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杜の国の王〜この子を守るためならなんだって〜  作者: メロのん
第1章 安住の地を求めて
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第92話 痕跡探し

 どんな危険を伴うか分からないため本当は連れていきたくなかったのだが、ルアの必死の訴えがあり2人を連れて探索している。


「キュルー」


 そしてゾンとルアだけでなく、樹鼠にも同行してもらっている。現在は樹鼠がいた場所へと転移でやってきて、そこから樹鼠を自由に行動させている。


 言葉が通じるのであればどんな所で生活していたのかなどすぐに案内してもらえるのだが残念ながら通じない。なので樹鼠を先頭に、自由に行動させる事で何か痕跡を見つけられないかを探っている。


「キュルー?」


「大丈夫だよー」


「ちゃんと着いていってるよ。」


「キュルル!」


 樹鼠は進んでは何度もこちらを振り返り、ちゃんと付いてきているのを確認すると満足そうに鳴いてまた進む。


 きっと不安なのだろうな。今まで愛というものに疎く、常に周りを警戒して生きてきたのだろう。だからこそ1度手に入れた愛がどこかに行ってしまわないか不安になってしまうのだろうな。この子にも色んな愛をこれから知っていってほしいな。


 ☆


「キュルキュル!」


「あれー?」


「樹のうろに入っていっちゃった。」


「キュルー!」


「どうやら僕たちを呼んでいるみたいだね。」


 いきなり樹鼠が駆け出したかと思えばとある樹のうろの中へと入っていき、顔だけ覗かして僕たちを呼ぶ。何かを見つけたのだろうか?


「「おー!」」


「これは…」


 樹鼠の元へと駆け寄りうろの中を覗いてみると、そこには生き物の巣があった。外側は木の枝や葉で覆い、中は草や木の皮を裂いて柔らかくしたもので作られている。そして横には複数の果実も置かれている。


 樹鼠の様子からするにここが樹鼠の巣だったのだろう。


「ここに棲んでたんだね。」


「キュル!」


 樹鼠は嬉しそうに中を見せてくれる。正直巣自体も簡易なもので、生きるために最低限必要な巣ではあるもののこれは樹鼠が自分で作り上げたものなのだ。


「立派な巣だね。」


「キュルー!」


 言葉は通じなくても褒められたのが分かったのだろう、撫でている僕の手に全力で体を擦り付けて喜びを表現している。


 保存してある果実にも性格が表れているな。空間魔法で異空間に食料を貯めているのだろうがそれだけでなく巣にも貯め込んでいる。これはもし空間魔法が使えなくなって食料が取り出せなくなっても大丈夫なようにだろう。


 異空間を1度作ってしまえばそれを維持するのはそこまで魔力が必要というわけではない。ただ異空間から何かを取り出すには多少の魔力が必要となる。


 万が一敵から逃げる時に魔力をほとんど消費してしまって、異空間から食べ物が取り出せなくなるというのも考えられる。この子がそれを見据えてなのか、それとも今までにそういった経験があるのかは分からないがかなり用意周到な性格をしている。


 呪いの痕跡ではなく残念という気持ちもあるが、それ以上にこの子の事を出来て良い発見だったと思う気持ちが強い。

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