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西門の戦い 終結

 レオン視点

「これはまた……道理で地表を見渡しても発見出来なかった訳だ」

 遂に『主』が姿を現した。例のフロストビーが巨大になった風貌、さしずめ「女王蜂」といったところかな。俺の推察を裏付ける様に、奴の周囲に無数のフロストビーを従えている。

 空を覆い尽くす程の蜂の群れ、確かに普通なら恐怖で腰を抜かしてしまいそうな光景だが、

「旦那様!」

「レオン殿!」

 マリーとローリエが俺の傍まで駆け寄って来た。そして、

「旦那君!」

「ご主人君!」

 ソニアとカトレアも駆けつけて来た。確かに俺一人だったら絶望的な状況だろうが、俺には頼れる妻達がいる。貴様など敵では無い!

「まずは邪魔な周りの蜂共を倒す。その後一気にデカブツを仕留めるぞ!」

「「「はいっ!」」」

 さあ、フィナーレの時だ。

「ふむ、折角だ「アレ」を試してみるとするか」

 槍に魔力を込め、それを先端に集中させる。そして先端から拡散させる様なイメージで魔法を解き放った!

 バチッ! という音と共に、雷がまるで「散弾銃の玉」の様に弾け飛び、フロストビーを蹂躙していく。

「これは使えるな。そうだな……『散雷弾ショットガン・ライトニング』と名付けるか」

 新たな魔法を考えて使用する。この瞬間は本当に心躍るな。だって男の子だもん。

「面白い魔法ねぇ……こうかしらぁ?」

 俺の隣にいたソニアが、大きな火球を創り出し、それを破裂させる事で小さな無数の火球を発生させ空に向けて放った。一度見ただけで模倣したか。やはり魔法の才ではソニアには敵わんか。

「流石は旦那様とソニアですね。我々も負けてはいられません」

「はい。お二人には及びませんが、私も空中への攻撃は可能です」

「ほえ~、二人共凄いね~。ウチも頑張らなくっちゃ」

 その後、俺達全員で波状攻撃を仕掛け、周囲に群がるフロストビーの大部分を殲滅した。

「どうする? これで貴様は丸裸だぞ?」

 俺の言葉を理解して己の不利を悟ったのか、女王蜂が俺達に背を向けて逃走を始めようとしていた。

「ふむ。「逃げる」という選択肢を取れる知能はあるのか……それはさておきだ、残念だが貴様を逃がす訳にはいかんぞ?」

 俺は愛槍を持ち替え、「槍投げ」の体制を取った。そのままの体制で槍にありったけの魔力を込め、女王蜂に向かって全力で槍を投擲した!

 槍が寸分違わず女王蜂の背中を貫く。そして槍の込めた魔力が放出され、女王蜂の内部を高電圧で焼き焦がした!

 貫かれた女王蜂が、ゆっくりと降下しそして地面に叩きつけられた。それと同時に残っていた魔物が散り散りになり敗走を始めた。

「終わったか……?」

 女王蜂の生死を確認する為、落下地点へと歩みを進めた。女王蜂の周囲には肉が焦げる匂いが充満している。

「……大丈夫だな」

 しっかりと死亡を確認し、ようやく一息つく事が出来たな。女王蜂本体は大した事なかったが、周りのフロストビーの数が厄介だったな。弓矢等の対空装備が無ければ被害は拡大していたな。つまり相手が悪かったという事さ。

「ん? あれは……」

 一目見ただけでは気が付かなかったが、女王蜂の頭に何やら金属製の輪っかが埋め込まれている。何だ、これは?

 俺はそれが気になり、女王蜂の頭から取り外しアイテムボックスの中へ収納した。

「見事だった。レオンよ」

 残党の討伐を終わらせたラキウス王子が俺の傍までやって来た。

「いえ、ここにいる皆が力を合わせた結果ですよ」

「随分と謙虚なのだな。俺の知っている冒険者とは少し違うらしい」

 普通の冒険者は武勇や武功を誇る物だしな。そういう意味では俺は冒険者らしくない冒険者と言えるか。

「それより、東門の状況は?」

 すっかり忘れていたが、東門の戦況はどうなっている?

「安心しろ。東門の方も戦闘は終わっている。戦闘音が聞こえなくなったからな」

 俺には良く分からなかったが、人族よりも聴覚の優れる犬の獣人がそう言うのだから間違いは無いのだろう。

「それに……あっちには『親父』が向かったんだ。何の心配も要らないさ」

 親父……という事は国王が前線に出るのか? いや、この王子の父親ならあり得るか?

「では、後始末をして向こうと合流しましょうか」

「おう」

 魔物の死骸を集め纏めてアイテムボックスに放り込む。そして負傷者の手当てをして東門へ向かった。


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