自由時間の過ごし方 お掃除隊
マリー視点
旦那様が「今日は自由に過ごせ」と言って話し合いは解散となりました。皆様は思い思いの行動をとられていますね。
旦那様はギルドへ、本を借りに行くと仰っていました。キキョウはソニアを伴って王都へと買い物に行くそうです。プリムラとリラとセフィラとローリエは中庭へ、恐らく鍛錬でしょう。
「良い機会です。家の中の掃除をしてしまいましょうか」
家の中に人が少ないこの状況、掃除をするには丁度良いですね。
「お掃除ですか? 私もお手伝いしますね、マリー」
「私も手伝うわ~」
布巾を手に掃除を始めようとすると、アリスとエリカが手伝いを申し出てきました。それ自体はとても嬉しい事なのですが……王女様と皇女様ですよね? いえ、深く考えてはいけませんね。花嫁修業の一環だと思う事にしましょう。
早速掃除を始めるのですが、我が家は履物を脱いで生活をしているので、床の汚れは殆んどありません。なので汚れの多い場所――玄関と、中庭への出入り口になっている所、それと風呂場に寝室ですね、それらを重点的にお掃除しましょう。
我が家の玄関は広めな造りになっています。住んでいる人数が多いですからね。しかしそろそろ手狭になってきますね、靴箱の拡張を旦那様に進言いたしましょう。
続いては中庭付近の出入り口ですね。皆さんには「土埃を払ってから入って下さい」とお願いしていますが。完璧に払うのは不可能ですからね、どうしても汚れは溜まってしまいます。
我々三人で床や壁を拭き終わり、ふと外の様子を見ますと、皆さんが元気に鍛錬している様子が確認できました。
「これはまた沢山汚しそうですね。ふふふ、メイドの血が騒ぎます」
アリスとエリカも笑顔で中庭の鍛錬を見ていました。
「皆様、とても楽しそうですね」
「ええ、私も後で混ざろうかしら~?」
ではエリカの為にも次の場所に向かいますか。
続いてはお風呂場です。脱衣所はそれ程汚れもありませんね。ここは軽く拭き掃除するだけで良いでしょう。
本命はお風呂場です。旦那様にお風呂場には見えない汚れが沢山あると教えて頂いています。それを徹底的に綺麗にしましょう。
まずは床ですね。三人で手分けすればそれ程時間は掛かりませんね。その後壁や浴槽などを洗っていきます。
「お掃除と言うのは、とても労力を要するのですね」
お風呂の掃除を終えると、アリスがそんな事を口にしました。
「そうね~。戦闘で体を動かすのとは全然違うわ~」
エリカも同様の事を言っていますね。「魔物」と戦うのが冒険者ならば、「汚れ」と戦うのがメイドです。どちらも「敵」に容赦しない所は同じですね。
最後は寝室です。と言ってもやる事は部屋の窓を開けて、空気の入れ替えを行うくらいでしょうか? 朝、目が覚めると旦那様が後始末をしてくださいますからね。メイドとして不甲斐ないと思いますが……旦那様の起きるのが早すぎるのです。旦那様は「昔からの習慣で早く起きてしまう」とのことですが、出来ればゆっくりして頂きたいものです。




