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杜の国の王〜この子を守るためならなんだって〜  作者: メロのん
第1章 安住の地を求めて
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第91話 手がかり

「実に微笑ましい光景ですな。」


「キュルー? キュルー!」


「おや? おやおや、樹鼠様は奔放ですな、ははっ。」


 タージが遊んでくれるために近づいてきたと思ったのか、樹鼠がタージの体をよじ登っていき頭まで登っていく。


「タージも満更でもなさそうだな。」


「はははっ、そりゃあそうですとも。こんなに長く生きてきて、魔物に懐かれるなんて思いもしませんでしたから。悪い気はしないどころか嬉しいですとも。」


「生き物の純粋な好意というものは嬉しいものだよな。」


「ですな。それはそうとウカノ様。」


「どうした?」


「樹鼠様が仲間になって下さるというのであれば、呪いというものを探す手がかりになって下さるのでは?」


「キュルー?」


「あー、確かに良い案かもな。完璧に意思疎通出来るわけではないからどこまで手がかりを得られるかが分からないがやらないよりはましか。」


「また出かけるー?」


「ああ、出かけるがゾンとルアは留守番だ。」


「なんで?私たちも行く。」


「これから何が起こるか分からない以上、2人を危険かもしれない場所に連れては行けない。」


「えー!?僕たちだっていきたいー!」


「危険なんて百も承知だよ!ヒト族の国に行くときだってそれを承知でウカノも私たちを連れて行ってくれたんじゃないの?」


「ヒト族の国へ向かう時は危険な事といってもある程度予想の付くものだ。それに経験出来る事を含めれば危険よりも行くことのメリットの方が大きい。ただ今回は別だ。どんな危険が待ち構えているか全く予想できない。そんな所にむざむざと2人を連れて行くことは出来ない。理解してくれないか?」


「理解なんて出来ないよ!ウカノが私たちを大切にしてくれているのは分かってる。でも私たちだって安全な場所でぬくぬくと過ごしていたいわけじゃない!もっとウカノと一緒に色んなところに行ったり色んな経験したい!」


 うっ…目元に涙を堪えながらに訴えるルアに思わず気後れする。2人は思慮深いから危険性を説けば納得してくれるかと思っていたが甘かったか。だが…だが、やはり2人を命の危険があるかもしれない場所へと連れて行くのは…


「ウカノ様、これは爺の戯言です。ウカノ様はお2人と出会った経緯から、お2人を自分が護らなければいけないと強く考えているのだと思います。ただしゾン様もルア様も、すでに護られるだけの弱い存在ではなくなったのではないですか?確かにまだまだ幼いです。それでもお2人は成長されているのではないですか?それこそウカノ様がお考え以上に。」


 そう…なのかもな。2人を誰よりも近くで見てきたはずなのに、2人を護らなければいけないというフィルターのせいで真っ当に2人を評価出来ていなかったのかもな。


「「ウカノ…?」」


「確かに僕が過保護すぎたのかもしれない。ゾンもルアも、もう僕に護られるだけの存在ではないものな。分かった、今回2人を連れて行こう。」


「やったー!」


「ウカノ!」

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