承知した。ではまた明日に会おう。時間は何時でも構わん」
「はい、それでは失礼します」
国王に別れを告げ、妻達が集合している場所に合流した。
「家に帰る前に、王宮に向かいガルド王と『賢者殿』に報告を済ませたい」
俺のこの意見には反対の声は上がらなかった。うむ、面倒臭い事は早めに済ませるのが吉だよ。
「それじゃあ、行くわよぉ?」
ソニアの転移魔法で王宮の目の前に転移した。そして門番に今すぐガルド王に謁見したいと申し出ると、すぐさま謁見の準備が完了した。以前訪れた事のある会議室の様な部屋だな。




